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二神風雷拳
にしんふうらいけん



使用: ・ライガ&フウガ (対 レイ&ケンシロウ)
 …北斗の拳(54話) アニメ版(39話)
・ライガ&フウガ (対 牢獄破り)
 …アニメ版(39話)
・ライガ&フウガ (対 ソウジン等)
 …アニメ版(42話)
登場: 北斗の拳/アニメ版/PS版/真北斗無双/
リバイブ


 カサンドラの衛士・ライガとフウガが使う拳法。互いの指の間に鋼線を張り、敵の横を駆け抜けることで、相手の肉体を切断するという拳。二身一体、同じ血、同じ筋肉、同じ想念、同じ感性を持つ二身一体の者のみが修得できる。

 カサンドラに訪れたケンシロウ達に使用し、レイにはかすり傷を負わせたものの、ケンシロウには拳で鋼線をすべて切断されて破られた。

 TVアニメ版ではカサンドラを襲撃しにきた野盗達をジープごと切断したり、二人の師匠であるソウジンをも倒した。

 『北斗の拳 LEGENDS ReVIVE』には、ライガ、フウガがそれぞれ単体で行う「雷神拳」「風神拳」も登場する。




 ハッキリ言ってしまうと奇襲技である。劇中における彼らの攻撃は実にシンプルだった。二人の間に張られた鋼線で切断する。それが、彼らが見せた二神風雷拳の全てであった。もし他に攻撃方法がないのなら、正直言ってこれは拳法としてはあまりにもお粗末である。タネが割れてしまえばいくらでも対処のしようはあるだろう。ケンは拳の正体を知った後も愚直に間に挟まれて見せたが、それは彼らの核をなすこの拳を真正面から破ることで、完全に格の差を見せようとしたからに他ならない。躱そうと思えばド楽勝で躱せたはずである。
 そんな拳であるにも関わらず、彼らは不落のカサンドラの門番として勝利を積み重ねてきた。彼らが成功を収め続けてこれた理由。それは、彼らの屈強な肉体にあると思う。マミヤが銅像と見紛えたほどの肉体美。それが全く同じ大きさで、目の前に二つ並ぶ。これはもはや芸術といっても良いだろう。そんな二人が同時につっこんできたら人はどう思うか。間違いなくその筋肉を生かしたコンビ技が飛んでくると思い、視線を肉体へと集中させるはずだ。これこそが彼らの狙いなのである。その屈強な左右の肉体に注目させる事で、間にある細い鋼線を発見されない事が、二神風雷拳の真髄なのだ。さしてパワーが必要とも思えない拳であるのに、二人があそこまでマッチョなのは、二神風雷拳を成功させるための気逸らしだったのである。弟くんであるミツが色白なのに二人が褐色肌なのも、筋肉のカットを出すために頑張って小麦色に焼いたからに他ならない。発想がボディービルダーと一緒である。しかしこの拳にとってはその「私を見て!この筋肉美を見て!」こそが生命線なのだから、より筋トレにも気持ちが入るというものだろう。
 しかしレイは初見であったにも関わらず、見事にこの秘密に気付き、直前で攻撃を避けた。二神風雷拳を破ったのは、ケンではない。二神風雷拳の真髄を見切ったレイだったのである。何故レイは二人の筋肉に目を奪われなかったのか。それはやはり、以前に彼らよりも凄まじい黒光りをする筋肉を目にしていたからであろう。そう、華山鋼鎧呼法である。牙一族との戦いがなければ今頃レイはなます切りにされていたのかもしれない。