
ての責任を運転手達に擦り付け、彼等を殺そうとする。だがその時、どこからともなく飛んできた空の缶詰がケマダの目を覆うように突き刺さった。缶詰がポロリと落ち、視界の戻ったケマダの目に映ったのは、怒れるケンシロウの姿であった。トラックの爆発音は、ケンの耳へ届いていたのだ。
そんなリンに、独りの女性が話しかけてきた。この村の女リーダー、マミヤであった。リンとの会話を終え、立ち去ろうとするマミヤ。その彼女の顔を見て、ケンは驚愕の表所を浮かべた。彼女の顔は、あの恋人・ユリアに瓜二つであったからだ。そんなことなどまるで知らないマミヤは、初対面のケンにまず名を問うたかと思うと、次の瞬間、突然持っていたヨーヨーを投げつけて来た。牙一族を倒したというケンシロウの実力を試そうとしたのである。しかし、並みの男なら頭を割られているその刃付きヨーヨーも、ケンとってもオモチャにすぎなかった。アッサリ指2本でヨーヨーを止めケンの実力を「なかなか」と評し、マミヤはその場を後にしたのだった。
 まずこの男を倒さねば村の占拠は成し得ない、そう思った牙一族は、華山群狼拳にてケンへの襲撃を開始した。しかし間髪入れずに飛びかかるその攻撃も、ケンの北斗翻車爆裂拳の前に敗れ去り、あっという間に牙一族の部隊は全滅。その模様を村の外から眺めていたケマダは、兄弟達の死に涙し、復讐を誓って帰っていくのだった。
 そこより少し離れた荒野では、一人の女が盗賊達に追われていた。女の美しさに興奮状態のその男達は、自分達の言うとおりにしていれば食料をやると女を説得。しかしそれを聞いたその女は、突如身に纏っていたマントをはぎ取って正体を現した。マントの下にあったのは、水色の髪をした美しき男であった。その男・レイは、女の恰好をすることで飯のタネとなる者達をおびき寄せていたのだ。自分達を食料を運んでくるゲスとなじられた盗賊達は、いきり立ってレイに襲撃。しかし彼等はレイの使う拳によって次々と体を切断されていった。その拳は、あのシンと同じ南斗の拳の一つ、南斗水鳥拳であった。残されたリーダーは自ら不敗と称する十字剣ヌンチャクにて攻撃開始。しかし、気が付いたときには、男の両腕はそこに無かった。レイの拳の速さは、男の想像を超えていた。切り落とされた両腕を投げつけられ、パニっくに陥る男。そんな彼に対し、レイがとった行動、それは男の胸をあらためることであった。レイの旅の目的、それは、「七つの傷の男」を探しだすことだったのだ。男が目的の男で無いと知ったレイは、七つの傷の男に関する情報を尋ねた後、男を惨殺。男の懐に入っていた食料をかじりながら、レイは改めて己の執念の炎を燃やした。七つの傷の男を捜し出すまではなんとしても生き延びねばならない、と。| [漫画版との違い] ケンがマミヤと出会うシーン、レイの登場シーン以外はほとんどアニメオリジナル  | 
        
       
          
 
 
 
 
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