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南斗双斬拳
なんとそうざんけん



流派: 南斗聖拳の一派
使用: ベジ&ギジ (対 ケンシロウ)
登場: 北斗の拳(87話)/アニメ版(62話)/
ラオウ伝殉愛の章(小説版)/
北斗の拳3/北斗無双


 南斗聖拳108派のひとつ。敵を間に挟むように位置取った二人が、四本の十字投剣をジャグリングのように投げ合うという拳。挟まれた相手は二方向からの投剣攻撃を無限に強いられる事となり、徐々に間隔を狭められることで更に回避が困難となる。最終的に間合いに入った二人が同時に切りかかりる事で、相手はその体を切り刻まれることとなる。
 聖帝軍ベジとギジケンシロウに対して使用したが、投剣攻撃を全て躱され、間合い内での攻撃も失敗。その際に秘孔 児鳩胸を突かれて遠近感を失ってしまい、互いの投剣をキャッチする事が出来ずに自滅した。

 TVアニメ版では原作よりも遥かにケンシロウを苦戦させ、距離の狭まった投剣攻撃でかなり傷を負わせた。

 『北斗無双』では無法者という有料DLCキャラクターの技として実装されている。暫く投げあって敵にダメージを与えた後、キャッチミスで互いの頭に剣が刺さり終了する。




 異色南斗聖拳として見られがちなこの拳。原作に登場した南斗聖拳の中では無音拳や双鷹拳よりも確実に格下の最下位まっしぐらな存在なのだから仕方が無い。が、へっぽこ南斗が多数登場したアニメという枠の中では結構上位に位置づけられてもいいと思う。
 聖帝部隊の男はこの拳を「やつらはああやって間合いをつめ獲物を切り刻むんだ!」と説明している。しかしそれはケンシロウみたく一箇所にとどまって剣をかわし続けてくれる相手でないと成り立たない。無限に飛来する投剣が二方向からくるこの技を躱し続けるのは、想像以上に難しいだろう。ケンシロウですら、二人が至近距離まで来たときには躱しきれずにかすり傷を負っていた。という事は当然、他の者には回避することは不可能と言える。では相手はこの奥義と相対したとき、どうすればいいのか。答えは「二人の対角線上から逃げる」である。ベジとギジがハイハイをし続けられるのは剣を投げる先に相方がいるからであり、その線上から脱することさえできれば完全に技を封じることができるだろう。だが・・・・もしそれこそがベジとギジの狙いだとしたら?兵士の言うとおり、彼らが止めを刺すのは投剣ではない。距離を詰めきった後の短剣術なのだ。投剣はあくまで誘い・・・。接近戦でのナイフ捌きこそが彼らが最も得意とする戦闘法なのである。ハイハイの線上から脱した相手が取る行動は、十中八九「片側の相手に突進」であろう。折角対角線上から逃げても、再び二人の間に挟まれればまた回避地獄が始まる。その前に片側を倒してしまおう。そう考えるのが普通だ。ぐずぐずしていては二人が位置を変えてしまうため、相手は急いで攻撃しようとする。だがそれこそが二人の狙い。勝機を焦った者の攻撃ほど雑で読みやすい攻撃は無い。投剣しか能が無い奴等だという油断もあるだろう。そんな浅はかな考えで突っ込んできた相手を、本命であるナイフ捌きでズタズタに切り裂く。それこそが南斗双斬拳の真の姿なのかもしれない。