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ヒョウ



登場:原作(179〜210話)TVアニメ版(131〜152話)
肩書:第二の羅将
流派:北斗琉拳 北斗宗家の拳
CV:小川真司(TVアニメ版)
   置鮎龍太郎(真北斗無双)
   岸尾だいすけ(DD北斗の拳2)
  [少年期]
   堀川亮(TVアニメ版)
   佐藤朱(真北斗無双)


 修羅の国第二の羅将(羅将瞑王)。北斗琉拳の使い手。ケンシロウの実兄。

 北斗宗家の嫡男として生まれるも、宗家の血が薄かったために北斗神拳伝承者候補から落選。代わって弟のケンシロウが海を渡ることになり、同行するラオウトキに、弟を頼むと命をかけて伝えた。その後、いつか戻ってきたケンシロウに北斗宗家の秘拳の在り処を伝えるために帰りを待ち続けた。
 後にジュウケイより北斗琉拳を学ぶこととなるが、拳に優しさは不要という理由で記憶を封印される事に。結果、失敗に終わったものの、その事を兄弟子であるカイオウに教えてしまい、改めてカイオウの手で記憶を封じられてしまうこととなった。

 核戦争後、修羅の国第二の羅将として君臨。羅将ハンを倒したケンシロウに敵意を燃やす中、北斗宗家の秘拳の在り処を聞きだすために訪れたジュウケイの行動を、北斗琉拳への裏切りとみなし、師弟対決に。その中で秘孔経星を突かれ、記憶を取り戻しかけたが、カイオウの細工により失敗に終わり、そのままジュウケイを殺害した。師を殺してしまった哀しみを癒すため、婚約者サヤカのもとへと訪れるが、到着時には既にサヤカは殺されており、犯人がケンシロウだというカイオウの嘘を真に受け、怒りによって魔界へと入った。

 北斗宗家同士を相討たせるというカイオウの作戦通り、魔神と化してケンシロウと対決。劣勢に追い込まれるが、戦いの中で宗家の血に覚醒し、北斗宗家の拳を修得。しかし最後の奥義を放つ直前、背後からシャチに貫かれる形で勝負は決着。だが実は宗家の血に目覚めたとき、全ての記憶を取り戻しており、北斗宗家の秘拳は泰聖殿にある事をケンに伝えた。

 ケンの後を追い泰聖殿に向かう途中、リン死環白を突かれた事を知り、ヌメリの手に合ったリンを救出。差し向けられた300からなるカイオウ陸戦隊との激闘をなんとか乗り切り、現れたバットの手を借りてケンとカイオウの最終決戦の場へ。敗れたカイオウに対し、己が弱かったが故にお前を歪ませてしまったと詫びながら絶命。その後、カイオウに遺体を抱えられたまま溶岩を浴び、岩の塊と化した。


 TVアニメ版では、ハンを殺したケンシロウを探しだすため、親衛機甲団を引き連れて出陣。ロック達との激闘を繰り広げた。



[解説]
 生き別れた主人公の兄という超重要なポジションを与えられたにも関わらず、彼の人生は不遇としか言いようのないものであった。まず生まれた時点で北斗宗家の嫡男として相応しい才能がなかった事が不遇。確かに彼は弱かった。いや、弱いとは言っても全登場人物の中でベスト10に入るくらいの力はありそうなのだが、あまりにも印象が悪い。vsジュウケイなど終始ウーアーもがいていたようなイメージしかなく、ケンシロウを苦しめた度合いでいえばファルコやハンよりも大きく劣る。ゼブラにも大苦戦し、カイオウ陸戦隊との戦いでも見事にボロボロにされた。まあ全て言い訳のしようがあるものなのだが、どんな事情があろうとスカッとした強さを見せていない以上印象が悪くなるのは仕方の無い事だ。実力以前に運が無いのだろう。

 またそのビジュアルも、私的にはとても全国の女子高生のみなしゃんに人気が出るとは思えない。ハッキリいってくどい。濃い。暑苦しい。魔闘気だしてる時点で暑苦しいというのに、それにこの濃い顔と長髪が加わったときのムサさったらない。更に必要以上にバンプアップした肉体もそれを後押ししている。やはり長髪ならある程度スマートな肉体でないとバランスが悪い。拳才がない分、筋肉でカバーしたという事なのだろうか。

 まあ強さや見た目がどうであれ、彼は誰にも負けない魅力を一つもっている。ジュウケイに「優しすぎる」とまで評され、部下や民衆からの信頼を一身に集めたその男気だ。常識人が少ない修羅の国で燦然と輝く彼の人情味溢れた性格は、まさに地獄に射した一筋の光・・・てな感じで受け止められている彼だが、果たしてその評価は正しいのだろうか。

 正直言って、カイオウに従っている時点でどうかと思う。修羅制度自体が地獄のような法律なのだから、羅将としてそれを指揮する立場である以上責任逃れは出来ない。それどころか、別にヒョウ自身その制度に反対をしているような様子もない。カイオウに対する疑念も全くないようだ。ナガトや腹心達は、いつかヒョウがカイオウを倒してくれる日を夢見ていたようだが、あの様子では十年待とうが百年待とうがその夢は叶わなかっただろう。それ以外にも、ヒョウはあまりにもカイオウの事を信頼しすぎな感がある。あのサヤカの偽装殺人をそのまんま信じ込んだり、ジュウケイの言う事を全く信用しなかったという点を考えても、あまりにもカイオウへの忠誠度、信頼度が高すぎる。自分が記憶を失っていないということを告白したのもそうだ。「あんただから言うけど」って何やねん。一番言うたらアカン相手じゃないか。何故彼は、ここまでカイオウの事を信頼していたのだろうか。
 もしかしたら彼は、カイオウに負い目を感じていたのかもしれない。あの吊橋での試合が八百長だった事を、ヒョウは知っていた。自分は宗家だからという理由だけで優遇され、逆に実力のあるカイオウは宗家の惑星として虐げられる。そんな日常に、心を痛めていたヒョウは、せめて自分だけはいつまでもカイオウの味方でいようと考えたんじゃなかろうか。

 そしてそれこそが、カイオウがヒョウを殺さなかった理由なのだと思う。本来カイオウにはヒョウを生かしておく道理は無い。自らの忌み嫌う北斗宗家の血であり、秘拳の在り処を知っているヒョウなど、さっさと殺してしまえばよかったのだ。それなのに彼を第二の羅将として生かしておいたのは、彼があまりにも自分に忠実だったからではないかと思う。カイオウの宗家への怨念を上回るほど、ヒョウはカイオウに対しての愛で尽くしていたわけだ。優しさを取り違えてはいるものの、その愛の深さはユリアをも遥かに凌駕しているかもしれない。まあ今更こんなこと言ったところで擁護にもならんけど。