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アドルフ・ヒトラー



登場:第145話
肩書:ドイツ国総帥

 反ユダヤを掲げるドイツの総統。かつて売れない画家だったことから、総統美術館を建設し、そこに世界中の美術品を集めようと目論んでいる。そのため、ユダヤの秘宝の在り処が示された「希望の目録」を執拗に追い求め、武装SSナチス親衛隊を送り込んでまで強奪しようとした。中でも、古代ユダヤ十氏族と共に神殿から消えた秘宝(女人像の下に隠されていた勾玉)を一番欲している。

 かつてゼークトの命を受けた宗武により、睡眠中に暗殺されそうになったが、その霊気の無さゆえに天に見放されていると判断され、殺す価値もないとして見逃された。




アドルフ・ヒトラー(1889年-1945年)

ドイツの政治家。ドイツ国首相、および国家元首。ナチス党の指導者。党と指導者による独裁指導体制を築いた、独裁者の典型とされる。

 1889年4月20日、オーストリアのブラウナウにて生誕。4男。学校を2度中退した後、芸術家を志してウィーン美術アカデミーを受験するも失敗。学歴の悪さが終生のコンプレックスとなる。

 第一次世界大戦が勃発後、バイエルン王国の志願兵として出兵。伝令兵として2度勲章を得るが、一時的な失明などの傷を負い、更にドイツは敗戦。内なる敵への不満を抱くようになる。1919年にドイツ労働者党に加盟し、ムッソリーニのファシスト党に憧れてミュンヘン一揆を起こすも失敗。しかし法廷で自らの主張を展開して多くの支持者を獲得し、獄内で『我が闘争』を執筆。釈放後、1926年に党内左派勢力をバンベルク幹部会議で抑えこみ、ヒトラー体制を確立した。

 1932年、ナチスが第一党に躍進。翌年にはヒトラー内閣が発足。ナチ党以外の政党を禁止する。ヒンデンブルク大統領の死後には総統として最高指導者に。失業率を大幅に下るなどの指導力を見せる一方で、ユダヤ市民への迫害・追放を強める。1936年にはベルリン・オリンピックを開催。聖火リレーのイベントを最初に行う。

 1939年、故郷オーストリアの合併やチェコスロバキアをはじめとした各地の割譲を行い、更には敵国ソ連と不可侵条約を結んでポーランドに侵攻。これを受けて英仏がナチスとの対決を決定し、第二次世界大戦が勃発。航空機と戦車を使った電撃戦によって1ヶ月半でポーランドを滅亡させ、翌年にはデンマーク、ノルウェー、フランスにも勝利し、1940年に日独伊の三国同盟を締結した。

 1941年、スターリンの粛清で弱体化していたソ連に侵攻し、日本に追従してアメリカにも宣戦布告を行うも、ソ連軍の激しい抵抗によって各地で大きな損害を出す。その後も戦いは長期化し、1944年に撤退。多くの兵力を失い、縮小に転じる。その影響もあってドイツ国内の統制が強まり、ユダヤ人の収容所は絶滅収容所と変貌。ヒトラー暗殺を目論む将校も後を絶たず、人間不信が深刻に。1945年に入るとナチスの支配は更に縮小し、もはやドイツに未来はないとして国内焦土作戦を命じて自国民をも見捨てようとする。更には病状も悪化し、歩行もままならず、指導者としての意欲も喪失。大統領や首相等の人事を行った後、愛人エヴァ・ブラウンと結婚式を挙げ、1945年4月30日、官邸地下壕にてその妻と共に自殺。遺体は焼却された。