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天帝
てんてい




 世に平安を齎すとされる時代の英雄。またはその血を引く者。かつては北斗宗家によって守護される存在であったが、北斗宗家の秘拳が威を失うと同時にこの世から喪失(死亡?)し、世は狂乱の戦国時代へ。しかし漢王朝の末期、北斗宗家の血を引くシュケンが、最強の暗殺拳である北斗神拳を完成させたことにより、その守護を受けて再び覇者として世に君臨し、戦乱に終止符を打ったとされる。
 このように、数千年前から天帝と北斗はかなり密接な関係にあったと考えられるが、ファルコの言葉によると、北斗七星は天帝の戦車であり、一戦士に過ぎない存在であると語られている。かたや元斗皇拳は、天帝の時代の到来は即ち元斗皇拳の時代と言われるほどの関係にあり、これらは先述の北斗宗家と天帝の歴史内容とは食い違う部分があり、二千年の間に関係性が変化したという可能性も考えられる。

 北斗の拳の時代においては、天帝の血を引く者はルイリンの双子の姉妹だけとなっている。かつて天帝は一人でなくてはならないという掟によって、そのどちらかが殺される事になったが、ファルコは無垢な赤子を殺す事が出来ず、ルイを天帝に、そしてリンは己の叔父夫婦に預ける事を選んだ。しかし天帝となったルイは、ジャコウによって幽閉され、ジャコウは総督として天帝の名の下に圧政を展開。これにより天帝の名は地へと落とされた。その後、ケンシロウアインらの活躍によってルイは救出されたが、守護者であるファルコらも居なくなってしまったため、天帝の名に権威が戻ったのか、この世に平安を齎せる力を発揮できたのか等については一切不明。

 『蒼天の拳』の中では、蒼天(晴れ渡った空)こそが天帝の事であり、霞拳志郎は煩悩を捨て、全てを天に投げ出しているからこそ強く、故にその頭上には常に蒼天(天帝)がいるのだと語られていた。要するにここでの天帝とは神の事であるため、北斗の拳における「人間」の天帝とは異なる扱いとなっている。


 『北斗の拳5 天魔流星伝 哀★絶章』では、天帝の血を引く主人公が、天帝拳なる拳法を使い、魔皇帝軍と戦いを繰り広げるというストーリーが展開される。二千数百年前、世は魔皇帝一族に支配されていたが、世継ぎの時、嫡男の圧政に反対する高僧達が、その弟を天帝としてかつぎ出し、天帝と魔皇帝の戦いが勃発。戦いの末に、天帝は魔皇帝を倒し、北斗と南斗の女人像に封印したという設定になっている。