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ザルカ



登場:原作(58〜59話)TVアニメ版(41〜42話)
肩書:拳王親衛隊
流派:首長処刑刀術
CV:塩屋浩三

 カサンドラに現れた拳王親衛隊の一人。
 獄長ウイグルが死んで歓喜に沸く囚人達の前に、相棒のカシムと共に登場。背後に控える拳王の存在を人々に思い出させ、彼らを再び恐怖という鎖に繋ぎとめた。その後、トキを収監している獄舎への道を大岩で塞ごうとするが、ライガ・フウガに岩を支えられてしまい失敗。動けぬ二人を棍棒で殴り、槍で貫いて絶命させたが、岩を落とさせることは出来なかった。

 その後、塔の中でケンシロウ達を待ち伏せ、不意打ちの手裏剣、さらには首長処刑刀術にて襲いかかるも失敗。首長盗刃術にて奪われた刀を取り返そうとしたが、その前に顔面を貫かれて死亡した。


 TVアニメ版では、助っ人としてライガ・フウガの師匠であるソウジンを召還。ライガ達を捕縛してもらい、棍棒でいたぶったが、鋼線を千切られて返り討ちに遭った。その後はケンシロウと戦い、原作同様に死亡している。尚、アニメではトキ救出後に大岩を落とすのだが、その役目は拳王決死隊のブルグに代わっている。




 見た目も酷い。性格も悪い。衣装も奇抜。そして弱い。本当にこのザルカやカシムなんぞが、あの拳王の親衛隊なのだろうか。「親衛隊」とは本来、主の側で身辺警護を行う武装組織の事を意味する。が、御覧のとおり彼らはこのカサンドラへと使いに出されている身だ。ますますもって「親衛」していないではないか。彼らが勝手に親衛隊を名乗っているだけ、という線も考えられなくはないが、もしそれが拳王本人の耳に入った場合、タダでは済まないだろう。リスクが高すぎる。

 私の考えとしてはこうだ。おそらく彼らは、一応「親衛隊」に属してはいるのだろう。だが彼らに与えられている任務は身辺警護ではなく、カサンドラへの定期的な派遣、その一点。「親衛隊」というネームバリューをもって、何ヶ月かに一度カサンドラへと訪れることで、囚人達の「拳王怖いよう」を常態化しておくこと。それがザルカをはじめとした、このアラブな部隊の役目なのだ。
 おそらくあの衣装も、その目的に合わせた結果なのだろう。正直、拳王軍兵士の装備は、聖帝軍等と比べてイマイチまとまりがない。明確な特徴がないのだ。しかしザルカ達に求められるのは、自分達を一目見ただけで「拳王親衛隊だ!拳王怖い!」と民衆に思わせること。そのために必要なのは「個性」なのだ。紫のターバンを一瞬目にしただけで、囚人達は体が恐怖に震え、小便を漏らす。そんなパブロフの犬現象を作り出すことこそが、ザルカ達がアラブな格好にこだわる理由なのである。