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ビジャマ



登場:パチスロ北斗の拳 新伝説創造
肩書:帝都の将軍 ジャコウの右腕
流派:真元斗皇拳
CV:中井和哉

 帝都の将軍の一人であるが、その実態は総督ジャコウと手を組んで帝都の実権を握るフィクサー的存在。『パチスロ北斗の拳 新伝説創造』に登場したオリジナルキャラクター。

 電気と気の関係を研究するマッドサイエンティストであり、機械で生成した闘気を用いて戦う紛い物の拳「真元斗皇拳」の使い手。通称「紅光のビジャマ」。拳法など機械でいくらでも再現できると自負しており、その言葉通りに機械で闘気を増幅したり、機械の羽根を空を飛んだり、スプリングで繋げた義足を飛ばして間合い外の敵を攻撃するといった戦法を用いて戦う。

 かつて天帝の村で見かけたミュウに一目ぼれし、しつこく言い寄るも、手痛く振られ撃沈。彼女の恋人であったファルコに筋違いの憎しみを抱き、その報復のために行軍中の拳王軍と接触し、天帝の村の場所を密告。その結果、ファルコは拳王との交渉のために片足を失うこととなった。その直後にジャコウと接触し、同じ臭いのする者同士で結託。天帝を幽閉して帝都を築くというジャコウの野望に協力した。その際、計画を阻止しようとしたアスラを捕え、邪法によって記憶と人格を作り変え、虚無を彷徨う無敵の将へと生まれ変わらせた。

 数年後、人力によって電力を供給できる中央帝都を作り上げ、帝都のフィクサーとして暗躍。そんな中、新たな実験素材としてケンシロウに着目し接近。自慢の装備を駆使して戦う「真元斗皇拳」にて挑むも、瞬く間に機械を破壊されて敗北。煙幕を張ってその場から撤退した。
 帰還後、更なる電力を要求してくるジャコウに苛つきながらも、水力発電を構築せんと川辺へと赴き、そこで再びケンシロウと遭遇。今度こそケンシロウを実験台にしようとするも、アスラの人格を破壊したのが自分であることを告白したことが仇となり、怒ったケンシロウの百裂拳を喰らい爆死した。

 断末魔の「じごわっ!」は、バック・トゥ・ザ・フューチャーに登場する電力の単位「ジゴワット」から来ているものと思われる。

 時系列的にビジャマとケンシロウの対決は、ソリア撃破〜バトロ撃破(ショウキ死亡直前)の間の出来事となる。

 声を務るのは中井和哉氏(※主水様から情報を頂きました)




 パチスロのオリキャラの、しかもこんなイロモノ枠のくせに、本編のストーリーにかなり深く食い込んだ設定を与えられたビジャマ氏。私は北斗の拳に新設定が追加される事に関しては好意的に捉えている方だが、それにしたってこれは大胆すぎやしないかと動揺を禁じ得ない。


 まずはどういった経緯かは解らないが、彼は天帝の村へと訪れたらしい。そこでミュウに一目惚れしたのだという。コケティッシュな女に一発でハートを打ち抜かれたビジャマは、壁ドンとかいう未来なスキルを駆使して猛アタックをかますも、彼女には心に決めた金髪の角刈りがいたため、想いは届かず失恋する。
 しかしこの時、ビジャマは力ずつでミュウを手に入れようとはしなかった。彼が欲しかったのはミュウの体ではなく心なのだ。理系らしくそのへんはピュアだったりするのだ。実は素顔は結構イケメンだったりもするので、あの変なマスクを外してさえいれば、嫌悪感を示されるまでにはいかなかったと思うのだが。
 ちなみにフラれても彼女への想いは消えず、ビジャマの懐には常にミュウのブロマイドが忍ばされている様子が確認できる。怖い。


 2つ目の衝撃設定は、ファルコが義足になった原因はビジャマにあったというサプライズ。ミュウの恋人であるファルコが村の長であることを知ったビジャマは、偶然近くを行軍中だった拳王軍に接近。天帝の村の位置を密告することで、ラオウ様とファルコを対峙させることに成功し、結果ファルコは村を守る為に片足を切断することとなった―――ということらしい。
 うーむ、まさかあの事件の裏にこんなしょーもない・・・いや根深き怨讐の愛憎劇が隠されていたとは。しかし設定はともかく、こんなよくわからん奴の進言でラオウ様が軍を動かしたってのは少し嫌だなあと思ってたんですが、映像を見る限りではビジャマが直接ラオウ様に謁見したってわけではない模様。じゃあいいや。


 そして何よりも一番の衝撃は、その後の天帝幽閉やジャコウ政権発足にビジャマが大きく関係していたという事だろう。更にはあの中央帝都を建設したのもビジャマなのだという。表向きはジャコウの独裁政権である天帝軍だが、実際はフィクサーであるビジャマとの二大体制・・・いや立場こそジャコウが上だが、実際はビジャマの手の内にあったと言っても過言ではないだろう。なにしろビジャマにとっては天帝の命などどうでも良いのだから、いざとなればいつでもジャコウを殺す事ができたのだ。

 ともすれば天帝編自体がひっくり返りかねないような無茶な設定だが、冷静に考えてみれば別に変ではないというか、むしろ彼のような存在がいて当然という気もする。いくらジャコウが天帝を幽閉できたからといっても、それだけをネタに、あのような小物が天下をとれたというのは出来すぎた話だ。息子二人も然程頼りになりそうも無い。しかしそこにビジャマというピースが加わると、かなりリアリティが出てくる。力で無理を通せる程の実力はあり、中央帝都の電気系統を設計できるほどの頭脳、そしてアスラに施したような記憶改竄の術があれば、軍の組織図を一気に書き換える事も可能だろう。なにより一番大きいのが、ビジャマ自身が地位や名誉といったものに興味が無いという事だ。文字通りスポットライトを浴びる総督の椅子にはジャコウを座らせ、マッドサイエンティストであるビジャマのほうは充実した環境でひたすら研究に勤しむ・・・。天帝幽閉の首謀者である二人が、軋轢を生む事無く、WINWINの関係を築く事が出来るのである。

 ひとつ気がかりなのは、ミュウがジャコウの側女のような状況にあることに対し、ビジャマは何も思わなかったのだろうかという事。まあ当時とは環境も立場も大きく変わったわけだから、もう恋心を失ってしまっていたとしても不思議ではないけども。


 権力を手に入れたビジャマは、帝都の中に研究室を作り、人体実験に没頭することとなる。その研究テーマは、なんと電気から闘気を作り出すというあまりにもぶっとんだ発想。いや・・・マジで誰だよこの設定考えたの。
 しかしビジャマは、あの中央帝都の悪趣味な人力発電装置を設計し、この世紀末の荒野に皆が忘れかけていた電気の光りを取り戻した男だ。少なくともこの時代においては誰よりも電気に精通しているだろう。ついでに、実験用の木人形にも事欠かなかっただろうしね。毎日あっちゃこっちゃから発電作業用の人材が運ばれてくるんだから。

 で、結局その研究は成功したのかと言われると、半々といったところだろう。確かに元斗皇拳のように何かしらのエネルギーを飛ばしてはいるが、見た目からしてまだまだ電気の要素を多く残しているように見える(それはそれで強そうだが)。ただ、改造されたアスラを見る限り「元々ある闘気を増量させる」という実験には成功したようだ。なんにせよ、闘気という存在に"科学的に"ここまで深く踏み込んだのは、おそらくビジャマが史上初であろう。

 そんな人工の闘気を用いる戦闘術にビジャマは「真元斗皇拳」と名付けた。別に全然違う名前にしても良かったのに、あえて元斗皇拳、しかもあてつけのように"真"の文字をつけたのは、恋敵であるファルコへの対抗心、復讐心によるものだろう。ファルコが長年の修行で身に付けた闘気を、自らはその天才的な頭脳を用いて再現する事で、己の方が優れた人間である事を証明したかったのだと思われる。彼の両足が義足なのも、ファルコが片足ならおれは両足だーとかいうクレイジーな対抗心によるものなのかもしれない。な、なんて恐ろしい男なんだ・・・。

 しかしイッちゃい過ぎたためか、彼は最高の実験素材を求めてケンシロウに勝負を挑むという愚行を犯してしまう。どこかで聞いた事のある展開だな・・・と思っていたら、バトル中のケンシロウから「かつて似たような事を言った男がいたな」との台詞が。ああ!覚えていたのねケンさん!アミバもまたケンの心の中に生き続けているのね!(違う)
 邪道拳の腕試しとしてはあまりにも強すぎたケンシロウにこてんぱんにのされ、なんとか逃亡するも、間を置かずして再びケンシロウと遭遇してしまうツイてないビジャマさん。ここで何故か唐突に「アスラを改造したのは俺様だ!くやしいかケンシロウ!」と、これまたどこかで聞いたようなことを言い出し、ケンちゃん激おこ。今度こそ完璧にぶっ殺されてしまうのでした。

 そういえば原作で北斗の軍が中央帝都に迫った際、急に帝都内の電気が弱まってジャコウが怯える場面があるが・・・もしかしたらビジャマが死んだ事でメンテできる人がいなくなったのが原因なのかもしれないなあ・・・。