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アスガルズル




 『レイ外伝 蒼黒の餓狼』に登場した、女王エバが治める女の街。「皆殺し色里」との異名を持つ巨大な娼家であり、 エバが近隣の奴隷屋から買い集めた女達が暮らしている。 女たちは客として訪れた男たちの相手をさせられており、その代価としてせしめた水や食料・燃料によって大きくなった街は、KING聖帝ですら迂闊に手を出せぬほどの巨大勢力へと成長。だが各地の王がこの国に重きを置いているのは、女王エバの存在が大きいからだと言われている。

 街を守る自警団「エバズ・ヴァルキリア」も、フリーダを筆頭とした女の戦士達で構成されている。その他にも拳法の使い手である男たちを用心棒として雇っており、街は用心棒達が住まう西街、女達が住まう南街に二分されている。だが用心棒たちは日に日にその野望を強めており、彼らを率いる前南斗水鳥拳伝承者ロフウは、虎視眈々とアスガルズルの支配を目論んでいる。


 かつてエバは、奴隷として売られている女達を救済するためにこの街を創設。女が選ばれるのではなく、自分達が男を選ぶ事ができるという娼家を作り、やがて気に入った男と共にこの街を出ていく事が、女たちにとっての夢となった。それに伴い、多くの女達がこの街を目指したが、その中の一人であったユウは旅の中で母親を失い、エバの妹として引取られる事に。ユウの哀しみから、自分たちが生まれてきたことには意味があるはずだと気付かされたエバは、女達が幸せに暮らせる国を作るため、エバズ・ヴァルキリアを結成し、城を要塞化。そんな中、街に攻め込んできたフリーダとリマは、エバに心を解かされてヴァルキュリアのメンバーに参加。だがユウは、女たちだけで街は守れないと考えて街を飛び出し、また用心棒のリーダーとなったロフウに惨敗を喫したリマも、一旦この街を去ることとなった。

 アイリがこの街にいるという情報を得たレイは、荒野で出会ったユウの道案内を受け、用心棒希望として街を訪問。女王エバとの謁見を許されたレイは、アイリが既に去った事を知らされるが、エバの不思議な魅力に惹かれ、一夜を共にする。だが翌朝、自らの傍でエバが遺体となっていたことから、レイは犯人であると疑われ、女達から追われる身に。自らに一夜の安らぎを与えてくれたエバへの恩を返すため、レイは用心棒達と手を組むフリをしながら街に残り、その犯人を追うことを決意する。その後、女達の南街は、エバを失ったショックも重なり、用心棒達の反乱の前に陥落。街は用心棒達に支配されるが、ユウがエバの妹であった事を知ったレイは、彼女の涙に応え、ザン率いる用心棒達に戦いを挑む。だがその後、ザンがユダのスパイであった事が明らかとなり、時をあわせるようにUD軍の大軍が街へと襲来。しかしそれを鎮圧したのは、用心棒達の真の親玉であるロフウであり、レイは死んだと思われていた師が生きていたことを知ると共に、そのロフウがエバの犯人であった事を知る。
 その後、ユウの言葉を受けてレイは街を去るも、道中で出会ったシュウより自らの宿命に気付かされ、再びアスガルズルへ。その頃街では、エバの葬儀と、ユウが新女王となるための宴が行なわれていたが、女達を一網打尽せんとするロフウの軍団が襲来。フリーダとリマはそれを迎え撃つ形でロフウに戦いを挑むが、その力の前に完敗を喫し、守るはずだったユウに逆に守られる結果に。ユウを捕らえたロフウは、彼女を人質にレイを南斗聖闘殿へと導き、最後の戦いへ。死闘の果てに、レイが勝利を掴んだため、アスガルズルには平和が訪れ、ユウという新女王の下で新たな道を歩み始める事となった。



◆南街(サウスサイド)
女達が住まうエリア。絢爛豪華な建物が立ち並び、美しい女が舞い踊る色町であり、女達を買いにきた男たちはここで至福の時を過ごす。エバの死後、ザン率いる西町の用心棒軍団の夜襲を受け、一時は攻め落とされたが、ユダ軍の侵攻によるどさくさによって一時的に治安は回復。その後、ロフウらの再攻撃を受けるも、新女王となったユウの自らを犠牲にした交渉によって侵略は免れた。


エバの宮殿
アスガルズルの女王・エバが住まう居城。アイリの事を訪ねるためにレイが訪れ、一夜の安らぎを与えられた。だがその翌日、エバは遺体となっており、犯人と疑われたレイは、城から飛び降りて逃亡。後にその犯人はロフウであったことが明らかとナリ、用心棒達の手によって南町が落とされた後、この城もロフウのものとなった。

エバズ・ヴァルキリアのアジト
エバズ・ヴァルキリアがアジトとして利用している店。レイを自分達の味方に引き込まんとするため、フリーダが案内し、交渉に臨んだ。

娼家
エバが開いた娼家。近隣の奴隷屋から買い取られた女達が働いている。女はそこで心惹かれた男についてこの街を出て行く。

教会
エバの世話係だった女を助けた後、レイ達が訪れた教会。ユウが自分の正体(エバの妹)をレイに明かした。後に傷を負ったフリーダもここに運び込まれ、起床後にレイに非礼を詫びている。

処刑が行なわれる広場
ザンが、捕らえたエバズ・ヴァルキリアのメンバーの処刑を行おうとした広場。集まった用心棒達の群れに女達を投げ込み、リンチさせた。その後、駆けつけたレイが、ガライ&ケペルや、ザンなどを相手に戦うが、その後更にリマやロフウなども乱入し、死闘の場と化した。

浴場
ユウとフリーダが入った大きな浴場。

エバを葬う広場
南街の女達が、死んだ女王エバを弔うための宴を開いた広場。自らが新女王となって皆を導く光となる覚悟を決めたユウが、舞台の上で踊りを披露した。その後、ロフウ率いる用心棒軍団が攻め込み、フリーダとリマが立ち向かうも敗北。皆をかばい、ユウはロフウに捕まる事を選んだ。



◆西街(ウエストサイド)
用心棒達が住まう街。華やかな南町とは対照的に、暴虐な用心棒達や、薬によって正気を失った女達が街中に溢れている。

用心棒達のバー
西街の用心棒達が集まるバー。南街の襲撃が成功した後、祝勝会が開かれた。

地下牢
レイに気絶させられたエバズ・ヴァルキリアが監禁された牢屋。見張りの男たちがフリーダを侵そうとしたが、リマによって葬られた。その後、レイが訪れ、エバ殺しの真犯人を見つけることを約束している。



◆その他のエリア

城門
高い壁に囲まれたアスガルズルにおいて、唯一の出入り口である門。だが女を買いに来た客や、用心棒希望の者達が訪れると、簡単にその門扉は開かれる。ユダ軍が攻めてきた際には堅く閉じられたが、ザンの部隊が門番の女性達を殺し、内側から開いた。

ユウの隠れ家
ユウが傷ついたレイを運び、かくまった家。南町の者にも西街の者にも見つかる事が無い場所らしい。ユウからの話を通じてザン達が訪れ、レイとザンが僅かに拳を合わせた。

地下通路
アスガルズルの地下に走る通路。ロフウの手からユウを逃がすために、ランが案内した。だが道中で女王としての使命に目覚めたユウは道を引き返している。