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真元斗皇拳
しんげんとこうけん



流派: 真元斗皇拳
使用: ビジャマ
登場: パチスロ北斗の拳 新伝説創造


 『パチスロ北斗の拳 新伝説創造』にて、帝都の将軍・紅光のビジャマが、機械や電気の力を用いて生み出した紛い物の元斗皇拳。拳法などくだらない物だと唱えるビジャマが、拳法家に対するアンチテーゼとして創始した。

 ビジャマが様々な人体実験の末に手に入れた「電気から生成した闘気」を用いて闘うのが特徴。更には機械を用いてその闘気を増強することで、本物の元斗皇拳に劣らぬほどの破壊力を実現している。その他にも、機械の羽根で上空へと舞い上がったり、義足化してスプリングで繋げた下腿部を飛ばすことで、間合いの離れた敵を攻撃することも可能としている。




 北斗の拳においては強さの指標とも言うべき「闘気」。それを纏えるかどうかで強者か弱者かが決まると言っても過言ではない。故に拳法家はその高みを目指し、辛い修行に励むわけだが、ビジャマはその積年の果てに得られる報奨を、機械を用いてお手軽に得ようと考えた。そして人体実験の末に生み出されたのが、この「真元斗皇拳」だ。拳法家を下に見ているビジャマにとっては、果てしない時間と労力をかけてまで闘気を纏おうとする彼らの行為が、実に馬鹿らしく思えただろう。機械で簡単に闘気を生成することで、拳法家達の血と汗の努力を嘲笑うことこそがビジャマの本意であり、恋敵であるファルコへの復讐だったのだ。「真元斗皇拳」というネーミングは、本来の元斗皇拳に対する最大限の侮蔑が込められた、マッドサイエンティスト・ビジャマからの勝利宣言なのである。

 北斗の拳にはサイエンス的な要素が少ないため、いままでこのような発想をするキャラクターは誰も居なかったが、よく考えてみればそれほど奇抜なアイデアでもないだろう。リアル世界における「気」は現代科学でも解明できないミステリアスな存在だが、北斗の拳の世界ではそれを用いて物体を破壊できる人間が沢山いるわけだし、状況次第で視認もできる。決して非現実的な存在ではないのだ。ならばそれを構成する元素を特定し、再現を試みるというのは、科学者ならば当然の発想と言える。もし北斗神拳や元斗皇拳が秘匿されていないポピュラーな拳法であったなら、核戦争以前に散々研究され、とっくに人工闘気が発明されていてもおかしくはなかった筈だ。

 そしてビジャマは「電気」から闘気を生み出すという着想に至った。どちらも基本的には目に見えない存在でありながら、凄まじいエネルギーをもっているという点では可也近い存在だと言えなくも無い。また、北斗神拳では秘孔から経絡を通じて気を送り込むことで人体に効果を及ぼすが、電気もまた神経を通じて脳や筋肉に送られることで様々な影響を与えるとされている。これだけの共通点があれば、「気」の更に上位互換である「闘気」をも作れる確信をビジャマが得たのも当然と言えよう。

 で、結局ビジャマはこのイカサマ拳法をどこまで高められたかなのだが・・・正直な事を言うなら、まったくお話にならないだろう。 電撃や熱によるダメージは多少期待できるが、闘気波の持ち味はやはり衝突力。衝の輪や剛掌波のように、相手を彼方に吹っ飛ばすほどの衝突力が無ければ、必殺の一撃足りえないのだ。ただ、自らの体力を消耗することなく闘気波を打ち続けられるというのは可也のアピールポイントと言える。大容量のバッテリーさえ用意できれば、並の拳士相手なら遠距離から完封できるだろう。ただ、元も子も無いことを言うようだが、ビジャマほどの技術力があれば、こんな闘気モドキを作るよりももっとシンプルに強くなれるマシンを開発できたんじゃないかと思うんですよね・・・


 闘気以外の面にも着目してみよう。ビジャマはその人工闘気以外にも、機械を用いた様々な戦闘能力を有している。スプリングで伸縮する両脚の義足。昆虫の翅が如き高速の羽ばたきで宙を飛べる羽根。腰の栓を抜くことで発動する逃亡用の煙幕。これらもやはりビジャマの言う真元斗皇拳の一部なのだろうか。

 中でも注目すべきは、やはり義足だろう。ファルコも片足が義足の戦士であるが、戦闘においてはデメリットとなる部分の方が大きかった。それに対しビジャマのスプリング義足キックは、演出を見る限りでは中々効果的な攻撃となっており、彼の戦闘力を押し上げていることは間違いない。その他にも、羽で舞い上がった後に先に義足だけを地に着け、繋がったスプリングを緩衝に使うことで安全に着地するという方法にも利用されている。つまりファルコとは違い、ビジャマの義足は、彼にとって確実にプラスに働いているのである。闘気で元斗皇拳を上回ろうとしたビジャマが、義足の面でもファルコを上回った・・・果たしてこれは偶然なのだろうか?

 最初に語ったとおり、ビジャマが真元斗皇拳の創作に乗り出した理由の一つには、恋敵であるファルコへの怨讐が絡んでいることは間違いない。故に人工闘気の研究に乗り出したわけだが、ファルコにはもう一つ大きな特徴がある。それが義足だ。村人達のために片足を捨てたファルコの行為は、彼に対するミュウの想いをさらに強くしただろう。ならば闘気だけではなく、義足という面でもファルコを上回らねば真の勝利とは呼べない。そうでなければ「真元斗皇拳」を名乗ることは出来ない。そう考えたからこそ、ビジャマはあんな特殊な義足を開発したのではないだろうか。恐ろしいのは、ビジャマがもともとは義足ではなかった場合・・・つまりファルコを超えるためだけに自らの脚を、しかも両脚を切り落として、わざわざ義足にした可能性が高いということである。まさに狂気の所業。マッドサイエンティストとしてのクレイジーさと、失恋の恨みによる相乗効果が、彼をそこまで狂わせたのであろう。