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オウカ



登場:原作(207話)TVアニメ版(150話)
肩書:リュウオウの母
CV:土井美加

 2000年前、妹シュメと共に、この世に二人だけ残された北斗宗家の血族。リュウオウの母。

 究極拳の創始者となるべき宗家の男児、リュウオウを出産。だが同日、妹シュメもまたシュケンを生み落としたため、守護僧達は片方を後継者に選ぶことを決定。赤子二人は降天台に放置され、狼達の牙から生き残ったほうを北斗宗家伝承者とするとされた。だがその夜、妹シュメが我が子のシュケンを連れて逃亡。不治の病に犯されていたが故、せめて息子だけでも生き延びてほしかったというシュメの母心を聞き、伝承者をシュケンへと譲った。そしてその願いを高僧達に聞き入れてもらうため、自ら崖の下にその身を投じた。
 後に、彼女の魂を弔うため、高僧達はその悲話を刻んだ女人像を建立した。

 TVアニメ版では、シュケンを伝承者にしても、リュウオウは殺さないで欲しいと守護僧に頼むシーンが加えられた。




自分の子供を放置されたにも関わらず、その妹の子を伝承者にし、そのために自分の命を投げ出すと言う究極の愛を見せた方。だが、大概の人は「何も死なんでも」という感想を抱いたはず。しかし、これには理由があったのだ。おそらく彼女はこうでもしないとシュケンを伝承者にはしてくれないと考えたのだろう。つまり、高僧達は既に勝負を始める前から半ばリュウオウを伝承者に決めていたのではないかと思う。オウカはそれを察していたため、自らの命を捧げると言う方法で彼等の考えを捻じ曲げたんじゃなかろうか。

 シュメはシュケンを産んだ時、既に不治の病にかかっている。なら息子にも病が遺伝してた可能性だってなくはない。普通に考えたら高僧達も迷うことなくリュウオウを選んでいただろう。実際選びたかったのだと思う。それでも勝手に決めると天に背く事になるので、一応天の声を聞こうとしたのだ。そして二人は降天台へと置かれ、シュメはシュケンを連れ去った。ここで注目したいのは、アニメ版で守護僧達がリュウオウを助けたシーン。彼等はリュウオウを助けた後に、シュケンが居ない事に気付いた。これはおかしい。本来ならどちらかが喰われてから助けなくてはならないはずなのに、まだ決着がつく前にリュウオウを助けてしまっているのだ。彼等に最初からリュウオウを死なせる意図がなかったことが伺える。それに、勝負はシュメの茶々によってノーコンテストになったんだから、本来ならこれはやりなおしになるべき所である。なのに守護僧達はこれをリュウオウの勝ちとし、彼を伝承者にした。疑惑の判定である。これも彼等が最初からリュウオウに肩入れしていたようにも見える。いろいろと理由をつけてでも、彼等は兎に角リュウオウを伝承者にしたかったのだ。それを覆させるには、自らの死を賭した願いしかないとオウカは考えたのである。