北斗七星
ほくとしちせい
星座の一つ。おおぐま座の腰と尻尾を構成する七つの恒星。七つの星を繋ぐと柄杓の形に見えることから、中国で柄杓を意味する「斗」の文字がつけられている。
北斗の拳の世界においては、北斗の流派の象徴する存在として描かれている。「死を司る星」との呼び名の如く、不吉なものとして忌諱される事が多く、天空に北斗七星が輝く時、北斗七星を切るように流星が走った時などに、誰かが死を迎えるという場面が度々見られる。また、北斗七星の脇に輝く補星は「
死兆星」と呼ばれ、その星が見える者には一年以内に死が訪れるという言い伝えが存在する。(死兆星についての詳細は、
用語紹介:死兆星の項へ)
天空の北斗七星以外にも、北斗の関係する様々な物にその星の並びは描かれており、その最も代表的な存在が、
ケンシロウの胸に刻まれた七つの傷である。これは
シンがケンシロウをいたぶるために穿った傷であるが、彼が何故この北斗七星の型に傷をつけたのかは不明。しかし北斗の流派ではこれと同じように、身体に北斗七星を描くような形で
秘孔をつく場面が度々見られ(
北斗七死星点、
天破活殺、
カイオウがヒョウの記憶を奪った破孔等)、また最終章においては、この胸の傷が光っていた事等を含めて考えても、あながち適当につけられた傷ではないようにも思える。
また、
北斗宗家の血を引く者には、北斗七星の形を成した小さな七つの痣を持つ子供が度々生まれるとされている。北斗の拳では、
カイオウがこの痣をもっていた事から、彼が北斗宗家の血を引く
リュウオウの子孫であるという証となった。
蒼天の拳ではケンシロウもこの痣を持って生まれており、その叔父にあたる
霞拳志郎や、かれの先祖である北斗神拳伝承者達にも痣が見られた。何れも頭部にあるが、どれも微妙に位置は異なっている。
その他にも、人間の動きの中にある七つの死角をたどればこの北斗七星の形になると言われており、
北斗神拳にはその型を描く歩法で相手を攻撃する
七星点心なる奥義も存在する。また
北斗琉拳には、その奥義を破るため、七星の形に建てられた石柱でこの動きを封じるという
北斗逆死葬なる技が伝えられている。
◆星の名称
- ・ドゥーベ(Dubhe)
- 学術名:α Ursae Majoris(略称:α UMa)
中国名:天枢(天官書) 貪狼(唐の密教教典)
視等級:1.80等(+4.95等)
地球からの距離:124光年
北斗七星の柄杓の水を掬う側の先端の星。ドゥーベという星の名はアラビア語で熊を意味する「ドゥブ」に由来する。肉眼では一つの星に見えるが、非常に接近した2つの恒星からなる実視連星である。
この星と、柄側の先端のベネトナシュだけは、他の五星とは大きく離れた位置にあり、おおぐま座連動星団には属していない。
- ・メラク(Merak)
- 学術名:β Ursae Majori(略称:β UMa)
中国名:天せん(天官書) 巨門(唐の密教経典)
視等級:2.37等
地球からの距離:79光年
北斗七星の、柄杓の水を掬う側の先端から2番目に位置する星。メラクという名は、腰を意味するアラビア語が元になっている。ドゥーベとメラクをつないだ先に北極星を見つけることができることから、指極星とも呼ばれる。
- ・フェクダ(Phecda)
- 学術名:γ Ursae Majoris(略称:γ UMa)
中国名:天き(天官書) 禄存(唐の密教経典)
視等級:2.41等
地球からの距離:84光年
北斗七星の、柄杓の水を掬う側の先端から3番目に位置する星。フェクダという名は、大熊の股を意味するアラビア語がもとになっている。
- ・メグレズ(Megrez)
- 学術名:δ Ursae Majoris(略称:δ UMa)
中国名:天権(天官書) 文曲(唐の密教経典)
視等級:3.3等
地球からの距離:81光年
北斗七星を柄杓型として繋いだ際、真ん中に位置する星。北斗七星の中で唯一の3等星。
- ・アリオト(Alioth)
- 学術名:ε Ursae Majoris(略称:ε UMa)
中国名:玉衝(天官書) 廉貞(唐の密教経典)
視等級:1.76等
地球からの距離:81光年
北斗七星の柄杓の柄の先端から3つ目に位置する星。アリオトの名の由来は、アラビア語で尾を意味するものだという意見と、カペラのアラビア語読みが誤ってつけられたという説がある。かつて海運の際の目印として頻繁に利用されてきたとされる。
- ・ミザール(Mizar)
- 学術名:ζ Ursae Majoris(略称:ζ UMa)
中国名:開陽(天官書) 武曲(唐の密教教典)
視等級:2.23等
地球からの距離:78光年
北斗七星の柄杓の柄の先端から2つ目に位置する星。ミザールという名は、アラビア語でベルトを意味する言葉が元となっている。この星の直ぐ傍にはアルコル(死兆星)があり、古代からこの二つの星がちゃんと分かれて見えるかどうかが視力検査に使われたとされている。
- ・ベネトナシュ(Benetnasch)/アルカイド(Alkaid)
- 学術名:η Ursae Majoris(略称:η UMa)
中国名:揺光(天官書) 破軍(唐の密教経典)
視等級:1.86等
地球からの距離:101光年
北斗七星の柄杓の柄の先端の星。ベネトナシュとアルカイドの二つ名があり、ベネトナシュは「大きい棺台の娘達の長」を意味するアラビア語が語源で、アルカイドは「先頭の娘」という意味をもつアラビア語が元になっている。これは、北斗七星の四角形を形作る星を棺台に見立て、柄側の3つの星を棺台を引く娘たちと見立てたことに由来する。
ドゥーベとこのベネトナシュだけは、他の五星とは大きく離れた位置にあり、おおぐま座連動星団には属していない。