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ジャッカル編
(17話〜25話)
 オアシスへと戻ってきたケンの前に、タキという名の少年が現れた。かつてバットと同じ村で暮らしていたというその少年は、村の井戸を掘れる男手を探し、砂漠を旅して来たのであった。早速バットの村へと向かうケンシロウ達であったが、その場には、ケン達の会話に聞き耳を立てていた一人の男が居た。

 村でケン達を出迎えたのは、バットの育ての親であるトヨであった。彼女は、水の枯れた村に残り、一人で孤児たちを育てていた。そして、己の分の水も全て子供たちに分け与えていたのだった。そんなトヨの体を心配するタキは、その夜、隣の村に水を盗みに行き、殺されてしまう。僅かな水の為に汚れ無き命が奪われる時代・・・。ケンの怒りと哀しみを込めた拳は、水脈を覆っていた岩盤を砕き、村には水が戻ったのであった。しかしその様子は、崖の上の集団に全て目撃されていた。リーダーの男の名はジャッカル。オアシスでケンシロウ達の会話を盗み聞きしていた男であった。

 ケンが村を離れるのを見計らい、あっという間に井戸を制圧するジャッカル。銃で歯向かおうとするトヨを制したジャッカルは、見せしめとして子供達を処刑しようとする。だがその時、トヨの銃声を聞きつけたケンシロウが村へと戻ってきた。ハナからケンシロウを相手にする気の無いジャッカルは、子供たちにダイナマイトを仕掛けて逃亡。そしてトヨは子供を庇い、その身に爆風を受けてしまう。母の最期に咽び泣くバットの哀しみを受け、ケンはジャッカルたちに復讐の炎を燃やすのであった。

 ジャッカルの右腕であるフォックスを捕らえたケンは、秘孔により、一味のアジトの場所を自白させる。ビレニィプリズン。それは、かつて凶悪犯ばかりを集めた刑務所、その跡地であった。帰還したジャッカルは、届けられたフォックスの死体を目にし、既にケンシロウに先回りされていることを知る。だが彼には奥の手が残されていた。地下牢に幽閉された悪魔の化身、デビルリバース。過去700人を殺し、懲役200年の刑を受けたその男は、数十メートルもの体躯を持つ巨人であった。

 生き別れの兄だというジャッカルの嘘に騙され、ケンシロウに襲い掛かるデビル。その巨体から繰り出される羅漢仁王拳の威力に押されるケンシロウであったが、転龍呼吸法により潜在能力を引き出したその体には、もはやデビルの攻撃は通用しなかった。北斗七死星点。極限にまで力を高めて秘孔を突くという奥義によって肉体を砕かれるデビル。最後までジャッカルの嘘に騙され続けたデビルは、「兄」とともに、ダイナマイトによってその身を吹き飛ばされたのであった。



・ジャッカルという男
映画「マッドマックス」の敵の親玉トゥーカッターをモデルとしたジャッカルは、その狡猾さやゲス具合までもモデルとそっくりな外道キャラとして登場しました。ケンシロウとは戦わないというその信念とも言える処世術は、北斗の拳という作品に新たな風を吹き込んだとも言えます。
最終的には惨めな最期を迎えるジャッカルだが、彼は作中で最も「惜しかった」人物と言えるだろう。なにしろ
トヨの銃撃の音さえ聞こえなければ、あのまま水場を占拠してジャッカルの「完全勝利」だったのだ。ケン達とは数十台のバイクの音も届かないくらい離れていたわけだし、トヨが銃を持っているという情報も無かったので、ジャッカルには全く落ち度は無かった。彼がケンシロウに負けたのは、運が悪かっただけなのだ。圧倒的な力を持ちながらも、変なこだわりをもってケンを生き長らえさせたことで敗北したカイオウやサウザーらよりも、あの程度の実力で後一歩まで勝利に近付いたジャッカルこそが、ケンシロウと最も善戦した悪役だと言えるだろう。
・デビルの体長
デビルリバースの顔がケンシロウの約2倍くらいあるので、顔だけで185cm×2=370cm。
デビルが7頭身くらいだとすると、370cm×7。つまり
デビルリバースの身長は約26メートルとなる。
ちなみにイチゴ味ではフドウ5個分と言われているので、225cm×5=11メートル弱ということになる。これでは少し小さすぎる気もする。まあイチゴのフドウ自体けっこうデカめな気がするけど。
・デビルをどうやって捕えたのか
あのガタイを持ち、そして羅漢仁王拳まで身につけている巨人を、どうやって投獄することが出来たのだろうか。どれだけの人数を動員しても取り押さえることなど無理だろうし、体躯から考えても麻酔薬など全然効かなそうだ。それこそラオウ様級の助っ人でもいない限り確保する事など不可能だろう。
もしかしたらデビルは、
ああ見えて結構おとなしい性格だったのかもしれない。案外暴れたりせず、素直に出頭に応じたのではないだろうか。母親の言う事は素直に聞いていたようだし、彼に死刑執行しようにも彼自身の協力がなければ無理だろう。そもそも彼が羅漢仁王拳を身につけているということは、真面目に修練に励んだ時期もあったということで、常日頃からウルトラ怪獣が如く暴れまわっていたわけではないということだ。作中に登場した際に凶暴になっていたのは、単純に数年間も暗闇に閉じ込められて精神を病んでいただけであり、本来はわりかし柔和な性格であったのかもしれない。700人を殺害したというのも、寝返りで潰しちゃったとかの不慮の事故の積み重ねなのかもしれないし。
・ビレニィプリズンの闇
かつて凶悪犯のみが投獄されたというビレニィプリズン。しかし地下牢に囚われていたデビルリバースが天井を突き破って飛び出したその先にあったのは、野球場であった。しかも5万人収容クラスのかなり立派な球場だ。銀傘っぽいものが備え付けられている事から甲子園球場のようにも見える。囚人たちが昼休みにスポーツをすることもよくあるが、流石に凶悪犯の為にこの規模の球場を用意することはないだろう。つまりビレニィプリズンでは、囚人たちが捕らわれている地下の監獄の上で、普通にプロ野球の試合が行われていたという世にも奇妙な施設であった可能性が高いのだ。

【TVアニメ版での主な変更点】
ジャッカル一味が、KING軍の傘下という設定に変更されている。そのため、ジャッカル達が倒されるのとKINGと戦う順番が原作と逆になっている。
ジャッカル一味に「ウォリアーズ」と名前がつけられている。
タキがケンを訪ねてくるのが、オアシスのジョニーのバーではなくなっている。トヨ死亡後にジョニーが村の子供を預かることもなく、子供たちはバット達とともに村で待機。
タキが水を盗みに行く際にバットも同行。二人ともケンに助けられるため、その後もタキは存命。
ジャッカルの部下に北斗断骨筋を炸裂させるシーンがカット。故に元祖の「あべし」は登場しない。
ジャッカルが南斗爆殺拳でケンシロウと戦うシーン追加。その後、殺されそうになったところをジョーカーに救われ、デビルの母の写真を託される。(原作では囚人時代にデビルから盗んでいた)。
トヨの村の子供たちは原作ではマミヤの村で暮らすことになるが、アニメでは親たちが村に戻ってきたため、そこで共に暮らすようになったと思われる。
サザンクロスでのユリアの付人としてサキが登場。

≪GOLAN編 牙一族編