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[第34話]
トキよ!お前は
天使なのか悪魔なのか!!


 水や食べ物を求めて旅を続けるキャラバン。その中の一人、ユウは、砂上でけたたましく吠え続けるぺルの姿を目撃した。ぺルが吠える方角にに、ユウが見つけたもの、それは、砂の中に埋もれたリンの姿であった、ユウの必死の呼びかけに、昏睡状態のリンは微かに反応するが・・・

 トキの配下の一人ゴウムは、新たな木人形を捕まえて、トキの元へと帰還した。かつてボクシングのヘビー級チャンプまで上り詰めたというその木人形の筋肉にトキは大満足。だが、男は突如その身を震わせたかと思うと、腕を捕らえていた鎖をぶちこわし、側にいたトキの部下達を殴り飛ばした。悪魔の人体実験を続けるトキを抹殺するため、男はわざと捕らえられたのである。時速200km、1トンの岩をも砕くという自慢のパンチで、トキに襲いかかるボクサー。しかし、トキの強さは男の想像を遥かに超えていた。逆にカウンターで額の秘孔を突かれたボクサーは、身動き一つ出来ない木人形と化してしまったのだった。そのまま実験室へと運ばれたボクサーに、早速秘孔の実験を開始するトキ。成功すればパンチスピードが倍になる。そう言って深々とその指をボクサーの肩へ突き入れるトキであったが、結果はただ肩が破裂しただけという大失敗に終わった。頑丈な木人形が欲しい・・・自らが認める最高の木人形・ケンシロウの到来を待ちこがれるトキ。ケンがもうすぐ木人形狩り隊のハブがいるゴビアの街に着くだろうとの報を受けたトキは、早速ゴウムにも出撃命令を下した。

 木人形狩り隊のハブとギュウキは、ゴビアの街にある酒場で早速木人形狩りを開始した。ギュウキとの力比べに勝てば、一ヶ月分の食料をやろう。そう客にもちかけ、木人形となるべき獲物を探すハブ。とその時、ハブの目が一人の男を捉えた。それは、奧のテーブルに一人で座っていた男、ケンシロウであった。ハブの勧誘を受けたケンは、それをあっさりと承諾。しかし、ケンが要求したのは、食料ではなく、彼等木人形狩り隊の命であった。

 勝負の題材としてハブが用意していたのは、腕相撲であった。しかし、その台の上でケンが手を組んだとき、その勝負は真の姿を現した。ハブが台のボタンを押すと、突如腕相撲の台から回転するノコギリが飛び出したのだ。負けた者はそのノコで手を切断されてしまうという残虐極まりないルールだったのである。しか、ケンに動揺など無かった。腕相撲の開始の合図とともに力を込めるギュウキ。しかし、そのトキの秘術で数倍になった力も、ケンシロウという化物の前には全く通用しなかった。限界以上の力を込めたギュウキは、己の力に負け、腕の骨を折って敗北したのだった。

 痛みに泣き叫ぶギュウキを棒で殴り倒したハブは、今度はケンの敏捷性を確かめるため、長い棒を使って襲いかかってきた。トキによって常人の数倍の跳躍力を得たというハブは、野猿牙殺拳にて室内を飛び回り、ケンに襲い掛かろうとする。しかしそのスピードでもケンの動体視力から逃れるには至らなかった。死角から攻撃したつもりが、見事に裏拳でのカウンターをとられ、吹っ飛ばされるハブ。怒ったハブは木人形として捕らえることを諦め、この場でケンを殺すことに決定。長棍を使い、闘いにおいて死角となる敵の頭上をとったハブは勝利を確信する。だが、いざ飛びかかろうとしてもハブの手は棒からはなれようとはしなかった。既にケンは秘孔を突き、ハブの手の自由を奪っていたのである。逆に木人形状態と化してしまったハブは、石柱にぶつけられるなどして徹底的に痛めつけられた後、己が闘っていた相手が北斗神拳伝承者ケンシロウであることを教えられたのであった。

 ゴウム率いる木人形狩り隊は、ケンシロウを捜すためにゴビアの街へとやってきていた。しらみつぶしに村を捜索しようとするゴウム達。しかし突如酒場の中から悲鳴が上がったかと思うと、そこから出てきたハブの部下達が次々と爆死し始めた。そして最後に出てきたのは、棒に捕まったまま動けないハブを抱えたケンシロウであった。ハブを助けるため、そしてトキにケンシロウを木人形として差し出すために、ケンシロウに宣戦布告するゴウム。俺達は皆トキの秘術によって超人の力を得た。おかげで何もかも思い通りだ。そう言って北斗神拳の名を汚すゴウム達に、ケンの怒りが爆発した。

 先鋒の投擲隊が放った六つ刃の円盤を粉々に打ち砕いたケンは、続けざまに部下達全員を相手に戦闘開始。秘術によって得た能力で様々な攻撃を仕掛けるゴウムの部隊であったが、闘神の化身となったケンシロウの前には雑魚に過ぎず、あっという間に北斗翻車爆烈拳にて殲滅されてしまった。残されたゴウムは、槍を使い、猛烈なスピードでケンに突撃してきた。ゴウムはトキの秘術によって常人の数倍のダッシュ力を得ていたのである。一発目を交わされたゴウムは、今度は部下3人を加えた4人で一斉攻撃を仕掛けようとする。しかし、跳躍したケンに4人の槍は虚しく空をり、更にケンの指先は見事に4人の秘孔を捉えた。

 槍を折られ焦るゴウムに槍を向けてきたは、己の部下達であった。秘孔 甲不を突かれた部下達は、その目にゴウムしか映らない状態になっていたのだ。ならばと得意のダッシュを使って逃げようとするゴウムだったが、その足はまるで前には進んではくれなかった。彼のダッシュ力は、ケンの秘孔によって、常人の百分の一にされてしまっていたのである。ノロノロと逃げるゴウムに歩いて追いついた部下達は、その切先をゴウムに刺突。そして最後に待っていたのは、やはり秘孔による爆死であった。

 リンを探す手がかりが全くないバットは、怪しげな骨占いでリンを捜索する方角を決め始めた。占いに半信半疑なレイとマミヤを乗せ、バギーは再びリンを探す旅へ。その頃、当のリンは、キャラバンのキャンプ地で目を覚ましていた。あてのないリンは、そのままユウ達の旅に同行する事を決め、新たな旅へと出発。その旅の中でケンと会える可能性を信じながら・・・

 トキの耳に、木人形狩り隊が全滅したとの報がもたらされた。だがアミバは悔しがることはなく、己の木人形が最高傑作に仕上がっていることに嬉しさを覚えるのだった。
放映日:85年7月4日


[漫画版との違い]
・ユウがリンを発見して救助し、そのままリンが移民に加わるイベント追加
・ハブたちが行っている街が「ゴビアの街」と命名
・木人形(ボクサー)を連れてきたのは原作ではハブだが、アニメではゴウム
・ボクサーが最初に放ったパンチでアミバのイスを破壊(原作はイスから遠い)
・原作でギュウキとの腕相撲に負けた「かつてプロレスラーを絞め殺したことがある奴」は登場せず
・ギュウキに対して「さあ来い、ハゲ」が「きな、ウミボウズ」に
変更

・ゴウム&ゴウムの部隊との戦闘追加
・バットが骨占いでリンを探すシーン追加



・なんのボタン?
ハブが用意した例の「電動カッター飛び出し式腕相撲台」。アニメではあれに3つのスイッチが付いていました。ハブが真ん中のスイッチを押すとあのカッターが飛び出したんですが・・・残る脇の2つのボタンは一体何なのだろうか?暗室用に電気がつくとか?
・骨占い


リンの行方を占うために骨占いをするバット。なのだが、
←これが出たら何でこっち(図の矢印参照)なのか。
ちゃんと考えて言ってるか?




・ゴウムの部隊
アニメスタッフ最高の悪戯ともいえるこやつら。その所行を全部公開しよう
尚、野球やってる奴はよく見ると阪神ヨロシクな縦縞模様である。(ギャリソン・猩々 殿情報ドモデス)



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