リンの姿を求め、船で修羅の島へと渡るケンシロウとバット。 修羅 「ここは、修羅の国。無断で立ちいる者は死ぬ!」
村人 「ここは、修羅の島…人々は闘いに明け暮れ、死んでいく…お前さんらも、死にたくなかったら、早くこの島から立ち去る事だね。」 村人 「この島は北斗のふるさと…北斗神拳も北斗琉拳も、この地で生まれた…北斗の隠れ里がこの島にある。少し前、この沖で激しい闘いがあった。帝都から、運ばれてきた若い女を、琉拳の部隊が奪い取ったという。女は、北斗琉拳伝承者のもとに運ばれた。北斗琉拳は、呪われた拳…あの拳を極めた者は、魔闘気に心を惑わせられ、魔界に落ちていく…」 |
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北斗の隠れ里へむかう途中、ジュウケイの沼に立ち寄るケンシロウ達。 ![]() ジュウケイ 「ケンシロウ。お前は二人の北斗を相手に闘わなければならない。かつて北斗三派が争いし時、敗れた北斗無明拳と北斗琉拳は密かに会い密盟を交わした。即ち、北斗琉拳立つ時、北斗無明拳これを支える。北斗無明拳立つ時、琉拳これを支える両者は共に助け合い、北斗神拳を討つべし。これ、琉拳無明拳の誓い。千数百年の時を経て、今尚この密盟は生きている。北斗琉拳もまたこの密盟に従い、北斗神拳を襲うであろう。天はまた北斗神拳に試練を与えた。これを打ち砕くのも伝承者の宿命・・・」 |
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ケンシロウ達、北斗の隠れ里へと到着。 村人 「ケンシロウさまですね。よくいらっしゃいました。ここは、北斗宗家の村でございます。あのラオウも、トキも、この村で育ち、ケンシロウさま、あなたもここで生まれ赤子の時に海を渡っていったのですよ。以前は、この村には、北斗宗家最後の末裔、ゼンオウとホシムという二人の兄弟がいました。…ですが…もう二人とも、この村を出て行きました。二人の事は、長老が詳しく教えてくれるでしょう。長老の娘のレイカは、ホシムのいいなずけなのです。長老の家は、村の東のはずれにございます。」 長老の家へ ![]() 長老 「おお、ケンシロウさんか。よく来なさった。お構いできないがゆっくりしていってくれ。ふむ・・・宗家最後の末裔、ゼンオウとホシムのことか。二人はこの村で、北斗琉拳を修行したんじゃ。 ![]() 長老 「だが弟の心優しきホシムが北斗琉拳の伝承者となり、兄のゼンオウはそれが不満で、この島を出て行った。だが、万人に慕われたあのホシムも、北斗琉拳の魔闘気には勝てず、遂に魔界に入ってしまった。」 ![]() 長老 「そしてホシムは、北斗琉拳を魔道琉拳と名を変え、更に魔闘気の威力を増した。魔道琉拳は恐ろしい拳。歯向かう者は死あるのみ。そこには一片の情けもない。ホシムも魔神となった。最早昔の万人に慕われるホシムに返ることはなかろう・・・」 レイカ 「私はホシムを信じています」 ![]() 長老 「レイカ! 紹介しよう。娘のレイカだ」 バット 「そうか、あんたがホシムの婚約者の・・・」 レイカ 「あの人は、人の愛を信じた人だった。あの人なら、きっと魔闘気に打ち勝つことができる。いつの日か、きっと私たちの村に帰って来る。」 長老 「おお、そうだケンシロウさん。北斗永遠の従者、黒夜叉があなたに会いたがっていた。黒夜叉なら、この里の東にある洞窟で修行を続けている。」 |
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黒夜叉がいるという洞窟に向かうケンシロウとバット 洞窟に入ると、琉拳陸戦隊が襲い掛かってくる。 琉拳陸戦隊 「お前が、北斗神拳伝承者だな!フン!死にたいと見える。」
琉拳陸戦隊 「おっとまて!きさまを倒し、ただの修羅ともおさらばよ!来い!」
洞窟の奥にいる黒夜叉と対面。 ![]() 黒夜叉 「ケンシロウさま!お懐かしゅうございます。北斗永遠の従者、黒夜叉でございます。うあうっ!!」 突如黒夜叉が苦しみだし、その背後に魔闘気が現れる。 ![]() ケンシロウ 「く、黒夜叉!!」 バット 「な、なんだ! この魔闘気は!」 ![]() ホシム 「ふはははははは・・・貴様がケンシロウか・・・俺の名はホシム」 ケンシロウ 「ホシム・・・お前が北斗琉拳伝承者か」 ホシム 「ふふふふふ・・・既に北斗の名は捨てた。我が拳法は魔道琉拳! 黒夜叉を刺したのは北斗への決別の証だ」 ケンシロウ 「おのれぇ!」 ホシム 「天帝リンは俺が預かっている。リンが欲しくば俺の城に来い。ふぁはははははははは!!!」 バット 「おのれえええ!!」 ケンシロウ 「黒夜叉!しっかりしろ!」 ![]() 黒夜叉 「うう・・・ケンシロウ様・・・無念で御座います。我が北斗宗家最後のお二人、ホシム様とゼンオウ様はお歪みになった・・・ホシム様は魔界に入り、既に北斗の名を捨てられた・・・そしてゼンオウ様は、島を出て海を渡られ、暗黒の北斗の伝承者に・・・」 ケンシロウ 「なに!」 黒夜叉 「そう、光無き拳、北斗無明拳の伝承者とはゼンオウの事でございます!北斗宗家に生まれし二人の男が、共に歪み、覇道を目指すとは・・・この宗家永遠の従者黒夜叉、死んでも死に切れぬ・・・う・・・がはっ!」 黒夜叉、息絶える。 その背後に足音が響く。 バット 「誰だ!」 ![]() ケンシロウ 「レイカ・・・」 レイカ 「く・・・黒夜叉様まで手にかけるとは・・・もうあの人を・・・ホシムを信じることはできない・・・!ホシムはもう、愛を捨てた・・・!ケンシロウさん、ホシムを殺してください!」 |
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ホシムの城へ向かうケンシロウたち。 城の中で一人の男と対面する。 ![]() ガイ 「私はホシム様の家臣、ガイ。ケンシロウ様、この場はお引き取りください」 ケンシロウ 「引けぬ!」 ガイ 「では・・・腕ずくでも!」
ガイに勝利 ![]() ガイ 「うあぁっ・・・さ、さすが北斗神拳・・・」 ケンシロウ 「お前の目に曇りは無い。聞かせてもらおう。ホシムを慕う理由を。」 ガイ 「万人に慕われた我がホシム様・・・ホシム様は、あのカイオウですら勝てなかった魔闘気を見事に押さえ込み、北斗琉拳を完成なされた・・・だが、ホシム様は一夜にして変身なされた・・・」 ------------------------- ホシムの部下 「ホ、ホシム様!この世の覇権を目指し、暴れまくる暗黒の北斗の正体が判りました!」 ![]() ホシム 「ふむ・・・」 ホシムの部下 「北斗無明拳伝承者、ゼンオウ!」 ホシム 「な、なに!!兄ゼンオウが!」 ![]() ガイ 「ホシム様は、お悩みになられた。二千年前の北斗の密約に従えば、ホシム様はゼンオウの野望に手を貸さねばなりませぬ。そして、一晩お部屋にお閉じこもりになり、出てきた時は・・・」 ![]() ホシム 「ふふふふふ・・・ふふふふふ・・・我は魔神なり!我に逆らう者、一人とて許さぬ・・・」 ------------------------- ガイ 「魔闘気漂い、様相は魔形と化し、心の動揺がホシム様を魔界に落としたのです!そして北斗の名を捨て、魔道琉拳を名乗られたのです・・・か、必ずやホシム様は魔界から抜け出されるはず!ケンシロウ様、ホシム様との闘いは地獄!同じ北斗宗家同士の闘い、避けてくだされ・・・ガハッ!」 ガイ、息絶える。 ケンシロウ 「ガイ・・・俺は北斗の長兄ラオウとも、実の兄ヒョウとも闘ってきた。避ける事はできん。たとえ地獄であろうとも、進まねばならぬ・・・」 |
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ケンシロウとバット、ホシムのもとへ。 そこには捕らわれのリンの姿が。 ![]() ホシム 「来たかケンシロウ!」 ケンシロウ 「お前がホシムか・・・」 バット 「リン!今助けてやる!」 ![]() ホシム 「ふっ・・・俺を倒してからにしろ。魔道琉拳は遥かに北斗を超えた。魔界より北斗伝承者に引導を渡す!」
ホシムに勝利 ホシム 「さ・・・流石だ、ケンシロウ・・・」 敗れたホシムのもとへ、レイカが駆け寄ってくる。 ![]() レイカ 「ホシム!」 ホシム 「レイカ・・・レイカ、すまなかった・・・」 ケンシロウ 「ホシム・・・お前・・・」 ホシム 「そうだ・・・俺は魔界から抜け、正気に戻っていた。リンの光が・・・天帝のリンの光が俺を魔界から救った。天帝の光は北斗を導く。」 ![]() ホシム 「俺は元斗の総督バレビからリンを奪い取り、我が手中に納めた。だが、その時から俺の中に何かが起こり始めていた。我が魔闘気はリンの気高さに触れ、次第に力を弱めた。正気に戻った俺がすべきことは唯一つ。兄ゼンオウの歪み増大した野望を断つこと・・・。あの時、ゼンオウの拳を封じていれば・・・」 -------------------------- ![]() ゼンオウ 「ホシム・・・俺の拳を封じないのか・・・」 ホシム 「兄者。俺にはできない!」 ![]() ゼンオウ 「伝承者争いに敗れた者の拳を封じるのが、北斗琉拳の掟のはずだ。情に流されるとは・・・北斗琉拳に未来は無いわ!さらばだホシムよ!さらば北斗琉拳よ!」 ![]() ホシム 「兄者――――――!!!」 ゼンオウ、小船に乗り、修羅の島から去る。 -------------------------- ホシム 「その兄が彼の地で北斗無明拳を学び、その伝承者となろうとは・・・。あの時拳を封じていれば・・・すべての責は俺にある。俺は決意した。北斗の密盟を守り、北斗神拳伝承者の首を土産にゼンオウのもとに乗り込み、一気に雌雄を決しようと。だが、今俺は知った。北斗神拳は俺の想像を遥かに超えていた。我が兄ゼンオウの野望を砕くのは、北斗神拳伝承者のみ。ケンシロウ!兄ゼンオウを倒してくれ・・・」 ![]() ケンシロウ 「止めは刺していない。ホシム、お前は愛に戻るのだ。そして、北斗琉拳をまことの拳とせよ」 ホシム 「ケンシロウ・・・!」 レイカ 「ありがとう・・・ケンシロウさん!」 ケンシロウ 「ホシム・・・北斗の名を捨つるも、その誇りは捨てず、伝承者の宿命に生きるか・・・」 |
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バット、石柱に登って吊るされていたリンを救い出す。 ![]() リン 「ありがとうバット・・・」 その時、リンの中にある感覚が走る。 ![]() バット 「リン!」 リン 「ルイが・・・姉のルイが・・・」 バット 「ルイが・・・どうした?」 リン 「私にはわかる・・・ルイが狙われている!暗黒の北斗に!!」 ![]() ケンシロウ 「暗黒の北斗よ・・・ルイまでも!ゼンオウ、必ずお前を追い詰める・・・!」 第四章 完 |
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