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コウリュウ



登場:原作(98〜99話)TVアニメ版(69〜70話)
肩書:かつての北斗神拳伝承者候補
流派:北斗神拳
CV:柴田秀勝(TVアニメ版)
   木村雅史(激打2)
   矢部雅史(DD北斗の拳)
   坂本頼光(DD北斗の拳2)
   藤原貴弘(リバイブ)

 かつてリュウケンと共に北斗神拳伝承者の座を争った男。リュウケンを上回る拳を持っていたが、伝承者の座を辞退し、拳を封じて隠遁。伝承者争いに敗れた者達が眠る洞穴を守るために山に引き篭もった。ゼウス、アウスという二人の息子がいる。従者としてゼンギョウが仕えている。

 ラオウより傷の回復をはかる相手として選ばれ、洞穴内にて立会い。拳を交えた瞬間にラオウの脅威を実感し、相討ち狙いの奥義である七星抹殺にて拳を封じようとした。しかし復活した剛拳の前に奥義を出すことすら叶わず、連打を叩き込まれて敗北。ラオウ、トキケンシロウの非凡な三人が同じ時代に生まれた事を憂い、もし別の時代に生まれていたなら、各々が名に恥じぬ伝承者になっていたであろうと語りながら絶命した。


 TVアニメ版では、北斗神拳伝承者の座を退いたのは「一子相伝の掟という理由で友を殺すということに疑問を持ったから」と自ら説明していた。また、ゼンギョウに命じてラオウの動向を探らせ、有事の際には山を降りるよう息子達に告げるというシーンも描かれている。




 洞穴内で黙々と木彫りに勤しむロンゲパーマのヒゲジジイという、冷静に考えると相当ヤバい感じの人。しかしそのヤバさは拳のほうには現れることなく、ラオウとは至極全うなバトルを繰り広げてしまった。これはいけない。「来る頃だと思っていた」という台詞から見て、ラオウが菓子折りも持たずに訪れることは事前にわかっていたはずであり、かつ自分のホームグラウンドでのバトルになることも察しがついていたのだから、もう少し対策を準備できたのではないだろうか。相手はリュウケンをも超えた世紀末覇者だ。引退した引き篭りのジジイが勝てるはずが無いではないか。もし本気でラオウの野望を止めたいと思っていたのなら、落とし穴なり仕掛け罠なり用意しておくべきだったのではないか?それとも元拳法家として、史上最強の男との戦いの中で華々しく散りたいという思いでもあったのだろうか。引き篭もりの考えそうなことである。

 この甘さ、というか戦いに対する姿勢は、どちらかというとケンシロウに近い。そしてそれこそが、コウリュウが伝承者争いから身を引いた真の理由なのかもしれない。ジャギの言う通り、甘いやつは北斗神拳伝承者には向いていない。たとえ実力ではリュウケンより上でも、幼い子供を崖下に叩き落せるような非情な心を持ったあのハゲジジイのほうが北斗神拳伝承者にはふさわしいと、コウリュウは考えたのではないだろうか。