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ジャン・カルネ



登場:第10〜43話
肩書:フランス租界巡査総長
CV:池田勝

 ジダンダールの後任としてフランス租界巡査総長の座についた男。紅華会と手を結んでその隆盛に加担し、多額の上納金を受け取っていた。更には処刑遊戯にゴランを出場させ、多額のファイトマネーと掛け金で大金を稼いでいたが、閻王ギーズの出現によって破綻させられた。

 後に、フランス本国の新聞に紅華会との癒着をスッパ抜かれ、立場を追われる事に。ギーズの優しさ(?)で南米で休養する事になったが、その船上で待ち受けていた潘光琳に銃殺された。

 TVアニメ版では、黄西飛死後にも紅華会に取り入るため、数々の幹部と接触。呉東来には美玉を連れ出すよう頼まれ、霊王ギーズ邸へと案内した。田学芳には家に招かれ、水槽に突っ込みそうになった田を助けたが、その抱き合った現場を見られてイケナイ関係だと勘違いされた。平安飯店に突撃する際にも同行し、田と握手しているところを新聞記者に激写されたりした。





 まさに紅華会躍進のキーマンと言える存在。フランス疎開巡査総長の座が、青幇派のジタンダールから紅華会派のカルネに変わったことが逆転劇の最大の要因であったことは間違いない。ジタンダールをあっさりと暗殺させてしまった事が青幇最大のミスだと言えよう。
 それを反面教師としたのか、紅華会は狡猾であった。青幇にとってジタンダールはあくまで「後ろ盾」に過ぎなかったが、紅華会はカルネと協力関係を築き、フランス軍をも紅華会のために動かした。子英はフランス軍を「紅華会の警備」と言っていたが、その本命のマルタイはジャン・カルネだったのだろう。わが身を護るために軍隊まで活用するというなりふり構わぬカルネの姿勢が、紅華会の絶対的支配を生んだのである。彼らは彼らで必死だったのだ。上海を掌握したと半ば油断していた青幇&ジタンダール側に非が無かったとは言い切れない。

 そんな重要人物であるにもかかわらず、彼が残したイメージといえば、超がつくほどの金の亡者、ゴランとの小芝居、乳の谷間にシャンパン注いでのガブ飲みといったような情けない場面しか無い。幸か不幸か、アニメではかなり出番が増えたが、その追加エピソードの殆どが原作に輪をかけてのギャグシーンであり、もはやただの面白おじさんと化してしまった。

主な追加エピソードを挙げると

呉東来より霊王をギーズ邸に案内するという雑事を押し付けられる。ついでにギーズも始末して欲しいと頼むが霊王にひと睨みされてスゴスゴ帰る。
ギーズが青幇に送ったのが「押収した阿片」から、アニメでは「押収した阿片をカルネが紅華会に売り飛ばして得た金塊」に変更され、大損。
田学芳の家に客人として招かれ、ピラニアの水槽に突っ込みそうになった田を支えるも、その瞬間を目撃した部下にホモだと勘違いされる。
田学芳と握手している所を新聞記者にスクープされる。
潘光琳に殺された後、素っ裸で黄浦江に浮かべられる。

等々。
散々だったアニメ蒼天の拳だが、もし視聴される場合は、彼の活躍(?)に注目してもらえば少しは楽しめるかもしれない。