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キャラクター紹介


主人公

霞 拳志郎
 第62代北斗神拳伝承者。別名「閻王」。潘玉玲の夫。

 潘兄妹に協力し、上海を牛耳っていた紅華会を壊滅。だがその事で中国政府から目をつけられ、政府軍から命を狙われる立場に。そんな中、朋友であるギーズが殺され、極十字聖拳の飛燕から犯人と勘違いされ戦いに。誤解はとけたものの、エリカを託せる器たりえるか確かめんとする飛燕より改めて勝負を申し込まれ決闘。勝利後、秘孔によって飛燕の命を延ばし、エリカと共に生きるよう告げた。だがその飛燕は、北斗を憎む西斗月拳のヤサカの手にかかり死亡。寧波にてヤサカと対峙し、西斗の憎しみが誤った歴史であったことを伝えた。そして飛燕の遺言に従い、ヤサカへの止めは刺さなかった。
 その後、エリカを狙う謎の組織「ジェネシス」が現れ、天斗聖陰拳の使い手達と対決。祭司であるシメオン・ナギットとの闘いは未決着に終わり、激化する戦争、そして己たちを狙う者達から姿を隠すため、密かにインドネシアへと移住した。

 4年後、再びエリカを狙ってジェネシスが襲来。捕えられたエリカとヤサカを救うために拠点へと乗り込み、死闘の末にシメオンを撃破した。だがそのシメオンの従者であったヒムカが、北斗神拳の義兄である霞拳心である事が明らかに。師父 霞鉄心に続き、自らも拳心に敗北し、秘孔新血愁によって残り僅かの命とされた。その後、羅門による秘孔 心霊台によって命を延ばし、ノハール・ナハにて拳心と再戦。北斗神拳の究極奥義である無想転生、蒼龍天羅によって拳心に勝利し、最後に最愛の兄であったことを伝えた。そして死を望むエリカに対しては、全ての記憶を抹消することで、彼女を死兆星の運命から解き放った。



青幇

潘 玉玲
 霞拳志郎の妻。青幇の御大。前御大である兄・潘光琳に引けを取らぬカリスマ性で組織を率いる女傑。相当な銃の使い手である一方、飛燕にエリカを託されるほどの深い優しさを持つ。

 青幇の壊滅を狙う中国政府軍からの攻撃を受け、兄・潘光琳が死亡。だがその哀しみの中でも御大としての強い心で組を指揮し、エリカを狙うドイツ軍に対しても果敢に渡り合った。その後、激化する戦争や追っ手たちから逃れるため、密かにインドネシアへ移り住んだ。

 4年後、正体を隠して孤児院を開いていたが、居場所を突き止められジェネシスが襲撃。浚われたエリカとヤサカを救出するため、紅華会の残党である田楽伝とも迷うことなく協力することを選んだ。また、飛燕の仇をとらんとする緋鶴に対しては、女としての生き様を見せることで、拳にも勝る女の「強さ」を教えた。
 拳志郎が残り僅かの命となっても、決して弱さを見せることなく、今自分のできる事を全うする姿を貫き、同時に己が拳志郎の子を妊娠している事を緋鶴にのみ明かした。


潘 光琳
 青幇の前御大。潘玉玲の兄であり、霞拳志郎の朋友。上海の支配を巡って紅華会との抗争を繰り広げ、その中で両足を負傷。車椅子での生活を余儀なくされ、御大の座を妹の玉玲に譲り引退した。
 日中戦争の開戦後、どさくさにまぎれて青幇の壊滅を狙う中国政府より館に爆弾を落とされ、葉子英をかばい死亡した。



 青幇の幹部。二丁拳銃での早撃ちを得意とする。かつて紅華会にやられた傷を覆うため、全身に包帯を巻いている。
息子の葉子英と共に、御大である潘光琳や潘玉玲の側近を務め、情報収集や人捜し、船の手配などといった補佐的な役割を果たしている。
 第2シーズン(13話〜24話)には登場しないが、上海に残り、玉玲不在の青幇を預かっていたものと思われる。


葉 子英
 青幇幹部『二丁拳銃の葉』の息子。父と共に拳志郎の力となり、よく行動を共にしている。政府軍に爆撃された際、自らを庇って潘光琳が死亡したことで、以降はさらに青幇の一員としての自覚を持つに至った。
 4年後、敵組織「ジェネシス」の情報を伝えるため、拳志郎たちの移住先であるインドネシアへ。父に代わり御大・玉玲の側近として付き従う一方で、そこで出合った緋鶴に一目ぼれ。告白するも、全く聞こえておらず、玉砕した。帰国後は青幇入りした田楽伝と河馬超の兄貴分として、ジェネシスの上海支部の壊滅へと乗り出した。





北斗の者達


シャルル・ド・ギーズ
 フランス軍の大佐。北斗孫家拳を嗜む。青幇の復権に力を貸し、拳志郎や潘光琳とは朋友の間柄にある。
 迫害された己の民族を含む行き場の無い人々のため、全ての者が安心に暮らせる場所をつくることを目指し、北大路剛士の力を借りて活動。その実現の鍵となる「希望の目録」を受け取る手はずだったが、北斗への復讐を果たさんとするヤサカに襲撃され敗北。死体となって発見されたが、真の殺害犯はその後に現れたシメオン・ナギットであり、その情報を拳志郎に伝えるため、あえてシメオンのルーアハをその身に受けて傷を残した。


シュケン
 北斗神拳の創始者。1800年前、西斗月拳の秘孔術を身につけるため、その伝承者達から拳を学ぶも、永久の平和のためにその拳を封じるという使命を受けていたため、西斗の者達を全員抹殺。しかし恋人であるヤーマだけは殺すことが出来ず、結局彼女に自決を選ばせることとなった。その後、最強の暗殺拳である北斗神拳を創始するも、生涯にわたって天に罪の赦しを請い続けた。


霞 羅門
 霞拳志郎の弟。連絡の無い兄の無事を確認するため、そして強い者との戦いを求めて上海を訪問。ドイツ軍に襲われていた玉玲とエリカを救出した。その後、政府軍の襲撃からエリカを守るよう拳志郎に言われ、自ら囮になることでエリカを逃がすことに成功。しかし天斗聖陰拳のシャムラとの闘いに敗れ、「希望の目録」との交換するための人質とされたが、エリカや拳志郎によって救出された。同時に、エリカに恋心を抱いた。
 その後日本に戻り、4年間北斗と西斗の勾玉を預かっていたが、それを知った霞拳心が寺院に襲来。父・鉄心が敗北したことを受け、せめて勾玉は守らんとインドネシアに渡ったが、追ってきた拳心によって拳志郎までもが敗北。秘孔新血愁を突かれた拳志郎より、延命の秘孔である心霊台を突く役目を託され、その重責を担った。その後、拳志郎に同行してノハール・ナハへ赴き、緋鶴と共にエリカを救出した。


霞 鉄心
 第61代北斗神拳伝承者。霞拳志郎、霞羅門の父。
かつて武者修行のために訪れたヨーロッパにて崖から転落した少年を救出。その子が天斗聖陰拳の素養を持っていたことに危険を感じ、記憶と拳を封印。「霞拳心」として養子に迎え、拳志郎の兄弟子として北斗神拳を教えた。

 数年後、日本が世界戦争への参加の判断を迫られた際、役人に同行する形で拳心と共にヨーロッパへ。そこで日本の参戦を止められなかったことで拳心より北斗神拳の無力さを詰られ、さらに滞在先で世話をしてくれていたマリーヌが戦争に巻き込まれて死んだことで、この世界に絶望した拳心と道を違えることとなった。

 その後、羅門と共に二つの勾玉を預かっていたが、それを強奪せんと拳心が表れたため、対決。北斗神拳奥義 七星点心にて優位に立つも、情による一瞬の隙を突かれ、天斗白蛇襲を浴び形勢逆転。勾玉をもった羅門を逃がすため、命を懸けて拳心の行く手を遮り、最後は北斗の奥義にて止めを刺された。


霞 拳心
 霞拳志郎の義兄。ナハシュの血を引く天斗聖陰拳の使い手であり、同時に北斗神拳をも修得しており、右手で北斗神拳、左手で天斗聖陰拳を操る。青い右目と金色に輝く左目のオッドアイを持つ。シメオンの従者「ヒムカ」としてジェネシスに所属しているが、世界を滅ぼし再創生するという野望のために組織を利用しているに過ぎない。また、「霞拳心」という名前も、霞鉄心に養子として迎えられた時につけられた名前であり、本名は不明。

 かつてナハシュの血を引く母と、一族以外の男との間に誕生。だがそれを認めぬナハシュの民に母を殺され、自らも崖から転落。川に落ちたところを霞鉄心に救われたが、天斗聖陰拳の才を持っていた事を危惧され、秘孔によって拳と記憶を封印された。その後、鉄心の養子として育てられ、父に認められたいという思いから北斗神拳を学び、才能を開花。弟弟子である拳志郎の憧れの存在となった。

 鉄心と共にヨーロッパを訪れ、そこで出会った世話係のマリーヌに想いを寄せるが、彼女は戦渦に巻き込まれて死亡。戦争を止められぬ北斗神拳、そして腐った世界に絶望し、鉄心のもとを離れ、世界中の無能な英雄を殺しまわって世界を変えようとした。

 ドイツでのサガ・ナギットとの出会いを機に、己に天斗の素養がある事を知り、記憶を復活。「ヒムカ」という新たな名を得て、シメオン・ナギットの従者となり、天斗聖陰拳を修得。「ジェネシス」の一員として、ナハシュの予言を実現させんとするシメオンに忠義を尽くした。だが真の狙いは、ミガドルの雷(核爆弾)によって世界を滅ぼし、己自身が選んだ英雄による新世界を作ることであり、そのためにジェネシスを利用していたに過ぎないとシメオンから離反。ミガドル(エリカ)の記憶に眠る核分裂装置の設計図を手に入れるため、勾玉を預かる霞鉄心を殺し、更には拳志郎を圧倒。秘孔新血愁により、拳志郎を残り僅かの命とした。

 その後、エリカを救出に来た拳志郎と再び対決。闇の奥義で拳志郎を追い詰めるも、北斗神拳究極奥義 蒼龍天羅によって打ち破られ、最後は拳の打ち合いに破れ敗北。闇の衝動に突き動かされていた自分は、既に虚無の器であったとして、土に還った。


北斗曹家拳の星々
北斗曹家拳に仕える星々。寧波にいたところをヤサカに因縁をつけられ、5人まとめて一瞬で葬られた。





エリカの家族


エリカ・アレント
「希望の目録」を持つ少女。直観像記憶の能力により目録を全て記憶している。
ドイツ軍の追跡から逃れるため、護衛である流飛燕と共に上海へ。引受人のギーズが殺され行くあてを失うが、飛燕との生活の中で互いにかけがえの無い存在に。拳志郎との戦いに敗れ、死を選ぼうとした飛燕に己の思いを伝え、思いとどまらせた。その後は「親子」として生きることとなったが、ヤサカの手にかかり飛燕は死亡。改心したヤサカより殺してくれと告げられたが、それよりも飛燕のために祈りを捧げて欲しいと望んだ。そして飛燕の後を継ぎ、自分を守り続けとを誓ったヤサカに対し、次第に心を赦していった。

 その後、自らを狙い「ジェネシス」なる組織が襲来。己がナハシュの神である「ミガドル」であり、かつて父より授けられた核分裂装置の設計図が、世界を再創生するための「ミガドルの雷」であることを知り、頑なに協力を拒んだ。拳志郎の手によりジェネシスは壊滅するも、自らをかばってヤサカが死に、そして拳志郎も霞拳心に致命の秘孔を突かれたことで、己の記憶が愛する者達を殺していると絶望。死を選ぼうとするが、共に哀しみを背負うという拳志郎の言葉に救われ、全ての記憶を消し去って生きる道を受け入れた。


エリカの母
 エリカ・アレントの母親。「希望の目録」を狙うドイツ軍によって瀕死の傷を負わされ、その後に駆けつけた飛燕に、エリカの秘密を話して絶命した。



ロバート・アレント
 エリカ・アレントの父親。世界初となる核分裂装置を完成させたが、その力が悪用される事を恐れ、エリカの記憶の中に設計図を封印。予想通り、設計図を狙いジェネシスが襲撃をかけてきたため、エリカを飛燕と共に逃がした。だがその後、邸に訪れたヒムカに自白の秘孔を突かれ、設計図の秘密を話した後に殺された。





極十字聖拳

流 飛燕
 「死鳥鬼」と呼ばれる極十字聖拳の伝承者。北大路剛士より「希望の目録」の護衛を依頼され、その内容を記憶した少女・エリカ・アレントを連れて上海へ。旅の中で彼女の心に触れることで人間の心を取り戻し、同時にエリカが何物にも替えがたい存在となった。
 彼女を預けるはずだったギーズが殺され、その犯人が霞拳志郎であると思い込み戦闘に。後に誤解は解けたが、病によって自分の命が長くないとして、拳志郎と玉玲にエリカを預けることを決意。拳志郎の力を見定めるために死合いに臨むが、血に酔いすぎたことで敗北。その後、自決しようとしたが、エリカによって制止され、秘孔により今しばらくの命を与えられた。
 その後、エリカと親子として生きることになったが、西斗月拳のヤサカに捕えられ、監禁。解放後、ヤサカに戦いを挑むも敗北し、エリカの哀しむ顔を見たくないとして、小船の上で静かな最期を迎えた。


流 緋鶴
 極十字聖拳の女拳士。流飛燕の"弟"(自称)。
 かつて悪党達に育てられながら盗みをさせられていたが、その時に出会った飛燕が悪党達を皆殺しにしたため、後をついていくことに。旅を共にする内に絆が生まれ、飛燕を「義兄(あにぃ)」と慕い、数年間を共に過ごした。その後、突如姿を消した飛燕を探し上海を訪れるも、田楽伝より飛燕の死を伝えられ、その犯人である(と吹き込まれた)拳志郎に筋違いの憎しみを抱いた。
 4年後、インドネシアにて拳志郎を発見し、復讐を果たそうとするも、情厚きその男の姿に困惑。やがて真の仇がヤサカである事を知るも、朋友のため、そしてエリカを守るために命をかける男達の生き様を目にし、心の思うままに生きる事を決意。不得手な色仕掛けなどを駆使してヤサカらの居場所を掴み、ジェネシスのアジトへ。だがそこで、死に行くヤサカよりエリカの事を託され、その想いを継いだ。
 拳志郎が死を直前に迎えても己が役目を全せんとする玉麗から女の生き様を学び、同時に拳志郎に恋心を抱いていたことを自覚。拳志郎の生き様を見届けるため、ノハール・ナハへと同行し、羅門と共にエリカの救出に成功。その後、全ての記憶を失ったエリカに、飛燕、ヤサカ、拳志郎の生き様を語り聞かせる事を約束した。
 尚、葉子英から惚れられており、告白もされたが、本人は全く気付いていない。





西斗月拳/月氏族

ヤサカ
 西斗月拳の伝承者。1800年前、西斗の者達を皆殺しにしたシュケンへの恨みを今に引継ぎ、北斗に関わるもの全てを抹殺せんと企む。青幇壊滅を狙う政府軍より助っ人として雇われているが、拳志郎を倒すため、軍の資金を利用しているにすぎない。
 北斗孫家拳のギーズ、北斗劉家拳の流れを汲む流飛燕といった拳士達を次々に襲撃。彼らとの戦いで北斗の拳の間合いを見切らんとした。その後、拳志郎との決着を付けるために寧波にある北斗の菩提寺へ。だが勾玉が見せた真実により、北斗への恨みは捻じ曲げられた歴史であったことを知り号泣。拳志郎との戦うことで死を選ぼうとするが、飛燕の遺言により生かされ、その後はエリカを守るために生きる事を誓った。
 4年後、拳志郎たちと共にインドネシアに移住。襲いくる「ジェネシス」からエリカを守るために戦うが、シメオンに敗れ、アジトに監禁。脱出を図り、再びシメオンに敗北するも、エリカという守るという執念によりシメオンの右手に傷を負わせた。最後は崩壊する遺跡の中でエリカを瓦礫から守り、拳志郎と緋鶴に後の事を任せ、凄絶な最期を遂げた。


ヤーマ
 1800年前の西斗月拳の高弟の一人。拳を学ぶために訪れたシュケンと恋仲になり、妊娠。だがその後、シュケンが西斗月拳を封印する使命を受けていたことを知り、それが平和のためであることに一片の疑念も抱かず、崖から身を投げた。その後、狼によって命を救われ出産。逃亡の末に月氏の民に追い詰められ、命を引き換えに子供を助けて欲しいと懇願しながら自決した。
 ヤサカが勾玉から真実を見た際には、亡霊となって登場。西斗が抱き続けた北斗への憎しみは、己の哀しみやシュケンへの愛が摩り替わったものであることを伝えた。


イザヤ
 1800年前の西斗月拳の高弟の一人。ヤーマの兄。シュケンにより暗殺され、死ぬ前にヤーマが妊娠している事を告げた。




白狼(西斗の怨念の化身)
 西斗月拳の怨念の化身。容姿は狼だが、人間の言葉を話す。
 月氏族の墓に訪れた拳志郎の前に登場。1800年前、北斗と西斗の間に起こった悲劇を語り、憎き北斗への復讐を果たさんと牙を向けたが、返り討ちにされ、いずれ、己の意思を継ぐ復讐者の出現を予言しながら消滅した。
 亡霊となる前は、崖下へと身を投げたヤーマを救ったり、ヤーマの残した赤子に自らの乳を与えるなどしている。


ヤーマの子
 シュケンとヤーマの間に生まれた赤子。北斗の血を引く者の存在を認めぬとして、月氏族に殺されそうになったが、母ヤーマの命を捨てての懇願により、砂漠に放置される形で見逃された。その後、狼に乳を貰うなどして生きながらえ、その血はヤサカへと受け継がれた。


西斗月拳の伝承者&門下達
 1800年前の西斗月拳の伝承者と、イザヤらを含む門下達。シュケンによって暗殺された。名前だけ登場。


月氏の民
 かつて西域で栄えた民族。西斗月拳を伝承している。伝承者達を皆殺しにしたシュケンを憎み、その男との間に子を設けたヤーマを追跡。赤子を殺そうとするが、ヤーマの命を捨てた懇願を受け、砂漠に赤子を放置することでその未来を天に委ねた。やがて彼らの憎しみがヤサカへと伝えられた。





ジェネシス/ナハシュの民

シメオン・ナギット
 天斗聖陰拳の伝承者。ナハシュの民とミガドルを守る使命を背負いしナギット家の血を引く祭司。「ナハシュの預言書」の教義を信じ、王ミガドルと共に予言を実現させ、この世界の再創生(リジェネシス)を成さんとしている。

 父であるサガ・ナギットより天斗聖陰拳を学び、従者であるヒムカと共に研鑽を重ね、やがて父の後を継いで伝承者に。祭司として残されたナハシュの民を率い、ナハシュの予言の実現のため、ミガドルの雷(核の炎)による世界の再創生、そして己たちの国を再興を目指し「ジェネシス」を組織。世界中にその勢力を拡大させた。

 王ミガドル(エリカ・アレント)と、彼女の記憶の中にあるミガドルの雷の設計図、そして一族の秘法である二つの勾玉を奪うため上海へ。ギーズ大佐を殺害し、更には配下のシャムラを使うことでエリカと勾玉に後一歩と迫るが、拳志郎との戦いに決着を付けられず、その場は取り逃がした。

 4年後、エリカ達がインドネシアに居る事を突き止め、配下のコールを使って孤児院を襲撃。ヤサカを圧倒し、エリカを拠点へと連れ帰り、己の教義を理解してもらうことで核分裂装置の設計図を聞きだそうとした。しかしその想いは敵わず、そして駆けつけた拳志郎との死闘の末に敗北。ルーアハにより一命は取りとめたが、従者であるヒムカが己を利用していた事を知り、その罪として己自身に止めを刺した。


ヒムカ/霞 拳心
 「ジェネシス」に所属する天斗聖陰拳の使い手。シメオン・ナギットの従者。
 若き頃、天斗の才ありとしてサガ・ナギット(シメオンの父)に認められ、シメオンの従者に。天斗聖陰拳を修得し、世界の再創生を成し遂げんとするシメオンに付き従い、時には側近として的確な助言をもたらした。
 だがジェネシス壊滅後、瀕死のシメオンに対し、本当は己の野望の実現のためジェネシスを利用していたことを告白。ナハシュの予言を実現ではなく、己自身が認めた英雄によって世界を作り直すことが真の目的であることを明かした。その正体は、拳志郎の義兄である霞拳心。

詳細は、「霞拳心」の項を参照。


シャムラ
 天斗聖陰拳の使い手の一人。シメオンより「希望の目録」獲得の命を受けてドイツ軍に潜入している。かなりの巨漢だが頭は弱い。気合を入れるために自分の顔をガンガン殴る癖がある。
 政府軍が青幇を襲撃するどさくさの中、エリカを連れ去ろうとするも、羅門の身代わり作戦により失敗。しかし天斗聖陰拳によって羅門を圧倒し、「希望の目録」との交換するための人質として寺院に監禁した。だがその後、拳志郎が手ぶらで現れたために激怒。気を吸収する技で苦戦させ、更には神技・陀羅漢を繰り出すも、秘孔 児鳩胸によって遠近感を狂わされていたことで空振りに。最後は北斗七死星点を喰らい敗北するも、その程度ではシメオン様には勝てないと言い残した。


ファン・デル・コール
 オランダ軍の将校(参謀)。天斗聖陰拳の使い手の一人。奴隷達を使っての臨床実験により、身体能力を向上させ、苦痛を感じない「人間兵器」を作り出そうとしている。蛇のような長い舌が特徴。ドボルザークの「新世界より」を好み、常にレコードをかけている。口癖は「にゅめ〜」
 シメオンよりミガドル(エリカ)の拉致を命じられ、孤児院を襲撃。拳志郎との戦いに臨むが、ルーアハの注入や、自らの肉体を強化しての攻撃も通用せず、秘孔により腹部を破裂させられ敗北。最後は自白の秘孔を突かれ、己たちの目的がミガドルの雷の取得、そしてエリカこそがミガドルであることを話して死亡した。


元老院達
 「ジェネシス」の元老院4人衆。ナハシュの予言を実現させ、ミガドルを頂点とした己達の国を再興し、世界を統べることを目論んでいる。だが祭司シメオンとは違い、真の目的は金儲けにあり、激化する戦争を利用して武器を売りさばく事で多額の金を得ることを第一に考えている。また、予言にあるミガドルの雷(核爆弾)も、世界の再創生に使うのではなく、各国に売りさばこうと目論んでいる。
 拉致したエリカに強引に迫り、核分裂装置の設計図を聞き出そうとしたが、ヤサカや拳志郎によって阻まれ逃亡。ヒムカに脱出口まで案内させようとしたが、本性を現したヒムカにより用済みだと言われ、ルーアハによって滅殺された。
 黒頭巾をかぶって素顔を隠しており、それぞれ赤、青、黄、緑の宝石をつけることで差別化されている。


ナハシュの民
約2600年前、西方はるか彼方にて、王ミガドルと約束の地を守護していた民族。かつて栄華を極めていたが、他の民族に全てを奪われ、国を失い流浪化。2600有余年という永きに渡り表舞台から姿を消し、伝承する天斗聖陰拳とともに滅びたとされていた。
しかし王ミガドルの血を引く少女・エリカが現れた事で、これを神の啓示と信じ活動を開始。祭司シメオン・ナギットを中心に秘密結社「ジェネシス」を組織し、ナハシュの予言にあるミガドルの雷(核爆弾)を使っての世界の再創生を成し、選ばれし子ミガドル(エリカ)を頂点にとした国を再興しようとした。そのための活動資金を稼ぐため、激化する戦争に合わせて武器を売りさばき、世界中に勢力を拡大させていった。

ナハシュの血を引く者には天斗聖陰拳を扱える才があり、代々祭司を努めるナギット家の血筋を持つ者のみが全ての神技を扱える(例外あり)。かつて東方に向かった一派が月氏の民に天斗聖陰拳を伝え、そこから西斗月拳が生まれたとされている。

北斗と西斗が持つ二つの勾玉が、一族に伝わりし伝説の秘宝とされている。それを一族の約束の地である「ノハール・ナハ」の玉座に祀り、ミガドルがそこに座すことで、記憶されしミガドルの雷の設計図が映し描かれる。


人間兵器
ファン・デル・コールの人体実験により生み出された強化人間達。脳内麻薬の分泌により常人の数倍の力を持つ。また苦痛と意識を抹消されているため、コールの命令に充実に従う死霊の兵と化している。
コールと共に孤児院を襲撃し、ヤサカや拳志郎と戦闘。苦痛を感じぬため、何度倒されても起き上がるが、秘孔 醒鋭孔により神経をむき出しにされ悶絶。その痛みにより意識を取り戻し、殺してほしいと拳志郎に懇願し、有情拳による安らかな死を与えられた。その他の兵士達は、実験が未完成であったことから、タイムリミットを迎えると共に肉体を崩壊させて自滅した。


サガ・ナギット
シメオン・ナギットの父親。先代の天斗聖陰拳伝承者。ドイツにて英雄を抹殺しようとしていた霞拳心と出会い、自らの天斗の光に拳心の左手が呼応するのを見て同じナハシュの一族の末裔である事を確認。邸へと連れ帰り、次期祭司であるシメオンの従者とし、天斗聖陰拳とナハシュの教義を共に学ばせた。その後、急逝したとされていたが、実は拳心によって暗殺されていたことが明らかとなった。
存命中は私利私欲に走ろうとするジェネシスの元老院達の動きを抑えていた。


拳心の母
 霞拳心の母親。ナハシュの血を引いていたが、一族以外の者との間に子(拳心)を作った事で、ナハシュの民より裏切り者として追われ、崖に追いつめられて銃殺された。





軍人


ドイツ軍の隊長
 「希望の目録」を追うドイツ軍の部隊の隊長。ハルピン駅の近くで奪取に失敗した同胞達の死体を発見し、上海へ移動。橋の上でエリカ達を待ち伏せたが、いくら待っても来なかったため、川沿いの捜索へ。その最中にフランス軍と鉢合わせ、いざこざの末に相手の隊長を短剣で刺してしまったため、双方の間で激しい銃撃戦となった。
 拳志郎不在時にふたたびエリカを狙い、玉玲の銃を弾き飛ばして追い詰めたが、現れた霞羅門によって撃退された。


フランス軍の隊長
 ギーズ大佐を殺害した犯人を捜索していたフランス軍の隊長。川べりの道でドイツ軍の部隊と鉢合わせ、いざこざの末に腹部を短剣で刺されて死亡。それを切欠に両軍が銃撃戦となった。





政府軍の男(ヤサカ監視)
 ヤサカに同行していた政府軍の男。ヤサカが捕えてきた飛燕が、青幇のリストの中に無いことなどから、本当に政府軍に協力する気があるのか不信がった。
その後、青幇打倒のためだとヤサカに言われ船を用意するも、虚言であることを看破。しかし操孔針によって動きを封じられ、海へと蹴落とされた。


戦車を操縦する日本兵
 日本帝国軍の兵士2人。戦車を操縦していたが、乗り込んできた拳志郎に力ずくで占拠され、飛燕の下に向かうよう指示された。原作では1人で、秘孔を突かれたりもしている。


政府軍の部長
 政府軍の部長。閻王抹殺のために雇ったヤサカが裏切ったと知り、総力をあげて青幇とその一味を叩き潰すよう指示を出した。
裏では天斗の武器商人と繋がっており、戦争に必要な戦車や鉄鋼弾などの商談を行っている。
12話では軍の砲撃で拳志郎、玉玲、ヤサカが行方不明になったとの報告を受け、これから上海の裏社会が変わっていくことを示唆した。



オランダ軍兵士
 インドネシアを占領地とするオランダ軍の兵士達。ジェネシスと繋がっており、拳志郎とエリカを捜索中に拳志郎と出くわし、全滅させられた。


コールの検体にされた男
ファン・デル・コール参謀の臨床実験のために捕えられた検体。体内にルーアハを注ぎ込むことで、超人的なパワー、そして苦痛を感じぬ身体をもつ「人間兵器」へと変異させる実験に使われた。結果は上々だったが、制御がきかず、またすぐに肉体を崩壊させて死亡してしまい失敗に終わった。もともとはインドネシアの労働者や避難民だったらしい。


オランダ軍将校
 コール参謀に阿片を密売していたオランダ軍の将校。酒好きの女好きとして知られている。
 エリカ達の監禁場所を知っているかもしれないとして、バーで流緋鶴の色仕掛けを受け、あっさり陥落。部屋に連れ込み襲おうとし、反撃を受けたが、極度のマゾヒズムであったため大興奮。その後、コールが町外れの遺跡に度々訪れていたことを話した。


マリーヌを殺した軍隊
 ヨーロッパのとある町で戦争を始めた軍隊。戦車の砲撃に巻き込んでマリーヌを殺してしまったため、激怒した拳心により全滅。戦車の操縦者も、ハッチを素手で破壊されて引きずり出され、一撃で粉砕された。
ピッケルハウベを被っていることからドイツ軍ではないかと思われる。


ドイツの英雄
 かつてのドイツの(無能な)英雄。霞拳心によって暗殺されそうになっていた。その後、サガ・ナギットが現れて暗殺がうやむやになったため、生死は不明。





紅華会

田 楽伝
 元紅華会三番頭 田学芳の双子の弟。兄の形見である鋼鉄のヅラをかぶっている。兄の仇である閻王への復讐、そして紅華会の再建という野望を抱いている。
 紅華会の壊滅を受け、舎弟の河馬超と共に寧波へ逃亡。だがそこに拳志郎や葉が現れたため、船の積荷に紛れて上海へ戻るも、これまた拳志郎と同じ船に乗り合わせる結果に。ヤサカの利用を試みたり、政府軍に情報をリークしたりするも全て失敗に終わった。
 4年後、戦火から逃れるためインドネシアに移住。そこでも拳志郎たちに再会してしまうが、上海からつれてきた流緋鶴に「飛燕殺しの犯人は閻王」と吹き込み、彼女を閻王にぶつけようと企んだ。だがこれも失敗に終わり、更にはその緋鶴の命により青幇と協力することに。隙を突いて玉玲の寝首をかこうと画策するも、行動を共にするうち、エリカの不幸な境遇や玉玲の覚悟を目にし改心。ジェネシスの拠点やノハール・ナハの位置を特定するなどして協力し、やがて青幇の一員となった。
 カツラの下は兄と同様のハゲ頭で、カツラはボルトで止められている。改心後に神からのご褒美として一本だけ髪の毛が生えたが、直ぐにアクシデントで抜けた。


河 馬超
 紅華会の残党の一人。田楽伝の舎弟。語尾に「カバ」をつける。温和な性格で、田の言うことに従ってはいるものの、鋼鉄のヅラや度重なる作戦の失敗により内心かなり呆れている。根はいいやつ。
 田と共に各地へ逃亡したり、青幇への復讐を企てたりするも全て失敗。インドネシアに移住後、玉玲に協力するフリをして寝首をかこうと企むが、エリカの不幸な境遇を目にするなどして改心。ジェネシスの拠点の位置や、ノハール・ナハの場所を特定するなどして貢献。最終的には田と共に青幇入りした。


田 学芳
 元紅華会三番頭だった男。通称「水虎の田」。拳志郎によって暗殺され、愛用していた鋼鉄のヅラは、弟の田楽伝へと引き継がれた。名前だけ登場。


黄 西飛
 かつての紅華会の三番頭。閻王によって殺されたという新聞記事で名前だけ登場。







その他


北大路剛士
 北大路財閥の総帥。かつて暴漢に襲われたところを拳志郎に救われたことで縁ができ、潘光琳やギーズらとも協力的な立場に。行き場の無い人々が安心に暮らせる地を作るというギーズの夢に賛同し、その実現の鍵となる「希望の目録」の輸送を手配。本を持つエリカを上海に送り届けるため、「死鳥鬼」と呼ばれる流飛燕を護衛につけ、無事に上海へと届けさせた。しかし目録を受け取る直前にギーズが何者かに襲われ、自らもその現場に駆けつけるもヤサカにふっとばされ失神。空ろな意識の中で、「光る手」を持つものにギーズが殺される瞬間を目撃した。
 その後、日中間の情勢が緊迫してきたことを受け、日本軍の中国への派兵を止めるために帰国した。


空腹で倒れていた子供
 空腹で行き倒れていた少年。飛燕からパンをめぐんでもらうが、その隙を突いてヤサカが操孔針を投げて攻撃してきたため、飛燕の言われるがままにその場から逃亡した。後に子英からの聞き込みに、飛燕が浚われたことを証言している。


ツバメ
 潘光琳の館に巣を作ったツバメ。一匹のヒナが巣の下に落ちてしまったのをエリカと飛燕によって巣に戻してもらった。その恩を返すためか、ヤサカに捕らわれた飛燕のもとを訪れ、飛燕の十字架のネックレスを咥えてエリカのもとへ。そこに付着していた匂いのおかげで、拳志郎が監禁場所を突き止めることができた。
その後、飛燕とヤサカが戦う場に現れ、命を懸けてヤサカの視界を塞ぐことで、飛燕に反撃の機会を与えた。


上海の孤児達
上海の孤児達。飛燕が牧師をやっていた教会に来て、青幇たちからの施のパンなどを受け取ったり、エリカらと遊んだりしていた。


インドネシアの孤児達
 インドネシアの孤児院で玉玲、エリカ、ヤサカらとともに暮らしている孤児達。普段からいざという時の備えをしており、ジェネシスが襲撃をかけてきた際にはエリカに引率され速やかに避難を済ませた。


緋鶴を利用するならず者達
 身寄りの無い子供だった緋鶴を養うかわりに、窃盗をさせていたならず者達。飛燕の鞄を盗んで帰ってきた緋鶴を、ろくなものが入っていないと言って痛めつけた。その後、鞄を取り返しに来た飛燕によって全員惨殺された。


マリーヌ
 ヨーロッパ滞在中の霞鉄心と霞拳心の世話を任された女性。寝床や食事を提供しながら、拳心に対しては母親のような優しさを持って接し、その母性に拳心は心惹かれた。だが小麦粉を買いに出た所で戦渦に巻き込まれ、戦車の砲撃を受けて死亡。その死によって拳心はこの腐敗した世界そのものを憎むようになり、同時に北斗神拳の無力さを痛感し鉄心との別離を選んだ。
 かつて子供を亡くしており、鉄心と親子喧嘩できるのは幸せなことだと拳心に告げている。胸のロケットにはその子の写真が入っており、死後に拳心によって掌の中に戻されている。