
サザンクロスの街までやってきたリンとバット。2人はケンの生存を半ば諦めかけていたが、リンはそれを認めようとはせず、頑としてその場を離れようとはしなかった。ケンは死んだんだ。受け入れねばならない辛い現実をリンに悟らしめようとするバット。しかし次の瞬間、バットは、その自分の考えが間違いであることを知った。朝の光の向こうから歩いてきたのは、間違いなく生きたケンシロウの姿だった。ケンとの再会を心から喜ぶ二人。しかし、ケンの顔はまた直ぐに厳しい表情へと変わった。目の前に迫った宿命の戦いが、ケンの血を沸き上がらせたのだ。そしてケンとシンにとって長すぎる一日が始まった。
城の中に残っていたシンの親衛隊員達を北斗旋風連撃で蹴散らしたケンは遂に宿敵・シンの元へと辿り着いた。一年ぶりに宿敵の姿を目にし、再燃する怒りと感動に身を震わせるケン。そして恋人・ユリアとの再会は、辛い旅の傷をすべて癒すかのようにケンを安堵させた。だがユリアは、ケンの呼びかけにも眉一つ動かすことはなかった。ユリアはお前のことなど忘れたのだ。哀しき現実をケンに告げるシン。しかし、ケンの目には涙が溢れていた。ユリアが生きていた・・・ケンにとってはそれだけで十分であった。
とその時、突如ケンの背後からシンの部下が襲いかかってきた。だが宿敵との対決で神経を研ぎ澄ましているケンに攻撃が当たるはずもなく、闇討ちは失敗。万策尽き、追いつめられるシン。だが、シンの勝利への執念は信じられない暴挙を生んだ。ケンを強くした執念。その元であるユリアを消せば、ケンの執念は半減する。そう考えたシンは、迷うことなく愛するユリアをその手にかけたのだ。崩れ落ちるユリア。勝ち誇るシン。だがその行為は、執念をも越えるケンの怒りを爆発させてしまう結果となった。
シンもケンシロウと同じく心からユリアを愛していた。しかしユリアの中にはいつもケンシロウがいた。だからシンはサザンクロスを造り、富と権力と名声を得てユリアに振り向いて欲しかったのである。だがユリアの死んでしまった今、全ては虚しい物と化してしまったのであった。| [漫画版との違い] ・ケンの身を安否するリンとバットのもとにケンが現れるシーン追加 ・バット城の中についてこない ・KINGの親衛隊とケンが戦うシーン追加 ・原作ではシンの前にハートが登場するが、アニメでは既に死んでいるためなし。 ・ユリアを貫いた際、原作では椅子も貫通したがアニメではユリアのみ。 ・一年前と同じく、北斗飛衛拳と南斗獄殺拳でぶつかりあうシーン追加 ・シンの肩当てが壊れた理由が北斗飛衛拳を受けたからに変更 ・十字斬 残りの命1分→3分 ・ユリアが飛び降りた理由は「シンがサザンクロスを完成させたから」でなく「シンがサザンクロス以上の都作ろうとしたから」 |
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