TOP

北斗の拳 イチゴ味 外道伝





北斗の拳 イチゴ味 シン外道伝
RIGHT ON KING



ストーリー

 
南斗鳳凰拳伝承者オウガイ。ある時、森の中で彼に闘いを挑んできた者がいた。男の名はギシャク。南斗六聖拳の一派、南斗孤鷲拳の伝承者であった。

 数年後、ギシャクは自らの道場にて、我が子・シンに厳しい鍛錬をつけていた。あの日の戦いで、彼の右腕はオウガイによって切り落とされていた。そして今、鳳凰拳には、そのオウガイをも越えし才能を持つサウザーが頭角を現しつつあるという。孤鷲拳を無敵不敗の拳へと高めるため、ギシャクはシンをサウザー以上の拳士へと育て上げる必要があった。だがその厳しすぎる修行は、幼きシンの心を荒まさせていた。

 ある日、シンは山道にてケンシロウと出会う。南斗聖拳と対極にある北斗神拳を学ぶその同年代の少年に、戦いを申し込むシンであったが、ケンシロウにその意思は無かった。師の教え通りに甘さを捨て、孤独のまま拳に打ち込むシン。そして自らの養父である師の恩に報いる為に強くなろうとしているケンシロウ。境遇は違えど、互いにそれぞれの道を極めようとする二人は、次第に絆を深めていった。

 拳に甘さは必要ない。そう考えるギシャクは、シンが隠し持っていた亡き母の写真を焼き払った。あの日、シンを身篭った妻への想いが己の敗北をさせたのだとギシャクは考えていたのだった。お前が今じゃれあっている北斗の末弟も、いずれ血に染める相手―――。そう告げられ、一人で涙していたシンに、ケンシロウは言った。自分とシンは「友達」。だから戦うことはない。いつか一人で勝てない相手が現れたとき、僕達は力を合わせてその敵を倒すのだと。その言葉を胸に、拳を磨き続けたシンは、やがて岩を両断できるほどの力をも身につけていた。しかしその時、ケンシロウの横にあったのは、「恋人」であるユリアの姿であった。そして数年後、言葉にならない感情に身を焼かれるシンは、「友達」であったケンをボコボコにして、ユリアを連れ去るのだった・・・。





・シンの父にして先代南斗孤鷲拳伝承者ギシャク
ケンシロウ伝に出てきたフウゲンさんは考慮されないのね・・・同門のジュガイも。でもフウゲンは先代にしてはえらく齢いってたから、もしかしたら更に先代の伝承者でギシャクが右腕の傷の所為で早めに死んだから再度伝承者となって途中からシンの師となったという考え方もできる・・・・かな。
・ギシャク「老いぼれの拳など孤鷲拳で突き砕いてくれる!」
ちゃんと孤鷲拳が斬撃でなく刺突に重きを置いた拳だと描かれてるのはいいね
・ギシャク、オウガイを襲撃。一閃で右腕を切り落とされる
仮にも同じ南斗六聖拳の者を、しかも立場的には上である鳳凰拳の伝承者を襲ったのにギシャクには何の制裁もなかったんだろうか?伝承者の座を下ろされるくらいはあって然るべきだと思うのだが。オウガイ先生が慈悲で口外しなかったのだろうか。
・シンは師ギシャクから、甘い奴は執念がないから強くなれないと教えられていた。
師の教えだったんですね。無双ではジャギとアミバからの受け売りでしたけど、そっちより全然いいですね。
・ケンシロウは両親の顔を知らない
あ、そうなんや。まあそうか。赤子の時に海渡ってるしね。でも蒼天の拳では日本で生まれてるわけだから、その理屈で行くと実の母は近くにいそうなもんだが。
・ギシャク、北斗神拳門下の者達を道場に迎える
このコマのギシャク何してるの?泣いてんの?
   





キャラクター

シン
 南斗孤鷲拳の次期伝承者。ギシャクの息子。孤鷲拳を無敵不敗の拳へと高めるという父の悲願を託され、幼い時から厳しい修練を課され、甘さを捨てるよう命ぜられて育った。そんな中、北斗神拳門下のケンシロウと出会い、友人関係に。ギシャクからは、いずれその男も倒すべき相手だと言われたが、ケンからは友達だから戦うことは無いと告げられ、共に拳を磨き続けた。しかしケンシロウに恋人・ユリアが出来たことでその関係は崩壊し・・・


ギシャク
 南斗孤鷲拳の伝承者。シンの実父。南斗に並び立つもの無しと言われていたが、戦いを挑んだ南斗鳳凰拳のオウガイに一閃で右腕を切り落とされ敗北。自らの果たせなかった悲願をシンに託し、幼き息子に厳しい修練を課した。同時に、自らの敗因はシンを身篭った妻への想い故と考え、シンに甘さを捨てるよう厳命。ケンシロウと馴れ合うシンを咎め、隠し持っていた母の写真をも焼き捨てた。


ケンシロウ
 北斗神拳伝承者候補である四兄弟の末弟。山道で出会ったシンに闘いを挑まれるが、怪我をしているからと軟膏を渡した。その後、度々山でシンと会い、友達関係に。互いに拳を磨き、いつか一人で勝てない相手が現れた時は二人で倒そうと約束した。しかし数年後、ユリアという恋人ができたことがシンの「何か」を狂わせ、胸に七つの傷を付けられてユリアを奪われた。


オウガイ
 南斗鳳凰拳の伝承者。サウザーの師父。山道にて南斗孤鷲拳伝承者ギシャクの挑戦を受け、対決。殺気を込めて襲い掛かってきたギシャクに手心を加えることなく、一閃でその右腕を切り落とした。


サウザー
 オウガイの養子にして南斗鳳凰拳の次期伝承者。森の中での師オウガイとギシャクの戦いを見守った。その後は才能を開花させ、オウガイをも越える拳士として成熟していった。


シンの母
 シンの母親。シンを身篭った頃、夫であるギシャクはオウガイに挑んで敗北。その後、間もなくして二人のもとを去り、残されたシンは写真でしか彼女の姿を見ることはなかった。その写真も後にギシャクによって焼かれて焼失している。


ユリア
 ケンシロウにできた恋人。彼女の存在がシンを狂わせた。


南斗孤鷲拳門下の者達
 ギシャクの弟子たち。幼いシンにあまりにも厳しい鍛錬を行うギシャクを止めようとした。修行ではシンと組手なども行っているが、成長したシンには適わず蹴散らされている。


北斗神拳門下の者達
 北斗神拳伝承者のリュウケンと、その養子である四人の伝承者候補。南斗孤鷲拳の道場に出稽古に訪れた。




流派・奥義紹介

南斗孤鷲拳
南斗六聖拳の一つ。突き技を主とする拳法。
伝承者であるギシャクは南斗に並び立つもの無しと言われていたが、鳳凰拳のオウガイに一閃で右腕を切り落とされて敗北。その後、ギシャクは息子であるシンに、孤鷲拳を無敵不敗の拳とする悲願を託し、厳しく拳を叩き込んだ。


南斗鳳凰拳
南斗最強を誇る拳法。伝承者であるオウガイは、戦いを挑んできたギシャクの右腕を一閃で切り落とした。その後はオウガイをも越える力を持つサウザーによって伝承されることになる。


北斗神拳
南斗聖拳と対極に位置する拳法。シンはその伝承者候補である四兄弟の末弟・ケンシロウに闘いを挑んだが、やがて友人関係となっていった。一門揃って孤鷲拳の道場に出稽古にも訪れている。



月刊コミックゼノン71号(2016年10月号)掲載