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シバ



登場:原作(88話)TVアニメ版(62〜63話)
   ラオウ伝殉愛の章、真北斗無双等
肩書:シュウの息子
CV:難波圭一(TVアニメ版)
   入野自由(真救世主伝説)
   桑島法子(真北斗無双)

 シュウの息子。父の言う「サウザーを倒す事のできる唯一の男」であるケンシロウを救うため、聖帝の居城に潜入。不意打ちで牢の見張りを倒し、見事救出に成功した。その後、ケンシロウを抱えながら荒野を逃げるも、聖帝部隊の追っ手から逃げ切れないと判断し、ダイナマイトで追っ手たちを巻き込んで自爆。仁の星の宿命に殉じたとして、その死を父に褒められた。

 TVアニメ版では、毒殺されかけたリョウをケンが救うのを見て、強さと人を救える力を持つケンシロウこそが救世主であると確信。ケンシロウ救出の任を自ら志願し、前に一度通ったことのあるという地下水路から聖帝の城に潜入した。年齢的にはバットよりも幼いらしい。

 『真救世主伝説 ラオウ伝 激闘の章』では、単なる自爆ではなく、聖帝軍を峡谷へと誘い込み、仕掛けておいたダイナマイトによって全員を生き埋めにするという方法を用いた。

 『レイ外伝 蒼黒の餓狼』では、幼い頃にアイリとよく遊び、なついていたというエピソードが語られている。




 まだ幼い身でありながら、単独で聖帝の居城へと潜入し、見事にケンシロウを救出したシバ少年。その後、ケンの身体を抱えて砂漠を進むも、追撃部隊に追いつかれたため、ダイナマイトで自爆するという方法で追っ手たちを全滅させた。子供とは思えぬ見事なまでの行動力、そして死に様だ。

 だが、疑問が一つある。何故シバは協力者を連れてこなかったのか。城に潜入するのは子供でないと無理だとしても、荒野を逃げる際には車を用意するなりするべきだったのではないか。ダイナマイトで自爆した後、傷ついたケンシロウにどうやってアジトまで帰ってもらうつもりだったのか。たまたま拳王様がケンシロウを発見してくれなければ、全ては無駄になっていたのではないか。

 だがここで発想を変えてみよう。シバはちゃんと協力者を用意していた。それこそがまさしく拳王様だったのではないか。

 そもそも拳王様はどうしてケンシロウが脱獄したことを知っていたのか。どうして脱獄するタイミングが解ったのか。あの砂嵐の中、どうしてケンシロウの姿を発見することが出来たのか。どうして反帝部隊の隠れ家の場所を知っていたのか。あまりにも謎が多すぎる。だがこう考えれば辻褄があう。シバは拳王軍と結びついていたのではないか。彼があらかじめ作戦の概要、そしてアジトの場所までも拳王様に伝えていたのだとすれば、全ての謎が解決するのだ。

 何かの作戦中、シバは偶然にも拳王の隠れ家を発見する。聖帝軍との戦いで手一杯の今、新たな脅威をあえて報告することはないと、己の中に秘密をしまいこむシバ。そして届けられたケンシロウ敗北の報せ。敵地に潜入できるのは、子供である自分しかいない。だが父はそれを許さないだろう。ならば誰にも告げずに行くしかない。しかし幼い自分ひとりでケンシロウを抱えて逃げ切ることはできない。思案の末、シバは拳王の事を思い出す。聖帝と対立関係にある拳王ならば、その敵の敵であるケンシロウを必要とするかもしれない。ならば賭けてみる価値はあるはず。無謀にも一人で拳王のもとを尋ねた少年は、己が南斗白鷺拳のシュウの息子であることを明かし、拳王への謁見に成功する。己がケンシロウの救出に向かうこと。そしてそのために命を捨てる覚悟であることを伝えるシバ。その決意に、父と同じ仁の星を見たラオウは、あえてその少年の言葉に乗った。そしてその凄絶な死を見届けたラオウは、シバの想いを汲み、ケンシロウを救出すると共に、予め知らされていた隠れ家の場所までケンシロウを運んだ――――――などという隠された真実があったのではないだろうか。

 相当ムチャクチャな説であることは理解している。だがあれほど勇気があり、あれほど聡明なシバが、あのような穴だらけの作戦を展開するとも思えない。実直で真面目な父シュウならば、どんなことがあっても拳王に助力を求めるなどということはしないだろう。だからこそ自分がその役目を引き受ける。光ある未来のためならば、どんな手段でも使う覚悟がある。それが父とは違う、シバなりの仁星としての生き方だったのではないだろうか。だが私がこの説を唱えた最も大きな理由は、そのほうがシバ君がカッコイイ、ただそれだけの事である。ほっとけ。