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ラストランド





 『新・北斗の拳』に登場した砂漠の城塞都市。小説版では「最終の地」と書いてラストランドと読む。創設者であるサンガが実質上の支配者であるが、民衆たちはサンガが祀りあげたドーハを「奇跡の神」であると信じ、彼への揺ぎ無い信仰心をサンガに利用される形で統治されている。
 土壌が汚染された地域の中において、唯一汚染されていない水が湧き出す場所に建てられており、その水をサンガが独占している。故に城砦の外の人は、サンガに奴隷になるしか水を手に入れる方法はない。サンガの居城を中心に街並みが広がっており、城と、町を囲む二重の高い岩壁が侵入者を阻んでいる。外壁の周辺には奴隷街があり、人々がラストランドの兵達に掘削作業を強いられている。


 ドーハ(ビスタ)が見せる水芸の手品を民衆たちは奇跡だと信じ込んでいるが、国を維持するためには紛い物ではない、実体のある奇跡が必要であるとして、サンガはサーラの持つ秘孔術に着目。部下を使ってサーラを連行し、第二の神として祭り上げ、民の信仰を更に磐石なものにしようとした。だがそのサーラとビスタを取り戻さんとするケンシロウトビに城の中へと攻め込まれ、闘いの果てにサンガは敗北。これにより国は一旦主を失ったが、このことは民衆たちには知らされなかった。
 その後、サンガから受けた傷によってビスタが破傷風菌に侵されてしまったため、ケンシロウは薬を取りに行くために一旦国を離脱。その間に、父サンガの国を奪わんとするセイジが現れ、一瞬にして城を制圧。チェスをはじめとしたサンガの兵隊達を配下に加えたセイジが、新たな王として君臨した。だがその後、トビが民衆を率いて反乱を起こしたため、国はラストランド軍と民衆達とが争う壮絶な戦場に。勢いは民衆側にあったものの、セイジとチェスが砂煙に紛れて本陣へと近付き、トビを捕らえたことによって、あっさりと戦は終わりを迎えた。その少し前に国へと戻ってきていたケンシロウは、トビによって牢獄へと閉じ込められていたが、サーラの協力を得て解放。トビの最期を看取った後、城にてセイジとの戦いに臨み、その拳で圧倒した。その後、サーラは水を民衆達に解放すると共に、民達を呪縛から解き放った。




◆サンガの居城
ラストランドの中央に聳え立つサンガの居城。汚染されていない水を独占することで得た富の象徴であり、絢爛豪華な造りになっている。この城の前に民衆達を集め、ドーハの「奇跡」を見せることで、サンガは民衆達の心を掌握していた。ケンシロウ達に攻め込まれ、サンガが葬られた後は主を失ったが、その直ぐ後にセイジが訪れ、手下たちと共に城を制圧。その後、トビが先導する反乱軍に攻め込まれそうになったものの、セイジはトビを暗殺し、これを鎮圧。だが駆けつけたケンシロウによってセイジが葬られたことで、再び主を失った。


玉座の間
サンガの玉座がある部屋。後にその座はセイジへと奪われた。

バルコニー
サンガが民衆達にドーハの「奇跡」を披露する場所。城下に集まった民衆たちは、ドーハが水芸で噴出させた水を浴びることで歓喜に包まれ、その神の力に酔いしれる。後にサーラを捕らえたサンガは、バルコニーで信徒の一人を刺し、その傷をサーラに治させる事によって、もう一人の神の誕生を民衆達に知らしめた。

ドーハの寝室
サンガがドーハ(ビスタ)のために用意した寝室。サーラが夜中に忍び込み、記憶を蘇らせる秘孔を突いたが、それをサンガに目撃され、暴行を受けた。

修練場
サンガがケンシロウを迎え撃った場所。OVAではその後地下空洞への逃げ込むが、小説ではここでケンシロウに葬られる。また小説では、サンガがバズなる配下を相手にここで訓練を行なう場面がある。

地下空洞
サンガの城の地下にある地下窟。汚染されていない地下湖がある。ケンシロウの強さに圧倒されるサンガは、ここへと逃げ込み、火炎放射器を用いて抵抗したが、天井を崩落させられ敗北。その後、サンガの遺体もここに安置された。
後にサーラがここでケンシロウの帰りを祈っていた時、ユラが現れ、ケンシロウが既に国に戻って行く事を報告。隠された仕掛けを動かし、ボートを出現させ、ケンシロウの捕われている石窟祭壇まで行くよう告げた。

サンガの寝室
サンガの寝室。サンガの死後、破傷風菌に犯されたビスタの療養場所として利用された。OVAでは豪華な部屋として描かれているが、小説では無機質な石の部屋になっている。

牢屋
城を制圧したセイジが、サーラ、トビ、ビスタを監禁した牢屋。後にサーラはセイジの慰みのために連れ出され、トビは見張りのチェスの隙を突いて脱獄に成功した。

屋上
ケンシロウとセイジが戦いを繰り広げた場所。決着後、サンガの兄妹であるユラが現れ、サンガのセイジに対する真の想いを明らかにした。その後、自らの行いを戒めるが如く、セイジは自らに自決の秘孔を突き死亡。




◆その他のエリア

石窟祭壇
ラストランドの地下にある石造りの祭壇。とてつもなく頑丈な牢があり、トビがケンシロウを誘導してここに閉じ込めた。後にサーラが訪れ、ケンシロウと二人で協力して行なう発気鳴震波によって牢は崩壊している。小説版ではケンシロウが一人で破壊していた。

ビスタが匿われる小屋
トビが、破傷風に犯されたビスタを匿っていた小屋。民衆達の反乱を収めんため、セイジはトビを捕らえてここへと案内させ、ビスタを殺そうとした。自らの命を投げ出すトビの覚悟によって、ビスタは殺されずにそのまま連れ去られたが、トビはチェスの剣を受けて瀕死の傷を負い、ケンシロウが看取る中息絶えた。