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ヤーマ



登場:蒼天の拳(第169、234〜238話)
   蒼天の拳REGENESIS
肩書:シュケンの恋人
CV:甲斐田裕子(蒼天の拳REGENESIS)

 2000年前の西斗月拳の女弟子の一人。シュケンの恋人。

 かつて戦乱に巻き込まれた惨劇の村で、シュケンと遭遇。子供の亡骸に涙するそのシュケンの無垢な心に惹かれ、一瞬にして恋に落ちた。その後、西斗月拳を学びたいというシュケンの想いに応え、自らの身体に記された秘孔点穴の印を見せた。

 シュケンが白馬寺へと帰る前夜、シュケンが兄・イザヤを殺害する現場に遭遇。西斗月拳を封印するため、その使い手達を抹殺することがシュケンに与えられた使命であったことを知り、平和のためならばとその命を差し出した。しかし既にシュケンの子を身篭っていたため、シュケンは彼女を殺すことが出来ず、ヤーマは自ら崖に身を投げて自害。だが一匹の狼に助けられて一命を取りとめ、後にシュケンの子を出産した。
 その後、月氏族によって捕らえられ、裏切り者シュケンの血を引くものとして赤子は殺される事に。しかし子供に罪は無いとして、自らの胸に刃をつきたて、己の命を引き換えに子は助けて欲しいと懇願しながら死亡した。





 北斗神拳は、北斗宗家の拳と西斗月拳の融合であり、そしてシュケンとヤーマの愛の結晶でもあった。つまりシュケンを北斗神拳の父とするなら、ヤーマは北斗神拳の母なのだ。オウカも素晴らしい女性であったが、ヤーマも女人像化されて然るべき人物だったと言えよう。シュメは・・・別にいいか。

 シュケンに秘孔の術を伝える際、彼女は自身の身体に経絡秘孔の位置を記すという方法を用いている。この事から、ヤーマも西斗月拳の使い手の一人だと考えられる。というか彼女もシュケンの殺害リストに入ってる時点で、拳の概要を知っているのは確定だろう。つまり彼女は、北斗の拳・蒼天の拳を通じてただ一人の「超人的拳法を使う女性拳士」なのだ。外伝やゲームを含めると可也居るが、少なくとも原作では彼女だけであり、それつまり現時点ではヤーマこそが女性最強キャラクターであるということになる。残念ながらその拳さばきを見ることはできなかったが、彼女が自決前に見せた動き・・・強烈な蹴り上げで相手の剣を奪い、1m超はあろうその大剣を易々とキャッチして自分の胸に一息に突き入れるという一連の流れだけを見ても、常人を遥かに越えた身体能力を持っていることがわかる。というかそもそもあの崖から落ちて生きてる時点でほぼ人間じゃねえ。

 だがその事実は、西斗月拳の危うさの裏返しでもあると言えよう。ヤーマ自身の才能もあるかもしれないが、解釈を変えれば、西斗月拳は女性でも身につけることが出来る拳法だということ。ヤサカほどの戦闘力は無理でも、秘孔に特化した術なのだから、そこさえ極めればある程度までは修得できるのだろう。力が弱いものでも必殺の拳を会得できる・・・。聞こえはいいが、言い変えれば、誰しもが殺人術を身につけられるという意味だ。平和を目指すに置いて、これほど危険なものは無い。北斗の高僧達が、そしてシュケンが西斗月拳の秘術を封印しようとしたのには、その西斗月拳の難度の低さもあったのかもしれない。