リンを救うため、荒野を歩くケンシロウは、水鳥拳の村にたどり着く。 牙猩拳制圧部隊 「おい!きさま何者だ!」
村人 「わ、わしらの平和な村が…ザキさえ、修行に出たザキさえいれば、こんな事には…」 ケンシロウ、倒れている老人に声をかける ![]() ケンシロウ 「どうした しっかりしろ」 老人 「む、村が・・・ 突然やってきた何者かによって・・・一瞬に・・・」 若い女が村に帰ってくる。 ![]() ザキ 「どういうこと・・・村が・・・私の村が!たった今修行から帰ってきたところだと言うのに・・・おまえか!村を襲ったのは!」 ケンシロウ 「俺はこの村を通りすがっただけだ」 ザキ 「言い逃れは通じぬ! 許さない!はぁーっ!南斗水鳥拳 飛燕流舞!!」 ![]() ケンシロウ 「空極流舞!」 ケンシロウ、ザキの攻撃をかわす ケンシロウ 「こ・・・これは 南斗水鳥拳!」 ザキ 「そう! 私は南斗水鳥拳伝承者ザキ! 戦え!何故戦わぬ!」
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二人の戦いをとめんとマミヤが登場 ![]() マミヤ 「待ちなさいザキ!」 ザキ 「お母さん!」 ケンシロウ 「マミヤ・・・!」 マミヤ 「ケン・・・! ケンなのね! 娘のザキです」 長老 「ザキは赤ん坊の頃、村の入口に捨てられておったんじゃ。それをマミヤさんが拾って育てた・・・」 マミヤ 「いつの間にか拳法を覚え、そして女だてらに南斗水鳥拳伝承者に・・・」 ケンシロウ 「水鳥拳伝承者・・・ そうか・・・義の男レイの水鳥拳を継いだか」 ![]() ザキ 「お母さん 無事だったの」 マミヤ 「ええ 村が襲われて、私達は長老と共に裏山に・・・。ザキ、この人がケンシロウさんよ」 ザキ 「ええっ! ご、ごめんなさい」 長老 「ザキ、村を襲ったのは北斗ではない。南斗じゃ」 ザキ 「南斗!? なぜ南斗が!」 長老 「この世は乱世に突入したのじゃ。六聖拳去りし後、南斗は各々の村で静かに暮らしておった。じゃが南斗108派の内、最も凶暴な牙猩拳がその野望をむき出しにし、従わぬ流派を力で制圧に動き始めた。既に南斗108派の大半を手中に治め、この世の覇権を狙っているという。 ![]() 長老 「村のはるか西に、ダザンという街がある。そこにはいろいろな地域から人々が集まって来る。そこへ行けばなにか分かるかもしれん・・・」 ザキ 「ダザンの街ね わたし行ってみる!」 マミヤ 「ザキ!たった今長い修行から帰ってきたばかりなのに・・・」 ザキ 「仲間が・・・村の仲間が殺されたのよ!黙ってみてられないわ!」 ![]() ケンシロウ 「ザキ・・・お前もまた義の星の宿命を背負って生きる女か。よし、俺も行こう」 |
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ケンシロウとザキ、ダザンの街へとたどり着く。 村人 「街の近くにある聖帝十字陵は、昔、南斗鳳凰拳のサウザーが建てたものさ。今は荒れ果てて、近づくのは気味が悪いけどね。聖帝サウザーは星は将星、生まれついての孤独な帝王の星。愛深き故に、愛を捨てた…。そして、南斗白鷺拳のシュウがサウザーの圧制に抗してレジスタンスをおこした。シュウは仁の星をもつ男… 未来の希望に生き… そのいしずえとなった…」 村人 「南斗聖拳にはそれぞれ星をもった、六聖拳と呼ばれる拳士たちがおったんじゃ。シン、レイ、ユダ、シュウ、サウザー…そして南斗最後の将……南斗に伝説あり…二千年に一度、額に南斗六星のアザをもつ最強拳士あらわる。この世は乱世じゃ!…南斗、北斗、そして闇の北斗が動き出した!!この世紀末に救世主は現れないのか…」 村人 「南斗牙猩(がしょう)拳の伝承者ギャランは冷酷非情な男だ!南斗百八派のうちの、大半を手中におさめ、天をにぎる野望をいだいている!」 村人 「南斗飛翔拳のゼピアさまが、レジスタンスの部隊をおつくりになった……だが!…ギャランの部隊に攻め込まれ、不利な闘いを続けて……ああ…ゼピア様は今日も涙を流しておられるのだろうか…ぐっ…。南斗飛翔拳は、シュウさまの南斗白鷺拳の流れをくむ拳法。仁星の涙が北斗を呼ぶ…。ゼピアさまのアジトなら、この街を出て、北にいった砂漠にある。」 村人 「あのぅ、わたし、ギャランの城に、若い娘が運び込まれたって聞いたわ。なんでも、たいへんな血筋の娘だとか…。西に運ばれていく途中で、ギャランの部隊が奪いとったそうなの。もしかしたらその娘なんじゃ…」 |
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ケンシロウとザキ、ゼピアのアジトへ 村人 「うう・・・牙猩拳の部隊にやられた・・・!」 村人 「南斗牙猩拳ギャランは、ひ、卑怯な手で我々を・・・!」 村人 「ゼ・・・ゼピア様が我等を救おうと犠牲になったのに・・・ギャランの奴め!」 ゼピアの部屋へ ゼピアの部下 「誰だ!お前は!」 ![]() ゼピア 「ケンシロウさん・・・ですね」 ケンシロウ 「そうだ」 ゼピア 「おお、やはり・・・! 私は南斗飛翔拳ゼピア。貴方に会いたかった・・・」 ケンシロウ 「その眼はどうした・・・」 ゼピア 「ギャランの奴に・・・無念です!」 -------------------------------------- 大軍を率いて、ゼピアの村へと訪れるギャラン。 ![]() ゼピア 「ギャラン! この場は退いてもらおう!」 ![]() ギャラン 「ふっふっふっふっふ はっはっはっはっは!怖気づいたかゼピア!!」 ゼピア 「私とお前では力は五分だ。お前を倒す事は可能。だが、私も力尽きよう。ならばお前の軍は一気に攻め込み 女子供まで皆殺しにしよう!子供達は未来の礎。その光を消すわけにはいかぬ!」 ギャラン 「光か・・・ならば子供たちのために、お前の光を貰おう!!」 ゼピア 「なにっ!」 ギャラン 「お前がその眼の光を差し出すというならここは退こう・・・」 ゼピア 「よかろう・・・くれてやるっ!」 ゼピア、己の目を切り裂き、自ら光を閉ざす。 ![]() 村人達 「ゼピアさま―――っ!!」 ギャラン 「撃てっ!!」 ギャランの号令と共に、村人たちに向けて一斉に矢が放たれる。 ![]() ゼピア 「ギャラン―――!!」 ギャラン 「ゼピア! お前の光確かに貰った! お前などいつでも倒せるわ!!」 ゼピア 「・・・くっ! ギャラン!卑怯なーっ!!」 ![]() ギャラン 「はっはっはっはっはっはっはっは!!」 -------------------------------------- ゼピア 「だが・・・私は光を失っても心の眼を開く事が出来るでしょう。あの南斗白鷺拳伝承者、シュウのように・・・」 ケンシロウ 「シュウ! 仁星の宿命に生きたシュウが・・・」 ゼピア、シュウが聖碑を抱えて十字陵を登るシーンを回顧する。 ![]() シュウ 『仁星は未来への希望の礎として生きる。強く生きよ 我が子供達・・・!』 ゼピア 「私もあの時、あの場にいました。そしてシュウ様より心を受け取ったのです。」 ゼピア 「南斗飛翔拳は南斗白鷺拳の流れを汲む拳法です。南斗乱れる時、北斗現る。ケンシロウさん! 南斗の栄誉のためにもギャランを倒してください!ギャランは聖帝十字陵のはるか西の城にいます。時代の光を消してはなりません!私も傷が癒えたら必ず!!」 ケンシロウ 「ゼピア・・・仁の星はお前に受け継がれている。南斗牙猩拳・・・ギャランは必ず俺が倒そう。」 |
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ギャランの城へ向かうケンシロウたち 村人 「あそこに見えるのが、聖帝十字陵だ。南斗鳳凰拳伝承者のサウザーさまと、その師父オウガイさまのなきがらが納められている。でも、最近は妙な奴らがいて通れないんだ」 聖帝十字陵へと到着 警備兵 「これより先は、虫一匹通さん!」
聖帝十字陵の中へ 警備兵 「なんだ、きさまらは! そんなに、死にたいのか!」
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十字陵に訪れたケンシロウ達の前に、サウザーの亡霊が現れる。 ![]() サウザー 「許せ我が子よ 我が子ザキよ・・・ お前を捨てたのはこの聖帝サウザーだ」 ケンシロウ 「サウザーの声だ・・・」 ザキ 「サウザーが・・・私のお父さん!?」 |
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ギャランの街へ 村人 「ここは、南斗牙猩拳のギャランさまのおさめる街。ギャランさまは、鉄の掟でみなを支配している。もしこの世に、伝説の南斗最強拳士がいるとすれば、ギャランさまにちがいない。ギャランさまの額には、あの、南斗六星のアザがある。やがては、北斗を倒し、この世の覇権をにぎるだろう…」 村人 「あたしは、幼いころのギャランさまを知ってるわ。…とてもやさしい少年だった……幼いころに生き別れた兄弟がいるって心配してたわ。それなのに、あんな冷酷非情な人になるなんて思わなかった!……えっ? 若い女?…その人かしら?……少し前にギャランさまのお城に運び込まれた娘がいるって。なんでもすっごく美人なんですって!」 |
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ギャランの城へ 牙猩拳制圧部隊 「…ん!? なんだ、きさまら! あやしい奴らめ!」
牙猩拳制圧部隊 「こぉーら、お前ら! ギャランさまの城で何してやがる!」
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ギャランの部屋へとたどり着いたケンシロウ達。そこには捕らわれたリンの姿が。 ![]() ケンシロウ 「リン!」 ![]() ギャラン 「ふっふっふっふ 来たか! 北斗神拳伝承者ケンシロウよ!我、南斗最強拳士ギャランなり!」 リン、ギャランの放った十字断にふっとばされる ケンシロウ 「人形・・・!」 ギャラン 「はっはっはっはっは!! 最初からリンなどここにはいない!お前を誘き出すための罠だ!!」 ケンシロウ 「おのれ・・・!」 ![]() ザキ 「待ってケン! この戦い・・・私にやらせて!殺された私の仲間のためにも そして六聖拳のためにも南斗の誇りを汚れさせるわけにはいかない!」 ケンシロウ 「ザキ!」 その頃、ゼピアのもとに報告が入る ![]() ゼピアの部下 「ゼピア様! ケンシロウ様とザキ様がギャランの城に!」 ゼピア 「そうか・・・ ギャランとザキは共にサウザーの遺児!サウザーは愛深き故に愛を捨てた男・・・」 ザキ 「南斗獄屠拳!!」 ![]() ギャラン 「はあっ!」 ザキ 「きゃあああああああっ!!」 ザキ、ギャランの十字断を喰らい、吹っ飛ばされる。 バンダナがとれ、顕になったその額には、ギャランと同じ南斗六聖拳の痣が。 ![]() ギャラン 「なっ・・・南斗六聖拳の痣!?そうか・・・俺には赤子の頃生き別れとなった妹がいたと聞いた。その妹にも南斗六星の痣があると・・・ザキ! お前が!」 ザキ 「に・・・兄さん!?」 ギャラン 「ふっふっふっふっふ…妹とて・・・実の妹とて容赦はせぬぞ!!」 ギャラン 「はあっ!!」 ザキ 「うああああっ!!」 ギャランの蹴りを喰らい、吹っ飛ばされるザキ ケンシロウ 「ザキ!!」 ギャラン 「死ねええい!!」 ![]() ザキ、ギャランの手刀で切り裂かれる。 ザキ 「ああああああっ!!」 ギャラン 「ふっはっはっはっは」 ケンシロウ 「おのれ・・・!」 ギャラン 「はっはっはっはっはっは!!2000年の歴史の中で南斗は常に北斗の後塵を浴びてきた!だがその屈辱に今日終止符が打たれるのだ!!いくぞぉ!!」 ケンシロウ 「ぬうあああ!!」
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ケンシロウ、ギャランに勝利 ![]() ギャラン 「む・・・無念だ・・・南斗最強拳士であるはずの俺が負けるとは・・・ぐはっ!!」 ケンシロウ 「・・・・・・」 ギャラン 「ケ・・・ケンシロウ・・・ 妹を・・・ザキを・・・頼む!止めは刺さずにおいた・・・まだ生きている・・・」 ![]() ケンシロウ 「わかった・・・」 その時、地鳴りと共に城が崩壊し始める。 天井が崩れ、巨大な瓦礫が一同の頭上に落ちてくる。 ケンシロウ 「はっ!」 ギャラン 「でやあああああ!!」 ![]() ギャラン、瓦礫を受け止め、支える。 ケンシロウ 「ギャラン・・・!」 ギャラン 「早く行け! ケンシロウ!!」 ギャラン 「ザキ・・・」 ザキ 「に・・・兄さん・・・」 ギャラン 「強く生きよ・・・我が妹よ!」 ザキ 「兄さ――――――ん!!」 ケン、ザキを担いで城の外へ脱出 ![]() ギャラン 「南斗最強拳士の伝説は崩れた・・・またしても南斗は北斗の後塵を浴びるのか・・・!」 サウザー 「それで良いのだ ギャラン」 ギャラン 「ち・・・父上・・・!」 サウザー 「ギャラン お前の無数の体の傷・・・それは愛を断ち切る度に自らつけた傷。お前もまた愛深き故に愛を断ち切って生きてきた。最強拳士の伝説は崩れた。だがザキ、あるいはその子がその伝説を受け継ぐであろう。それで良いのだ、ギャラン」 ギャラン 「父上ぇぇぇぇ――――ッ!!」 ギャラン、崩落する城の中で、父を呼びながら瓦礫の下敷きになる。 ![]() ケンシロウ 「ギャラン・・・お前もまた極星の孤独の宿命に生きた男・・・安らかに眠れ・・・」 第二章 完 |
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