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[第18話]
生か死か!?
荒野の果ては地獄の一丁目!!


 荒野を疾走するバットのバギーを、金髪の女の乗るバイクが追い抜いていった。負けじと抜き返そうとするバットであったが、ボロいそのバギーでは土台無理な話であった。ところが暫く進むと、先程のバイクの女が立往生していた。バイクの故障で動けなくなっていたのだ。あっというまにその修理を終えてしまったバットは、その報酬として水と食料を要求。こうしてケン達は、その女、ジェニファーの住むジーナの村へと案内されることとなった。

 程なく村へとたどり着いた一行であったが、その行動はすべてジョーカーによって監視されていた。そしてその情報は、直ぐにシンの元へと届けられた。七つの傷の男の首をとらんと、シンの軍団は一気にジーナの村へと向けて進軍を開始する・・・

 ジェニファーの家でサザンクロスの話をしていたケン達は、思わぬ情報を得ることとなった。ジェニファーの祖父であるこの村の村長が、サザンクロスの事を知っていたのである。少し前、そのサザンクロスを建設するために、この付近の村から多くの若者が拐われたというのだ。だが残念ながら、場所を特定するまでには至らなかった。

 サザンクロスを発ったKINGの一団が、遂にジーナの村へと到着した。先陣を切ってジーナ村へと突撃してきたのは、ウルフ率いる塊し屋軍団であった。町を破壊することでケンを誘き出すことに成功したウルフは、早速自らの軍団に攻撃を指示。ケンシロウの左右から、巨大なブルドーザーが迫る。しかし、科学の力も北斗神拳には通じなかった。転龍呼吸法で力を引き出したケンは、片腕で一台ずつそのブルドーザーを止めてしまったのだ。動けないケンに、今度は巨大なクレーン吊りの鉄球をぶつけようとするウルフだったが、逆にブルドーザーと同士打ちさせられてしまう始末。更に手刀で真っ二つにされた鉄球を、クレーンの操縦席を直撃させられ、塊し屋軍団自慢の兵器達は脆くも敗れ去ったのであった。残った兵士達も北斗千連脚で葬られ、残るはウルフ一人となったが・・・

 ジョーカー、そしてゴラス率いるサンダー軍団は、その模様を崖の上から見ていた。ウルフの限界を感じたジョーカーは、早速ゴラスに出撃を指示。しかし、彼等が向かったのはケンシロウの所ではなかった。ゴラスは、ケンの仲間であるリンとバットを人質に取ろうと考えたのだ。応戦するジェニファーを退け、ゴラスは見事リンとバットの捕獲に成功。2人をロープで引きずられ、荒野の彼方へと拐われた二人は・・・

 ウルフの火炎放射攻撃を跳躍でかわしたケンは、そのまま逆立ち状態での北斗残悔拳を炸裂。見事塊し屋軍団を壊滅させたケンだったが、安息の時はまだ訪れなかった。ジェニファーから事のあらましを伝えられたケンは、側にあったバイクに跨り、サンダー軍の後を追う・・・

 その頃、サザンクロスで、ある動きが起ころうとしていた。近くの村にケンシロウが現れたという情報を得たサキが、ユリアに町を脱出するよう勧めてきたのだ。真っ直ぐなそのサキの心、そしてケンへの思いに心動かされるユリアは・・・

 ケンが追いついてきた事を確認したサンダー軍は、広い荒野でケンを迎え撃つことにした。元スピードレーサーである技術を生かし、バイクで縦横無尽に攻撃を仕掛けるサンダー軍。だが、ケンのスピードとジャンプ力は、バイクのそれを遥かに超えていた。部下を全滅させられ、ただ一人残されるゴラス。だが、まだゴラスは奥の手を隠していた。砂漠の向こうから砂煙を上げてやってきたもの、それは戦車であった。もう人質など要らないとばかりにリン達を解放し、戦車へと乗り込むゴラスであったが・・・

 バットとリンを安全なところへと避難させ、戦車の前へと立つケン。砲弾をものともせず近寄ってくるケンに恐れたゴラスは、そのキャタピラでひき殺すよう操縦士に命ずる。だが、操縦席の窓をぶちやぶられ、操縦士は死亡。かわって操縦席に入ったゴラスは再度その戦車を前進させるが、ケンのパワーはその熱い走行をも打ち破ってしまった。激しい突きと蹴りを叩き込まれた戦車は、黒煙をあげてブレイクダウン。たまらずにハッチを開けて出てきたゴラスに、ケンはすかさず秘孔停角を突き、勝負を決めた。体の自由を奪われたゴラスは、自らの大事な鉄の棺桶の中で、爆炎に包まれたのであった。

 いつものようにユリアのハープに聞き入っていたシンは、その音色がいつもとは異なっていることに気がついた。ケープを剥ぎ取られ、顔を顕わにされたその奏者は、やはりユリアではなかった。彼女は、ユリアがサザンクロスから逃亡するために用意された影武者だったのだ。そしてその頃、当のユリアとサキは、馬車に乗ってサザンクロスの出口付近へと来ていた。シンの命令で此処から避難するよう言われた。そう嘘をつき、門を通ろうとするユリア。だがそれでも通そうとしない門番達を見て、サキ突如銃を取り出し、門番を脅しはじめた。しかしその時、全てを知ったシンが現場へと到着。その手には、首に縄を掛けられたユリアの影武者の姿が会った。逃げればこいつを殺す。そのシンの脅迫に、ユリアは涙を流して屈するしかなかった。

静かにサキの銃を降ろさせた。かくしてユリアの逃亡劇は、シンの高笑いと共に失敗を迎えたのだった。
放映日:85年2月21日


[漫画版との違い]
・アニメオリジナルストーリー



・ジェニファー登場
世紀末一バイクの似合う女、ジェニファーの登場です。
彼女の愛車は、情報によるとSUZUKIのカタナ3型と呼ばれる車種らしいです。


・重機が遅いなんて誰が言った?
サザンクロスに召集されたKING傘下の軍団が、ケンシロウ抹殺へ向けて一斉に出陣する。その一番手としてジーナの村に現れたのは、ウルフの塊し屋軍団であった。
なんでブルドーザーとかクレーン車とかに乗って移動してる奴等が一番早いんだよ。
・西からのぼったお日様が〜
ジェニファーによると、リン達をさらった奴等は「北へ向かった」らしい。その情報を頼りに、ケンはバイクにのって追跡を開始する。時刻は夕刻、西日が射す中、ケンは北に向かって走り続ける。

北へ…北へ…
 ん?

ちょっと待て。太陽が右手に沈んでるぞ?
これ南じゃねえか??


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