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[第131話]
馬上の勇士ロック!
俺はケンシロウを信じない!!


 ラオウの意志を継ぎ、この国を救う。そう決意したケンシロウであったが、この国に語り継がれるラオウの名は余りにも大きかった。あんたが来た所為でチェーンは死んだんだ。ケンが名を名乗った瞬間、コセムはそうケンに喰ってかかった。この国が求めていたのは、ラオウであってケンシロウではない。コセムのその姿は、この国の総意を体現していた。遺体を炎で弔った後、気を失ったコセムを抱え、ケンは孤独の荒野へと歩き出す・・・

 ラオウ伝説崩壊を機に、修羅達は反乱分子の粛清を開始していた。次々と村を襲い、村人達を収容所へと送る修羅達。その町が炎に包まれる様を、リンとシャチは遠くの崖の上から見つめていた。強い者が弱い者を虐げ殺す。この国の悲しき現実は、リンに家族が殺されたあの時の事を思い出させていた。そして同時にリンは思った。シャチには守るべき大切な人はいないのかと。その問いを笑いとばし、改めて己の野望を掲げるシャチであったが・・・

 砂塵の中ケンが訪れたのは、同じように修羅に壊滅させられた村であった。死体転がる凄惨な光景を前に、立ち尽くすケン。その時、馬の蹄の音と共に7人の男達が姿を現した。惨劇の跡を眺める彼等の目は、ケンと同じ哀しみに包まれていた。投げ渡したポケットフラスコで彼等を弔うようケンに頼み、男達は再び砂塵の中へ姿を消したのであった。

 反乱分子狩りの手は、レイアの住む町にまで伸びていた。知らせを受けたレイアとタオは、いち早く私塾を脱出したものの、厳戒態勢の中で隠れ続ける事は不可能であった。遂には見つかり、レイアに修羅の手が迫る。だがその時、修羅の体はその場に崩れ落ちた。何処からか姿を現したボロが、修羅の背にナイフを突き立てていたのだ。ボロに誘導されるがまま、地下水路を下って町を出たレイア達は、やがてジュウケイの住む聖地の沼へと逃げ伸びたのだった。だがレイアが礼を言おうとしたその時、既にボロは姿を消していた。物陰からレイア達を見つめるその仮面の下にあったのは、かつてのレイアの恋人、シャチの姿であった。

 コセムが目覚めたのは、己の家のベッドの上であった。己をここまで運んだ男がケンシロウである事を、コセムはすぐに理解した。しかし、それでもコセムはケンを許すことは出来なかった。とその時、コセムは村人達の異変に気がついた。昨日襲っってきた修羅達によって、村の男達は皆連れ去られてしまったのだというのである。

 峡谷を走る少年ヨハンの手には、猟銃が握られていた。修羅に連れ去られた父親を取り戻すため、たった一人で村を飛び出したのである。しかしその行く手には二人の修羅が待ち構えていた。銃に全く臆することなく、あっさりとヨハンをねじ伏せた修羅達は、そのままヨハンを踏み潰そうとする。だがその時、馬の嘶きと共に一頭の白馬が現れた。その背に人に姿は無かった。しかしその腹の影には、一人の男が潜んでいた。不意を突き一人を倒した男は、残る一人も二連投したナイフでその身を捉え、懐への一突きで決着をつけたのだった。彼の名はロック。ヨハンと顔馴染みであったその男は、廃村でケンと出会った男達のリーダーであった。

 村に戻ったロックが見たものは、傷ついた父コセムの姿であった。そしてそのコセムの口から語られた事実に、ロックは愕然とした。弟チェーンが死んだ事。救世主と信ずるラオウが既に死んでいる事。そしてこの国に来たのは、そのラオウを倒したケンシロウなる男である事。ロックは、今までラオウと共に戦うために腕を磨いてきた。そして赤い水を見て、やっとその時が来たのだと信じて帰ってきたのである。そして今またロックには哀しい別れの時が迫っていた。ラオウ様はいつまでも我々の心の中に生きている。そう言ってコセムは、あの約束のペンダントを形見に残し、静かに息を引き取ったのであった。ロックの腹は決まっていた。ラオウ伝説は俺が引き継ぐ。仲間達と共に、父の墓の前でそう誓うロックは、手始めにまず拐われた村人達の解放を目指す・・・

 収容所では修羅の稽古台と称した村人達の処刑が行われていた。しかしその惨劇を中断させたのは、煙幕と共に現れた7人の男達であった。馬の背で武器を巧みに操り、凄まじい勢いで修羅達を薙倒していくロック達。「俺達は、ラオウの軍!」そう叫び、隊長である大入道に挑むロックは、巧みに攻撃をかわし、宙へ。真上からの攻撃に対応することが出来ない大入道は、その背と首を切りつけられて絶命するのだった。

 解放され、歓喜に沸く村人達。しかし修羅の力はそれほど甘いものではなかった。続いて地面の中から姿を現したのは、特殊装甲に身を固めた巨大な修羅、シエであった。交牙断随と呼ばれるその両手の刃で、次々と村人達を切り裂いていくシエ。爆風で怯ませた隙にバズーカで杭を打ち込むロック達であったが、シエの厚い装甲を貫く事は出来なかった。打つ手無く追い詰められるロック達。しかしその時、一人の男が助太刀に現れた。その男は廃村でロック達が出会った男、ケンシロウであった。

 その巨体からは想像もつかない素早い攻撃で、ケンシロウを攻め立てるシエ。しかし壁際に追い詰めたと思った瞬間、ケンの姿はシエの背後へと移動していた。指先一つで壁へと吹き飛ばされたシエは、起き上がった次の瞬間、その身を肉片へと変えられていたのだった。男がケンシロウである事を悟ったロックは、父と同じく、ケンシロウへと噛み付いた。お前の手助けなど要らない。二度と俺達の目の前に現れるな。それはロックからの、そしてこの国からのケンシロウへの決別の言葉であった。

 立ち寄った村の人たちは、ケンの姿を見るなり建物の中へと隠れてしまった。それはロックと同じく、ケンシロウを受け入れないという民衆の心の表れであった。この国にとってケンシロウは救世主ではなく、ただラオウを殺した男という存在でしかなかったのであった。

 ハンの遺体が流れ着いたのは、第二の羅将ヒョウの居城であった。赤き水に浸けた真紅の喪旗を部下に掲げさせ、友の死を悼むヒョウ。わが敵はケンシロウ。ヒョウの目に宿りしは、ハンの仇であるケンシロウへの復讐の炎であった。
放映日:87年9月17日


[漫画版との違い]
・シエとケンとのバトル、ハンの遺体がヒョウのところに流れ着く以外はほぼアニメオリジナル。
・原作のコセムはブロンのブーメランで殺されるが、アニメではその後も生存。ブロン死後にケンに食って掛かり、その後気絶して自分の村へと運ばれ、そこで死ぬ。
・シエvsケンは、原作では不帰の谷だが、アニメでは収容所
・原作でシエが自滅した地面の仕掛けは無く、秘孔を突かれて死亡した。


・荒野の七人
今回から3話にかけて登場するロック達荒野の七人。彼等はコセムの、そして修羅の国に住む人間達の代表であり、ラオウ一色だった彼等が徐々にケンシロウを認めていく様を、修羅の国の総意として描かれているのだと思う。まあそのあと直ぐその人はメタメタにやられるわけですが。
・枯れた大地 再び
南斗の城での無想転生以来のこの曲。どちらかというと今回のほうがタイトル的にもあってるような気がします。ちなみに前回流されたときは普通に一番が流れたんですが、今回は一番と二番の複合でした。何故なら一番には「ユリア 風になれ」という歌詞がはいってるから。流石に今回は全くユリア関係ないしね・・・
・後妻
 コセムの妻はロックが若い頃に殺された若妻なはずですが・・・・
最期に立ち会ってるこの女性は誰だ?後妻なのか?
後妻は普通におばちゃんなんですね・・・


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