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拳王侵攻隊編
(61話〜72話)

 その拳も野望も強すぎた男、ラオウ。拳王と名乗り、覇を唱える彼の軍団「拳王軍」は、この世紀末の世を席巻していた。その拳王軍の侵攻隊が、アイリ達のいる村へと迫っている事を知ったレイは、一足先に村へと向かう。一方、夜空を見上げるトキは、北斗七星の横に輝く蒼星、「死兆星」を見ていた。それが見える者には、その年のうちに死が訪れるという。死の灰を浴びたトキの命はもう永くはなかった。だがその星は、マミヤ、そしてレイの頭上にも煌いていた。

 村は既に拳王侵攻隊に制圧されていた。村人たちが拳王への忠誠を誓う焼印を強制される中、頑なにそれを拒むリンは、自ら死を選ぼうとする。だがその危機を間一髪で救ったのは、レイであった。怒りに震えるその拳で侵攻隊を次々と切り裂いていくレイ。しかしその時、遂に拳王が姿を現した。ラオウの闘気に気圧されるレイは、自らの命を賭けた相打ちの拳、断己相殺拳で決死の攻撃を繰り出す。だが到着したケンシロウが目にしたのは、深々と秘孔を突きたてられたレイの姿であった。秘孔 新血愁を突かれたレイの命はあと3日・・・。死に怯え嘆く武芸者達の恐怖が、拳王の名を伝説にする。それがラオウの目的であった。

 闘いの中で成長したその拳で、ラオウと渡り合うケンシロウ。だがトキは、その戦いを制止した。闘気とは非情の血によって生まれるもの・・・。だがラオウとケンシロウでは非情さの桁が違っていた。ラオウは、自らの拳を封じようとした師父リュウケンをもその手にかけていたのであった。自らの拳をケンシロウに伝えるため、トキは秘孔でケンシロウの動きを封じ、ラオウとの戦いに臨む。その静水が如き柔の拳で、ラオウの剛拳と互角以上に渡り合うトキ。だがラオウは突如戦法を変え、両者の足を剣で串刺し、持久戦へと持ち込んできた。それは、病を患ったトキの敗北を意味していた。もう戦えるのは自分しかいない。そう思い、ラオウに向けてボウガンを構えるマミヤ。だがそれを止めたのは、レイであった。彼にとってマミヤは、己に愛というものを教えてくれた大切な存在となっていたのである。レイの懇願空しく、放たれた矢を自らに向けて投げ返されるマミヤ。だがその時、間一髪でマミヤを救ったのは、ケンシロウであった。
リンが流した涙・・・幼き穢れ無き心が、ケンの魂を震わせ、トキの秘孔縛を打ち破ったのであった。

 ケンシロウとラオウ。互いの全てを賭けた勝負に、無血の戦いはありえなかった。肉を切らせ骨を断つ激闘が、二人の身体を鮮血で染め上げていく。そして渾身の一撃が互いの肉体に突き刺さったその時、二人は相手の拳の成長を認めると共に、全ての力を使い果たしたのであった。今日が終わりではない。今日が貴様と俺の戦いの始まりなのだ。そう言い残し、ラオウは愛馬 黒王号と共に荒野へと去ってゆくのだった。



・ラオウもあなた(マミヤ)と会ったらさぞやびっくりするだろう
実際は全然ビックリしてなかったですね・・・
北斗三兄弟はみんなユリアを愛していましたが、もしかしたらラオウ様はその中でも一番ユリアの「慈母」に心打たれた人物だったかもしれない。幼きユリアに傷の痛みを和らげてもらった際、その慈母の力に惹かれたからこそラオウ様はユリアを愛したが、ケンシロウやトキはどっちかというとユリアの容姿や性格から入ったのではないかと。だからケンやトキはユリアのそっくりさんであるマミヤを見て驚いたが、
ユリアの慈母要素を重視するラオウ様は全然マミヤに反応しなかったのではないだろうか。ラオウ様が仮面を被ったトウをすぐに偽者だと見抜けたのも、やっぱり彼女から慈母臭を感じられなかったからなのかもしれない。
・死兆星
死兆星は「蒼星」です。
なんかよく赤色で描かれてる事が多いので皆様も注意してください。
・デカいババァの名は
かつて北斗の拳のケータイ公式サイト『公式!北斗の拳DX』というものが存在しておりまして、そこで「名無しのキャラクターに名前をつけよう!」という企画が行われました。そこでターゲットにされたのが、皆様ご存知のデカいババァ。超有名なキャラクターなのに名前が無いのは寂しいと言う事で、サイトの運営者たちは巨漢の彼女にあえて「コビト」という名前を用意し、それを持参して果敢にも武論尊氏の下を訪れ、見事承諾を得るという偉業(?)を成し遂げたのでありました。
というわけでデカいババァ=コビトは、原作者公認設定なのです!絶対ぶーさん覚えてないけど!
・レイは弱かったのか?
自らの命を懸けて断己相殺拳を繰り出すも、マント一枚で破られ、指一本で負けてしまったレイ。あんなにも強かったレイが何故これほどの惨敗を喫したのか。それは、レイがラオウを倒すつもりでいたからだ。ケンやトキがいつ駆けつけるかもわからないあの状況では、ラオウと善戦することに意味は無い。可能性が低かろうとも、ラオウを倒すためにレイは勝負を賭けねばならなかった。勝とうが負けようが相打ちになろうが、あの断己相殺拳による一度の攻防で決着をつけるしかなかったのである。ああいう結果になったのは、賭けに負けただけの事・・・。ダンラスから対々三暗刻のロンあがりをスルーしてツモリ四暗刻を狙ったが親ハネにあたってハコテン喰らったようなものなのだ。少なくとも私は、レイには僅かだがラオウを倒せる可能性はあったと確信している。
・マミヤに対しての二指真空把
練気闘座にてラオウ様は言った。「生まれて初めて女を手にかけたわ・・・」。おそらくは万という数の人間を殺めてきたであろう人間が、女だけは殺さずに生きてきたわけだ。ラオウ様にとって女殺しはそれだけ重い行為だったということ。なのに何故、大した意味もなくマミヤを二指真空把で殺そうとされたのか。
おそらく私は、ラオウ様にマミヤを殺す意思は無かったと思う。その理由は、トキがケンシロウの秘孔縛を解かなかったからだ。新壇中は、トキが声をかけさえすれば解除される。ハッキリいっていつでもケンシロウを動かすことは出来たわけだ。しかし、マミヤが今にも殺されようとしているあの場面でも、トキはケンシロウの秘孔縛を解除しなかった。それは、彼女の命が助かること・・・ケンシロウがマミヤを救うことを見抜いていたからなのだ。そしてそれはラオウ様も同様。ケンシロウが自らの力で秘孔縛を脱し、マミヤの盾となる事を確信していたからこそ、女殺しの禁を破りかねないリスクを犯してまでマミヤに矢を投げ返したのである。つまりあれは、
ラオウ様とトキがケンシロウの覚醒を信じていたからこそ行った実の兄弟ならではの阿吽の呼吸だったのである。
・北斗神拳に2対1の戦いは無い
2対1は無いかもしれないけど・・・。レイと戦って、足にボウガンを援護射撃され、更にトキとかなりの消耗戦を繰り広げて足と脇腹に結構な傷を負った後に、休みを挟むことなく戦うのはいいのか?

【TVアニメ版での主な変更点】
シーカーとほぼ同じ容姿をした拳王偵察隊メンバー達が登場。マミヤに倒される。
マミヤの村にケンからの手紙が届く。その直後に拳王侵攻隊が村を襲撃。
マミヤの村の老人達がリンとアイリを逃がすために侵攻隊と戦うエピソード追加。
拳王機動バイク隊が登場。すぐやられる。
灼熱のダンスをさせられた村人がアニメでは大火傷を負いながらも助かる。
ババアの店に3人の老人客(拳王特殊部隊)がいる。
ババアがあまりデカくない
「火闘術」の名称が「竜吐火焔術」に変更
ラオウの登場は、原作ではガロンとの戦闘時だが、アニメではガロン死亡後
「烈闘破鋼棍」が「烈斗破鋼棍」に変更
ラオウが風殺金鋼拳や南斗聖拳に伝わる秘奥義をケンシロウに繰り出す

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