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小説 ケンシロウ外伝
ストーリー キャラクター 流派・奥義



キャラクター紹介


主人公


ケンシロウ
 北斗神拳の伝承者。シンに敗れて瀕死の重傷を負っていたところを、イザクとハンナの老夫婦に救われて生還。暫くの療養生活を送るが、捕われたイザクを救うために再び拳を振るい、ザイム軍を壊滅させた。だがその背後にいた闇帝軍に目を付けられてしまい、報復としてイザク夫妻を殺されてしまう。二人の仇をとることを誓い、エリスの軍閥に参加し、闇帝軍を相手に籠城戦を展開。ソーラの治癒能力で傷が快復させてもらった後、闇帝との対決に臨み、南斗聖拳の使い手である影武者ボーモン、闇帝コーエンを撃破した。しかしコーエンの願いを受け、止めは刺ささなかった。

 闇帝軍との闘いの中で知り合った"耳"が仲間となり、彼の故郷である「崑崙谷の村」へ。"耳"の弟のユウキと対面し、その幼い身体に背負った大量の哀しみを自らの中に流し込む事で、苦しみから解放した。だがその後、ユウキの力を狙う幻王軍が村に攻めてきたため、村を捨ててエゼル教の聖地「ナザニエル」へ。道中、救援に駆けつけた闇帝コーエンと合流し、命を賭した強敵の戦いを見守った。

 ナザニエル到着後、殉教にとりつかれた信徒達の姿を目撃。彼等を救うには、この世に希望を取り戻すより他にないと知るが、自らがその宿命を背負っている事を自覚できなかった。だがコーエンの死に際の言葉や、人々の希望を背に受け、北斗神拳伝承者が救世主の宿命を背負っている事を知り、覚醒。幻王ダルダの狡猾な罠によって危機を迎えるが、ジュストやエゼル等の命をかけたサポートにより、ダルダに勝利した。





イザク夫妻の住む村



イザク
 地下農園を作りながら暮らしている老人。ハンナの夫。
 雨宿りに入った穴で、傷ついたケンシロウを発見。死んだ息子ラウールに似たケンを捨て置けず、家へと運び、二ヶ月に渡って看護した。その後、息子を匿っているとしてザイム軍に捕らえられるが、ケンがザイムを倒したことにより解放。帰宅後、ケンのことを密告した隣家のベントをぶん殴った。
 ケンとの本当の親子のような生活の中で、恋人を奪われた哀しい過去を知り、同情。いつかは旅立ってしまうケンのため、旅の必需品を買い揃えた。しかし、自らの手でそれを渡す前に、闇帝の刺客に家を焼かれ殺された。


ハンナ
 イザクの妻。雨宿りに入った穴で、傷ついたケンシロウを発見。死んだ息子ラウールに似たケンを放っておけないとイザクに頼み、家へと運んで看護した。その後、息子を匿っているとしてザイム軍に押し入られ、イザクは城へ連行。だがケンによってイザクは救出され、無事帰ってきた二人と涙の再会を果たした。
 ケンとの本当の親子のような生活の中で、恋人を奪われた哀しい過去を知り、同情。いつかは旅立ってしまうケンのため、旅の必需品を買い揃えた。しかし、自らの手でそれを渡す前に、闇帝の刺客に家を焼かれ殺された。


ラウール
 イザクとハンナの息子。一年前にザイム軍に徴兵され戦死。遺髪となって戻って来た。ケンシロウと瓜二つであるらしい。


ベント
 イザクの隣家に住む男。普段はいい人を演じているが、実は腹黒い。
イザクの家にいたケンをラウールと勘違いし、老夫婦が息子を匿っているとザイム軍に密告。イザクが城に捕らえられた後、ハンナを気遣うフリをして家にあがりこみ、イザクの財産を自らのものにしようとした。その後、生きて帰ってきたイザクに殴られ、警邏隊によって逮捕。刑務所へと連行されたが、その道中に闇帝軍と鉢合わせ、弓矢で殺された。


マルク
 イザク夫妻と親しくしていた男。二人に頼まれて市場へと赴き、ケンの旅立ちに必要な物を揃えた。だが帰った時には、既に二人が焼き殺されてしまっていたため、二人から託されたその品物をケンに渡して事情を伝えた。。
 その後、ケンシロウの動向を探る"耳"を不審に思い、接近。秘密がばれることを恐れた"耳"に、崑崙山莫羽剣で殺された。





エリスの砦



トーレ
 かつて凶悪犯のみを収容した刑務所の看守長だった男。核の炎で火事になった際、慈悲の心で囚人達を解放。だが武装して戻ってきた彼らに刑務所を支配され、牢屋へと入れられた。しかし、ケンがザイムを倒したのを期に奮起。囚人達から再び刑務所を取り戻し、ここを砦として闘っていくことを決意した。
 その後、イザクの家へと赴き、ケンの事を密告したベントを逮捕。だがその帰路で、闇帝軍の先遣隊の襲撃を受け死亡。翌朝、自らの砦に、己の生首を投げ入れられた。


エリス
 かつて刑務所で、トーレの副官を務めていた男。トーレ亡き後、闇帝軍や野盗達と渡り合うために軍閥を結成。トーレ自由自治区の長として、砦の隊長となった。
 ケンシロウを助っ人に迎え、闇帝軍を相手に籠城戦を展開。ケンの姿が消え、兵達の苛立ちが高まる中、ケンが必ず闇帝を倒してくれる事を信じて待ち続けた。結果それが実現し、闇帝軍とは今後不可侵条約を結ぶこととなった。


コーエン
 「一条鞭のコーエン」の渾名を持つ鞭の名手。死に場所を求め、闇帝軍と交戦中の砦に加勢。闇帝工作隊を倒したり、ケンの傷を治すためにソーラを連れてきたりした。しかしその正体は、敵の首領である闇帝シュウマ。


タウル
 エリスの砦の兵士の一人。苦しい籠城戦に限界を迎え、どうせ死ぬなら玉砕覚悟で討って出たほうがマシだと声を上げた。


看守達
 かつて凶悪犯のみを収容する刑務所に勤めていた看守達。核の炎によってパニックに陥り、看守長のトーレに収拾を委ねた結果、囚人達を一旦解放。しかし武装して戻ってきたザイム達囚人に所を占拠され、牢屋に閉じ込められた。その後、虐待の日々を強いられるが、ケンシロウがザイムを倒した事により奮起。残る囚人達を圧倒し、城を取り戻した。
 その後、トーレが闇帝軍に殺されてしまったため、エリスを隊長に軍閥を結成。ケンシロウを助っ人に籠城戦を展開した。


警邏隊
 密告者であるベントを逮捕するため、トーレと共に砦を出た看守達。帰城の途中、闇帝軍の先遣隊に襲われ、全員殺された。


エリスの砦の兵士達
 エリスの軍閥に参加した者達。主に元刑務所の看守達と、近隣の役に立ちそうな若者達で結成されている。
 攻めてきた闇帝軍と籠城戦を展開。だが飢餓の中で苛立ちを抑えられるず、姿を消したケンや"耳"達に疑念の声を上げ始めた。後にケンが闇帝を倒してくれたおかげで、闇帝軍と不可侵条約を結ぶこととなり、生き延びた。


近隣の村人達
 トーレ自由自治区に住む千人もの村人達。籠城戦を破るための道具として闇帝軍に捕らわれ、エリスの砦の中へと押し込まれた。結果、散々腹を減らされていたため、砦の大量に食糧を消費してしまった。




ザイム軍



ザイム
 ザイム軍の頭。紛い物の南斗聖拳を使う。泥鰌髭に巨大な目というデメキンのような顔をしているが、本人には禁句となっている。

 戦前に多くの凶悪犯罪を犯し、刑務所で死刑を待つ身となっていたが、看守長トーレの慈悲によって核の炎から避難。後に、約束どおり"刑務所に戻って来た"が、他の囚人達と組み、刑務所を制圧した。その後、他の囚人達と共に「ザイム軍」として軍閥を結成。勢力を伸ばす一方で、看守、警察署長、裁判官、検事といった恨みの対象を者達を次々と嬲り殺した。

 イザクの息子として捕らえたケンシロウが、自らをデメキン呼ばわりしたため、折檻ショーの獲物に指定。しかし偽の南斗聖拳では傷一つ付けられず、持ち出してきた蛮刀も当たらず、北斗残悔拳を喰らい死亡。後に、闇帝シュウマの傘下に入っていた事が明らかになった。


ザイム軍
 かつて刑務所に囚われていた凶悪な囚人達。刑務所に核の炎が迫った際、看守長トーレの慈悲によって解放されたが、その後舞い戻って刑務所を占拠。ザイムを頭とした軍閥を結成し、かつての看守達を立場を逆転させた。
 ベントの密告を受け、ケンを逃走兵の一人と勘違いし、投獄。だがそのケンがザイムを倒したため、奮起した看守達の手によって制圧され、再び牢屋へと入れられた。





闇帝軍



闇帝シュウマ/コーエン
 闇帝軍の王。南斗黒烏拳の使い手。本名はコーエンだが、「闇帝シュウマ」という偽名を使っており、カラスの仮面によって正体を隠している。左目が見えないことを悟られないため、常に闇の中に潜み、部下にすら素顔を明かさない。

 同盟国のザイム軍を滅ぼしたケンシロウを標的にし、軍を率いてエリスの砦を包囲。その中で自らは一条鞭のコーエンとして砦の中へ入り込み、ケンシロウに近付いた。その後、自らの居城「暗烏閣」にて正体を明かし、ケンシロウと激突。互角の戦いを繰り広げたが、闘いの中で左目が見えないことを見抜かれ、降参。だがまだ死ねない理由があるとして、己の左腕を代償に、暫く命を貸しておくようケンに頼んだ。

 その後、軍を率いて幻王軍と激突し、取り囲まれていたケンたちの一団を救出。エゼル教の教祖が自分の妹である事、そして闇帝軍はそのエゼル教を守るために作られた軍閥であることを明かした。その後、幻王軍の本隊との決戦に臨むも、軍は全滅。自らも幻王ダルダとの戦いに敗北し、致命の傷を負った。

 ケンと共にナザニエルへと赴き、そこで繰り広げられる地獄絵図を見せ、この世界を救えるのはお前だけだとケンに宣告。その後、赤子を爆発から守って重傷を負うも、最後の力で三聖者の首を刎ね、ケンシロウを救世主とするために己が悪名をかぶった。最期に、妹エゼルに対し、殉教を捨ててケンシロウと共に戦うよう言い残し、絶命した。


闇帝軍
 コーエンが闇帝シュウマの名のもとに作り上げた軍閥。略奪を主とする軍団だが、コーエンが妹エゼルを護るために作ったという裏の顔を持つ。全員が黒い鎧をまとっており、別名カラス軍と呼ばれている。
 同盟を結んでいたザイム軍の砦が奪われたのを機に、侵攻を開始。砦を取り囲み、飢餓に陥らせるが、闇帝が敗北した事を受け撤退。砦の者たちと不可侵条約を結んだ。その後、幻王軍との雌雄を決するため出陣。数回に渡る合戦の末、壊滅した。


"耳"(テグ)
闇帝の密偵。詳細は「崑崙谷の村」参照。


ボーモン
 闇帝軍の親衛隊長。コーエンとヨハンナの幼馴染にして、南斗夜梟拳の使い手。愛するヨハンナがエゼル教に入信したため、彼女を守ると言う名目でコーエンの闇帝軍に助力している。
 ケンシロウが城に迫っている事を知り、闇帝の影武者となる事を直訴。カラスの仮面を被り、ケンと一対一の戦いに望んだが、戦い方が正攻法過ぎたが故に拳を見切られ、敗北した。
 後に、ケンが崑崙谷の村人達と共にナザニエルに向かっている事を知り、護衛に。しかしクマムシの罠にかかり、全身に杭を打ち込まれて死亡した。


ロカ
 闇帝工作隊の隊長。火焔拳の使い手。道場での手合わせで"耳"に勝利したほどの実力者。両手に毒手を持つ。
 闇に紛れてエリスの砦の井戸に毒を投げ入れるようとするも、ケン達に待ち伏せされ失敗。着込んだ鉄布衫によって"耳"を圧倒するも、ケンには取鉄布衫の隙間から秘孔を突かれ、自慢の毒手で自らの顔面をかきむしりながら死亡した。


ドルフ
 闇帝工作隊の一人。隊長ロカの命令で、井戸に毒壜を投げ入れようとしたが、"耳"の莫羽剣を手に受けて失敗した。


闇帝工作隊
 ロカをリーダーとする闇帝軍の部隊。夜中にエリスの砦へと潜入し、井戸に毒を投げ込もうとしたが、ケンシロウ達の登場により失敗。"耳"やコーエン等によって全滅させられた。


モグラ
 闇帝(偽)のパオの見張りについていた男。ケンの秘孔によって記憶を奪われ、自分の名前すら思い出せなくなり、ケンシロウの悪ふざけで「モグラ」という名前をつけられた。


偽闇帝(一人目)
 闇帝の影武者。カラスの仮面を被って闇帝を演じ、軍を率いてエリスの砦を取り囲んだ。その後、パオに乗り込んできたケンシロウと戦うが、一撃で敗北。その弱さから偽物と見抜かれた。


偽闇帝(三人目)
 初代、ボーモンに続いて、三番目に闇帝の影武者を演じた男。幻王軍との最終決戦において、首をとられた。


先遣隊
 闇帝軍の先遣隊。黒塗りの矢の一斉射撃でトーレ等警邏隊を殺害し、翌朝刑務所にトーレの生首を投げ入れた。


屈強な三人の兵士
 闇帝軍に属する屈強な兵士達。手柄をたてられると"耳"に唆され、ケンシロウを襲撃した。返り討ちにされ、致命の秘孔を突かれたが、ケンの気が不十分だったために死に切れず、苦しみにのた打ち回った。





崑崙谷の村



"耳"(テグ)
 崑崙拳の使い手。目が見えない弟ユウキを食わせていくため、密偵として渡り歩いている。本名はテグだが、異常に大きな右耳を持っているため、"耳"と呼ばれている。
 闇帝の密偵としてケンシロウを偵察。勝負を挑み敗北するも、命は奪われず、そのケンシロウのもつ情に惚れた。その後、闇帝をケンと戦わせまいと虚偽の報告を持ち帰るが、嘘を見破られたため、右腕を犠牲にして逃亡。ケンシロウと合流し、共に闇帝軍と戦い、ケンと闇帝の闘いを見届けた。
 その後、ケンを弟ユウキに会わせるため、故郷の崑崙谷の村へ。ユウキが抱えていた大量の哀しみを、全てケンシロウに引き取ってもらい、心から感謝した。だが後に、ケンと共に村人殺害の疑いをかけられ、真犯人探しに奔走。ケンと共に死人組を撃退するも、幻王が数千人の村人を送りこんできたため、村を捨ててナザニエルへと向けて出発。だが到着後、仲間達が次々とエゼル教の信徒に加わってしまい、狼狽した。
 ナザニエルと幻王軍と決戦では、戦力の一人として活躍。その際に片脚を失っていると記されたが、どのタイミングで喪失したのかは不明。 


ユウキ
 "耳"の弟。15歳。生来目が見えないため、"耳"や村人達の世話を受けている。だがその代わりに他人の哀しみを視ることができ、その者の未来を予知する事が出来る。多くの哀しみを背負う事で苦しめられていたが、ケンがその全てを引き受けてくれたため、解放された。
 その後、予知の力を欲する幻王ダルダが村に刺客を送ってきたため、自らが予知した運命の地、ナザニエルへ。エゼルが唱える殉教の考えを否定し、救世主となれる資質を持つケンシロウに、皆を救ってほしいと願った。


テシオ
 崑崙谷の村に住む男。"耳"の幼馴染。ケンシロウにロジェ殺害の疑いをかけ、牢に監禁する事を決定。村人達を代表し、"耳"にその事を告げた。しかしその後、真犯人である死人組に脅され、崑崙谷へ。ユウキのことや、その他数々の情報を吐かされた後、無惨に切り刻まれた。


ロジェ
 崑崙谷の村に住む医者。村に現れた重傷の三人(死人組)の治療をした。しかしその傷があまりにも上手く急所を外れていたことに気付いてしまったため、口封じのために首を刎ねられて死亡。その後、崑崙谷の下で遺体が発見された。


グレオ
 崑崙谷の村の長老。憤る村人達をなだめ、本当にケンシロウがロジェ医師殺害の犯人なのかを冷静に問いただした。その後、疑いが晴れたケンに対し、率先して土下座をした。


サジイ
 いなくなった"耳"に代わり、ユウキの世話をしていた五人のうちの一人。連続殺人の犯人をケンと"耳"だと思い込んでいたが、他の見張りが死人組に殺さるのを目撃。ケンと死人組の戦っている間、家の中で震えていた。その後、駆けつけた村人達に対し、ケン達が無実であることの証人となった。


崑崙谷の村の人々
 忍びの里である崑崙谷の村で暮らす人々。わびしい谷あいにある貧しい村で、ひっそりと崑崙拳を受け継いでいる。密偵として稼ぎに出ている"耳"の仕送りで生活しており、その代わりに盲目のユウキの世話をしている。
 医者のロジェを殺した犯人としてケンシロウに疑いをかけ、洞窟に監禁。さらにテシオの死を受け、"耳"までをも疑い始めるが、後に犯人が死人組だったことが判明し、ケン達に土下座して謝罪した。
 その後、幻王が差し向けた数千人の民衆から逃げるため、村を捨てナザニエルへ。危険な旅路の末に辿りついたが、信者達の殉教に感化され、ほぼ全員がエゼル教徒と化した。


"耳"の師父
 "耳"に崑崙拳を教えた師匠。崑崙谷の村を作り上げた人物であるらしい。生死は不明。





幻王軍



幻王ダルダ
 幻王軍の王。南斗白鷲拳の伝承者であり、百年前に南斗108派から除名された際の伝承者の末裔。金髪白皙の美貌を持ち、イリュージョニストとしての演出も得意とする。また、幻薬を使って兵や民衆に集団催眠をかけ、意のままに操っている。幼き頃から師父に毒を飲まされ続けたため、全身に猛毒が仕込まれている。

 ユウキなる少年が予知能力を持っていることを知り、覇権に利用せんと崑崙の村を標的に。だが使いに出した死人組がケンに撃退されたため、民衆を使うことによって村から追い出し、そこを部隊で取り囲んだ。結果、闇帝軍によって妨害され失敗に終わるが、兵力差によって戦には圧勝し、自らも闇帝コーエンとの対決で致命の傷を負わせた。

 その後、ユウキらが逃げ込んだナザニエルへと兵を進ませ、攻撃を開始。だがエゼル教の信徒の前に思わぬ苦戦を強いられ、果てにはケンシロウの強さの前に軍は壊滅。自らケンシロウとの対決に臨み、人質作戦や猛毒によって何度も追い詰めたものの、最終的に敗北。しかし止めは刺されず、ナザニエルの地下牢へと閉じ込められた。

(書きかけ)


クマムシ
 死人組の一人。傷を負い、血を流すほどに強くなるという特異体質を持つ。
 幻王ダルダの命を受け、ユウキを拐うために崑崙谷の村へ。相棒のワムシ・ウズムシ等と互いに身体を傷つけあい、怪我人として村の中に潜入。ユウキの所在を探し、正体に気付いた"耳"をあっさりと撃退した。その後、ユウキに後一歩まで迫るものの、ケンシロウの前に敗北。相棒二人を殺され、自らも右脚を折られながら這這の体で逃げ帰った。
 後に、幻王軍をクビにされたことを恨み、野盗を雇って崑崙谷の村の者達を襲撃。罠によってボーモンを仕留めるが、突如現れたシュレンとヒューイの前に斃された。


ワムシ
 死人組の一人。小太りの男。クマムシ、ウズムシと共に全身に傷を負い、崑崙谷の村へと潜入。幻王の命令に従い、ユウキを連れ去ろうとした。
 正体を明かした後、ケンシロウとのバトルに。死人巴陣で、ウズムシと共に上空から襲いかかったが、北斗内破功で反撃され爆死した。


ウズムシ
 死人組の一人。痩身の男。クマムシ、ワムシと共に全身に傷を負い、崑崙谷の村へと潜入。幻王の命令に従い、ユウキを連れ去ろうとした。
 正体を明かした後、ケンシロウとのバトルに。死人巴陣で、ワムシと共に上空から襲いかかったが、北斗内破功で反撃され爆死した。


ゼルマ
 幻王ダルダの副官。ダルダへの報告、部下への指令の伝達などを行っている。ナザニエルとの決戦時には、ダルダの命によって近隣の村人達を捕らえ、ケンシロウの動きを封じるための人質とした。だがその作戦が崩壊した後、ケンシロウにやられて爆死した。


ガレル
 幻王軍先鋒隊の隊長。数千人の部下を率い、ナザニエルに向かう崑崙谷の一団を包囲。ユウキを渡そうとしないケン達を皆殺しにしようとしたが。救援に駆けつけた闇帝コーエンに首を刎ねられ、死亡した。


バレイ
 幻王軍の将の一人。ダルダから策を授けられ、対エゼル軍の第二陣となる軍を率いて出陣。エゼル教の信徒達を落とし穴へと落とし、麻薬入りの水を噴射することにより、彼等を幻王軍の戦力をへとかえた。


ユーゴ
 幻王軍の将の一人。通称「片目のユーゴ」。重装備隊などを率いてエゼル軍を攻め立てたが、ケンシロウの登場により部隊は壊滅。馬上から巨大な二枚刃の斧を振るう「泰山凱風大斧」で自ら挑むも、二指真空把で止められた挙句、そこから送り込まれた気で全身をねじ折られて死亡。


幻王軍
 幻王ダルダに仕える兵士達。ダルダの催眠術にかけられている。
 幻王の命令でユウキを捕らえようとするも、闇帝軍に阻まれて失敗。だが本隊合流後は数の差で圧倒し、闇帝軍を壊滅へと追い込んだ。
 ナザニエルへと侵攻した際、みすぼらしい敵軍の姿を嘲け笑うが、死を恐れない信徒達の攻めに恐怖して敗走。その後、ダルダの幻術によって自分達は不死だと思い込まされ、信徒たちと同様の力を得るが、ケンシロウの圧倒的な強さを目の当たりにして再び敗走した。ダルダ死後、完全に戦意を喪失して逃亡。


幻王に操られた人々
 幻王軍の領土に住む人々。幻王ダルダの集団催眠にかかり、操り人形と化している。長年にわたり幻薬の混ぜられた水を飲まされたため、その幻術が解けることはないらしい。
 ダルダの見せる幻覚によって桃源郷を目の当たりにし、一斉に崑崙谷の村へ。数千人で村へとなだれ込み、食糧を食い漁った。


留守部隊
 ダルダが不在とする間、城を守っていた部隊。攻め入ってきた拳王軍のまえに蹴散らされた。


先鋒隊(vs闇帝軍)
 ガレルをリーダーとする幻王軍の一部隊。武装した数千人の数からなる。ナザニエルに向かう崑崙谷の一団を取り囲んだが、救援に駆けつけた闇帝軍によって蹴散らされ、退却した。


先鋒隊(vsエゼル教徒)
 兵の補充のため、エゼル教の信徒を捕らえる「人狩り」を命じられていた部隊。十倍以上の戦力であったにも関わらず、死を恐れないエゼル教徒の前に大敗を喫し、敗走。そのことをダルダに伝えた将は、首を刎ねられて殺された。


重装備隊
 片目のユーゴ率いる幻王軍の部隊。機関銃を装備したジープや装甲車、火器と兵を満載したトラックなどを備えた、重装備の部隊。エゼル親衛隊を銃器で圧倒したが、ケンシロウの「北斗一指弾」や、"耳"の「崑崙拳爆流暗器」などによって壊滅した。


ダルダの師父
 先代南斗白鷲拳伝承者。ダルダの師父にして実の父親。
幼き頃よりダルダに毎日毒を飲ませ、その身体に猛毒を仕込んだ。そしてその苦しみを、いつか己の拳を蔑んだ南斗に、そして救世の拳と謳う北斗の者達にぶつけるよう言い聞かせた。






ナザニエル


エゼル/ヨハンナ
 コーエンの妹。大戦前は看護婦として働いていたが、死の灰を浴び失明。だがその代償に予知の力と治癒能力を授かり、人々を癒し続けた。その後、三聖者の手により、エゼル教の教祖「エゼル」の座に就任。聖地ナザニエルにて救済を続けていたが、人々の心が荒み行く世に希望を見失い、殉教の道を選択した。
 信徒に殉教を啓示する一方、望まぬ者も殉教の道に巻き込もうとする三聖者のやり方に悩み、自らが予知した救世主・ケンシロウに子供達の救済を委託。だがその後、死を賭した兄コーエンの遺言により、殉教を捨てる事を決断。剣を手にとり、信徒を引き連れて幻王軍へと突撃した。その中で、ケンシロウがダルダの毒に犯されたため、自らの命を捨てる覚悟でそれを治癒。最後はケンシロウの盾となり、ダルダの攻撃をその身に受けて死亡した。


ソーラ
 エゼル教の女司祭。かつて村で凄惨な殺し合いが起こった際、たった一人だけ生き残った女。エゼルと同じ、治癒の力を持っている。

 以前命を救ったコーエンから頼まれ、エリスの砦を訪問。ケンシロウの七つの傷を癒し、八分程度まで快復させた。その後も砦に留まっていたが、コーエンの正体が闇帝だった事を知り、ショックを受けた。
 後にエゼル教の聖地ナザニエルにて、ケン達と再会。教祖エゼルの側近として、共にケンシロウ達をサポートした。


エゼル教徒
 殉教を目的とした新興宗教「エゼル教」の信徒たち。この世界に絶望した者達の集まりであり、エゼル神を崇拝すれば、来世の幸福が約束されると信じている。聖地「ナザニエル」にて、教祖エゼルや三聖者の下、やがておとずれる"まるちり(殉教)"の時を待ち続けている。

 侵攻してきた幻王軍と正面からぶつかりあい、死を恐れないという不気味さで戦力の勝る相手を圧倒。だが幻王軍に捕らえられた一団が、麻薬水によって洗脳されたため、同士討ちによって大量の命が奪われた。その後、エゼルが殉教の教えを捨てたため、今度は「生きるための闘い」として幻王軍と再激突。死への恐怖が生まれた事で戦力は低下したものの、ケンシロウの力によって勝利を収めた。その中で教祖エゼルという存在を失い、哀しみに暮れたが、今後は自分達の力で生を掴むために生きていくことを誓った。


ジオン
 エゼル教の三聖者の一人。かつて医師だった老人。核戦争によって生きることに絶望し、殉教する事こそが救われる道であると啓示。不思議な力を持つヨハンナを教祖エゼルに据え、信徒に殉教を推し進めた。その一方で、殉教に異を唱えるシュレンやケンシロウ達に対しては敵意を向け、村から出て行くよう告げた。
 その後、幻王軍との闘いの中で、信徒に"まるちり(殉教)"をさせている張本人として、コーエンに首を刎ねられて殺された。


ベルツ
 エゼル教の三聖者の一人。かつて科学者だった初老の男。ジエン、ダニエル等と共に、信徒に殉教を推し進めている。
 幻王軍との闘いの中で、信徒に"まるちり(殉教)"をさせている張本人として、コーエンに首を刎ねられて殺された。


ダニエル
 エゼル教の三聖者の一人。かつて軍人だった男。ジオン、ベルツ等と共に、信徒に殉教を推し進めている。捕らえたヒューイ、シュレンと地下牢で対峙し、眉山鉄鎖拳で戦おうとしたが、エゼルの制止によって拳を収めた。
 その後、幻王軍との闘いの中で、信徒に"まるちり(殉教)"をさせている張本人として、コーエンに首を刎ねられて殺された。


ジュスト
 通称・白銀のジュスト。教祖エゼルを守護する親衛隊の隊長。エゼルのために戦い、殉教することを目的としている。ナザニエルを頼ってきた"耳"達を一旦は招き入れたものの、殉教する気がないとして、追い出そうとした。
 幻王軍との決戦の中で殉教するつもりであったが、コーエンの遺言によってエゼルが考えを改めたため、自らもそれに賛同。しかし人質の存在によってケンシロウが動けなくなったため、部下達に人質全員を弓矢で射殺させることで、ケンシロウを呪縛から解放。その罪の責任をとり、剣を喉に突き刺して自決した。


エゼルの親衛隊
 白銀のジュストを隊長とした、教祖エゼルの親衛隊。三百程の騎馬隊から成る。かつて警察官や兵士だった者達であり、エゼル教に入信したときからエゼルのために殉教することを目的にしている。
 幻王軍との決戦で、先陣を切って出陣。人質によってケンシロウが動けなくなった際には、ジュストと命令によってその人質達を全員射殺し、ケンシロウを呪縛から解放した。


ルウ
 殉教を求める両親に連れられ、ナザニエルへと訪れた子供。病にかかって苦しんでいたが、両親達は手出しせず、殉教の時が近いとして放置されていた。その後、ケンシロウの秘孔や、ソーラの治癒能力等によって快復。


先代エゼル
 ヨハンナの前に教祖「エゼル」を務めていた女性。ヨハンナがエゼルとなる少し前に死亡した。


赤子と共に自爆しようとした女
 幻王ダルダの麻薬によって催眠にかけられた信徒の一人。赤子の下に隠した小型爆弾でエゼルを殺そうとしたが、途中で爆発して死亡。しかし赤子は、コーエンの命がけの救助によって守られた。


タルー
 エゼル親衛隊の副隊長。隊長ジュストの命令を受け、幻王軍、人質の隔てなく射殺すよう弓隊に指示を出した。


ナザニエルの長老
 ナザニエルに住まう信徒達の長老。ケンシロウに、エゼル亡き後のナザニエルを引っ張ってほしいと頼み込んだが、断られた。しかしそれでも貴方は救世主にはかわりないとし、いつまでも心の支えとして生きていくと語った。





原作キャラクター


リュウケン
 ケンシロウの師父。回想の中でのみ登場。次期北斗神拳伝承者にケンシロウを指名。その決定に疑問を抱くケンに対し、その意味は自ら考えるが良いと告げた。その後。すぐに死去している。


ユリア/南斗最後の将
 ケンシロウの婚約者。名前だけ登場。安住の地を求めてケンと旅立とうとしたが、シンに連れ去られた。その正体は南斗最後の将。


シン
 南斗孤鷲拳の伝承者。名前だけ登場。ケンの胸に七つの傷をつけ、ユリアを連れ去った。その後、軍閥を率いて覇道に乗り出したことが明らかとなった。


シュレン
 南斗五車星の一人。リハクからの密命を受け、ヒューイと共に、ケンシロウの動向を偵察。その道中、崑崙谷の者達がクマムシに襲われている現場へと遭遇。クマムシを倒して村人達を救った後、彼等と共にナザニエルへと赴いた。
 ナザニエルの異様な様子に違和感を覚え、詮索しようとするが、三聖者達に訝しがられ、牢獄へ。己達をも殉教に巻き込もうとする三聖者と一触即発になったが、エゼル達の制止によって止められた。
 ケンシロウ到着後、一旦は村から姿を消すも、幻王軍との決戦時に再び登場。ケンシロウの危機を見てエゼル軍に加わり、幻王軍を滅殺。救世主の宿命に目覚めたケンシロウの戦いぶりを見届け、姿を消した。


ヒューイ
 南斗五車星の一人。兄シュレンと同じく、リハクからの密命を受け、ケンシロウの動向を偵察している。シュレンの炎でクマムシが死ななかったため、止めをさす係として呼ばれ、その身体を細かく切り刻んだ。
 ナザニエル到着後はシュレンと行動を共にし、ケンシロウが救世主の宿命に目覚めたのを見届けて姿を消した。


リハク
 南斗五車星の一人。名前だけ登場。シュレンとヒューイに、ケンシロウの動向を追うという密命を与えた。


トキ
 北斗四兄弟の次男。名前だけ登場。"耳"に、医学を究めた男として名を挙げられた。かつてケンシロウと散打の修行をしていたとき、一瞬隙を見せたが、ケンシロウが躊躇したために拳を食らわなかった。


ラオウ
 北斗四兄弟の長兄。自らを拳王と名乗り、この世の覇権を握ろうとしている。かつて散打の修行中に、トキを相手に手加減したケンシロウを叱咤した。


拳王軍
 拳王(ラオウ)が作り上げた軍閥。幻王の留守中に、幻王軍の領土へと攻め入り、留守部隊を圧倒した。


聖帝
 拳王と並び、この世紀末に覇を唱える男。名前だけ登場。





その他の人々



導士
 ケンシロウの朦朧とした意識の中に現れた老人。自らを北斗を導く者だと名乗り、ケンに宿命の旅に出るよう告げた。


ディック
 戦前の裁判でザイムに死刑を求刑した検事。恨みを抱くザイムに捕らわれ、折檻ショーの獲物として狩り駆り出された。ザイムのニセ南斗聖拳で身体中を切り刻まれるが、死なない程度にいたぶるというザイムの意向により、命だけは助けられた。


警察署長
 戦前にザイム達を逮捕した警察署の署長。ザイム達囚人に署を襲われ、武器を奪われた挙句、嬲り殺しにされた。


裁判官
 戦前の裁判で、ザイムに死刑判決を下した裁判官。恨みを抱くザイムに捕らわれ、折檻ショーにてじわじわと嬲り殺しにされた。


クマムシが雇った野盗
 幻王軍をクビにされたクマムシが、ケン達に復讐を果たすための戦力として雇った野盗たち。手に武器を持って崑崙谷の村人達を取り囲んだが、クマムシが炎で焼かれたのを見て、逃亡した。


エゼルが住んでいた村の人々
 エゼルの持つ治癒能力を頼って集った人々。エゼルが留守にしている間に、食糧庫の小麦粉が消えた事で狂気に陥り、無差別な殺し合いの末、ソーラ以外の全員が死亡した。


ダルダに奴隷にされた村人達
 幻王軍に捕らえられ、麻薬によって奴隷にされた人々。ケンシロウに手出しできなくするための人質として使われた。だがその後、ケンシロウを呪縛から解放させんとする白銀のジュストの判断により、全員弓矢で射殺された。