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[第7話]
悪党ども!
死への秒よみやってみるかい


 広間に集合したゴッドアーミー達に、カーネルは、己達に新たな敵が現れたことを伝えた。七つの傷の男,ケンシロウ。神に背くその男を抹殺すべく、ゴッドアーミーたちは本格的に動き出そうとしていた。少佐の後をついで部隊の指揮をとることになったマッド軍曹は、早速捜索隊をオアシスへと送り込む・・・

 捜索隊にまず目をつけられたのはジョニーであった。ケンと関わった者として殺されかけるジョニーだったが、酒瓶をプレゼントして何とか危機を回避。ケンを見かけたら必ず報告する。そう約束し、捜索隊が帰ったその時、カウンターの下から笑い声があがった。ジョニーは一人で町に残っていたバットをかくまっていたのだ。ジョニーの心遣いに感謝しつつ、慌ただしくなってきたオアシスから早々に離れようとするバットだったが・・・

 いくら探してもケンを見つけられない捜索隊は、人質でおびき寄せる作戦に出た。そして、その人質として選ばれたのは、リマという少女の両親、ザキとケイであった。ケンシロウが出てこないと2人の命はない。出てこなければ何人でも村人達を殺す。その隊長の言葉を聞いたバットは、急いでケンの下へと向かう…。

 バットの報告を受け、急いでオアシスへと戻ってきたケン。しかし、すでにリマの父は殺された後であった。そして、一旦解放されたかと思われたリマの母にも、隊長はナイフを突きたてた。ネズミが現れればエサはいらん。隊長は、用済みとなったという理由だけで、彼女を殺したのである。その残虐非道な行為に、ケンの怒りが爆発。ゴッドアーミー達を北斗百方斬で全滅させたその鬼神の強さに、既に隊長は戦意を失ってしまっていた。やぶれかぶれで襲いかかってきた隊長に、蹴りを叩き込むケン。だが、それ以上ケンが何もしてこないのをみて、隊長はそそくさと車で逃亡してしまった。しかし、人の命を虫けらのように踏み潰したその男を、ケンが許すはずはなかった。走行中に頭を破裂させた隊長は、そのまま車ごと炎上したのだった。

 両親を失い、半狂乱に陥るリマ。目覚めれば落ち着くという秘孔 定神を突き、リマを眠らせたケンであったが、それでも彼女が哀しき運命を背負ってしまったことに変わりは無かった。そして、自らと同じ境遇となった彼女に、リンは深い同情を覚えるのだった。

 ケンシロウ出現の知らせを受けたゴッドアーミーは、数刻もたたぬうちに再びオアシスへと攻めて来た。バット達をジョニーに預け、ただ一人ゴッドアーミーと対峙するケン。だが、部隊を指揮するマッド軍曹は、今までとは一味違う作戦を用意していた。爆発する棍棒での攻撃を難なくかわしたはずのケンだったが、それはマッドの作戦通りであった。次の瞬間、ケンの背中に強い衝撃が走った。マッドは、クレーンに吊った巨大な鉄球を、ケンの背後へと振っていたのだ。ゲリラ戦いの真髄は後ろからの攻撃にあり!自らの完全勝利に高笑いを上げるマッドは、動くことすら出来ないケンをジープで引き、ゴッドランドへと連行したのだった。

 ケンがやられた。その信じられない知らせを受けたリンとバットは、ケンの連れ去られたゴッドランドへと赴こうとする。しかし、ジョニーはそれを止めた。二人が行ったところで、ケンの足手まといになるのは明白だったからだ。ケンを信じて待て。そのジョニーの言葉に素直に従う二人であったが・・・

 ゴッドランドに連れて来られたケンは、宙吊りにされ、サンドバック状態にさらされていた。だが、ケンには全く効いた様子はなかった。それどころか、あっさりと腕輪を破壊し、まだまだ余力が残っていることを証明する余裕すらあった。ケンは、ゴッドランドに侵入するために、やられたフリをしていたのである。兵士達を北斗連環組手にて一掃したケンは、さきほどの鉄球攻撃をも、蹴り一発で破壊。真の力を出したケンには、ゲリラ戦も何も関係なかった。ただ一人残ったマッド軍曹は、神経が麻痺する毒を塗たナイフでケンを攻撃。軌道に変化を付けた事により見事カスらせることに成功するが、超人的なケンの体には毒が効くことはなかった。1秒間に10回という得意ののナイフ突きもかわされたマッドは、自ら唱える背後からの攻撃を受け、敗北したのだった。自分の力で起きあがれなくなったマッドから、ボスの居場所を聞きださんと、水攻めの拷問を与えるケン。ボスがカーネルであること、そしてカーネルは外の搭の中であることを聞き出したケンは、マッドを置いてさっさと歩き出した。チャンスとばかりに、再び身を起こして反撃に転じようとするマッド。だが、彼の肉体もまた、北斗神拳によって既に死んでいたのだった。

 その頃、搭の頂上に構えるカーネルは、既にケンの到来を予感していた。自らの崇拝する神のため、カーネルは近付く不吉な星を待ち受ける・・・

 リマが目覚めたことに、歓喜の声を上げるバット達。しかしその時、リンは店の外で、遠くを見つめていた。自らの中で膨らむ不安。その不安が生み出す衝動は、リンにある決断をさせようとしていた。
放映日:84年11月22日


[漫画版との違い]
・リマを落ち着かせるシーン、VS訓練生とVSマッド軍曹以外はアニメオリジナル
・ゴッドランドへの侵入の仕方が、自ら乗り込むのが、「ワザと捕まって連行される」に変更
・マッド軍曹が使うのが、ニードルナイフから投げナイフを使う。ニードルナイフは次話に登場。




・酒
警備隊長に続き、捜索隊長もまた酒瓶一本でジョニーを許しちゃいました。どうやら神の国の人達はお酒が大好きな御様子
・ケイ
アニメには、原作非登場のリマの母親が登場するのだが、なんと彼女の名前はケイというらしい。いやいや、ケイは原作でリマと一緒につかまってた美人さんでしょ?なんでリマのママになってんの…?ていうか原作のケイらしき人もちゃんと登場してるじゃないの。どういうことぉ〜。
・転龍呼吸法
転龍呼吸法のタイミングがちょっと変。「やられたフリして潜入作戦」が見事成功したのに何故か激怒。おいおい・・・怒るんならリマの母が殺されたときでしょ。作戦通り潜入できたのに何で怒る・・・?もしかして鉄球攻撃でやられたフリをしたけど実はかなり痛かったのでは・・・。「貴様達の攻撃など少しも堪えてはいない!」って言ってたけど本当は・・・。なんだかファンに殴らせたけど、予想外に痛かったのでついつい張り手で反撃してしまった猪木氏みたいですな。


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