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アルフ



登場:原作(165〜166話)TVアニメ版(124〜125話)
肩書:カイゼル配下の修羅
戦法:誘闘赤円舞
CV:西村知道(TVアニメ版)
   荒井聡太(真北斗無双)

 カイゼル配下の修羅。通称「砂時計のアルフ」。

 リンの花婿を選ぶため、修羅同士が命をかけて戦う大会に参加。あえて強い相手を選びながら122勝を記録し、うち105人は2分以内に撃破するという強さを見せ付けながら決勝へ(2分以内に倒さなかったのは、倒す価値もなかった故)。最後の相手も圧倒し、見事優勝を果たしたが、カイゼルから受け取るはずだった勝者の聖酒は与えられず、条件として「七つの傷の男の抹殺」を命じられた。

 その後、修羅の門に迫っていたケンシロウの前に登場し、砂時計の砂が尽きる2分以内に倒す事を予告。マントを翻して戦う誘闘赤円舞にて挑み、毒牙を含んだマントを突かせることで、ケンの目に数十体の己の幻影をみせることに成功。一気に襲い掛かり決着を図るが、「高速回転しながら全ての幻影を殴る」という荒技によって無数の拳を叩き込まれて死亡。結果、自分のほうが2分以内で倒されることとなった。




 いわゆる「蟲毒」を生き残った猛者中の猛者であるにも関わらず、読者のほとんどから名無しの砂蜘蛛修羅のほうが強かったという印象を持たれている不憫なキャラ。そして実際弱い。毒牙のマントを突かされたケンの目には無数のアルフが見えており、結果ケンはその全てのアルフに拳を打ち込んだ。原作の見開きでそのシーンを見てみると、少なくともアルフは20以上の幻影をケンに見せている。ということは単純に計算すると、一体に来るケンのパンチの数は二十分の一以下の数になっているはず。データバンクによると百裂拳は3秒に50発なので、これが二十分の一になったとすると、3秒に2.5発。一秒に一発もパンチが行っていないという計算だ。その程度の、もはや連撃とも呼べないような数のパンチを、アルフは無防備にその体に受けたのである。これは情けない。

 ところで彼は、倒す価値もない者は2分以内に倒していなかったというのだが、これはどういうことなのだろう。まだまだ戦いを控えているのだから、弱い敵などさっさと倒してしまい体力を温存したほうがよかったのではないか。弱者を必要以上に時間をかけていたぶったのにはどういった意味があったのだろうか。

 私が思うに、彼はその弱者との戦闘時間を「体力の回復」にあてたのではないかと思う。これだけの試合数をこなしているという事は、連闘も多くあっただろう。そこらのスポーツイベントでもあるまいし、十分な休息を取れる時間が用意されていたとも考えにくい。アルフはその連戦の中で体力を回復させるため、弱い相手とのバトルにおいて相手をわざと生き永らえさせることで、戦いながらインターバルをとるという作戦を行っていたのではないだろうか。アルフは相手を選び戦ってきたというので、相手は相当な強者ばかりだったと思われる。流石のアルフでも彼らと連続して戦えば体力の消耗は激しい。そんな極限の戦いを数戦繰り返し、その合間に一度ヘボをはさむことによって、失われた体力を回復させていたのだ。彼は122人と戦い、うち105人を2分以内に倒した。逆に言えば、122戦中、ヘボい相手が17人いたということだ。つまり彼は、強者と6連戦を行った後、ヘボを一回はさんで休憩をとる、という戦法をとっていたのではないかと思われる。うーむ、なかなか頭のいい奴だ。本当に自分を極限に追い込むという意味では微妙だが。

 闘技場での彼の戦いは、アニメで少し場面が追加され、舞台を広く使うという演劇の基本を押さえたいいバトルとなっていた。相手の影の中に隠れるという技も、彼の黒い肌を生かした素敵な戦法であった。