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アイン



登場:原作(140〜160話) TVアニメ版(113〜122話)
   北斗の拳4、北斗の拳5、真北斗無双等
肩書:賞金稼ぎ
流派:ケンカ拳法
CV:山口 健(TVアニメ版)
   中井和哉(真北斗無双)
   井上和彦(DD北斗の拳2)
   藤原啓治(パチスロ北斗の拳 新伝説創造、リバイブ)


 賞金稼ぎを生業とする男。娘のアスカを幸せにするため、帝都が賞金を懸けた賞金首を捕らえて報酬を得る生活を送っている。ボクシングスタイルのケンカ拳法を使う。

 ゲイラの郡都にて、大物賞金首であるケンシロウの話を聞き、その首を獲ると宣言。訪れたケンシロウに対し、女が居ないことを確認した後に勝負を挑んだが、全く相手にならず完敗。だが逆に自分には女が居るという理由で、とどめはさされなかった。その後、娘アスカの危機を聞きつけ、自らの村へと帰還。賞金首達を撃退した後、アスカを連れ、再びケンの後を追った。

 ある夜、バットに誘われてついていった結果、なりゆきで郡都を落とす手伝いをさせられる事に。その際、好きな女のために時代を変えてやるというバットの言葉に感銘を受け、賞金稼ぎを廃業して打倒天帝を掲げた。そのための人材として、かつて己が捕らえたハーン兄弟をジャバに出そうと考え、収容所破りを決行。レンの裏切りによって、アスカを人質にとられて危機に陥るも、ケンシロウによって救われた。

 帝都との最後の戦いの際、リンを呼ぶ声の正体を探るため、バット等と共に中央帝都の中へ。ジャコウの罠にかかり、地下へと落とされるが、そこで監禁されていた天帝ルイを発見した。その後、崩落した巨大岩から皆を守り、瀕死の状態に。だが残る最後の力を振り絞り、杭に拳を叩きつけた結果、最後の一撃で見事岩盤を破壊。地下水の噴出させ、全員を外へと脱出させることに成功し、ケンとファルコの死闘に終止符を打った。だがその後、力を使い果たし絶命。最期に、アスカのために時代を変えるという役目をバットへと託した。


 TVアニメ版では、アスカとの出会いを描いたエピソードが追加。かつて勇敢な戦士だったが、大怪我を負い、一人の女に命を救われることに。だが己を追ってきたならず者達にその女が殺されてしまったため、残された赤子のアスカを引き取り、父親として生きることになった。その後、アスカと共に緑の大地へ行くため、飛行船を作ることを決意。そのための資金を稼ぐため、賞金稼ぎに転身したという設定になった。
 またアニメでは、ハーン兄弟を助け出したのがバット達に変更されたため、二人と絡むシーンは一切無し。不発弾をめぐってのジャンケンも、北斗の軍の男に変更されている。


『北斗の拳 イチゴ味 アイン外道伝 ULTIMATE SADISTIC ACTION』の中では、アメリカのハイスクール時代の姿が描かれている。アメフトのチャンピオンとなったが、核戦争が勃発し、恋人のリンダを失っている。


[解説]
 バロナやファルコを見ても判るとおり、完全にロッキーにハマった原先生が満を持してロッキーも登場させてみようとしたけど、あまりにもそのままじゃアレだから、ロッキーの中身をプレスリーにしてみました、っていう感じのキャラ。そんな夢のドッキングであるはずのキャラクターなのだが、その強さは北斗の拳におけるミスター微妙とも言うべき中途半端さ。数多くの拳法家の中に入れば最下位であり、一般人の中に入れば最強。アジア最強でも世界には通用しないのである。
 北斗の拳と言う漫画の性質上、彼みたいな中途半端な強さの者は大してストーリーに関われないまま即効消えていく運命にある。のだが、アインは違った。帝都編における主人公、MVPは間違いなく彼である。なんといっても彼がいなければ天帝は死んでいたのは勿論、ケンとファルコもジャコウの爆弾で死んでいた可能性も高く、それはつまりこの世の終わりを意味しており、アインは世界を救ったということになる。またミュウを救ったということは、そのお腹に宿る未来の元斗皇拳伝承者ミッシュの命をも救った事であり、北斗神拳だけでなく元斗皇拳の歴史をも守ったということになるわけだ。彼の実力を考えるとこれはもう偉大すぎる功績であり、その生き様はロッキーというよりむしろダイハードシリーズのジョン・マクレーン刑事に近い。だが、ロッキーに憧れてボクシングを始める人はいるが、マクレーンに憧れて刑事になる人は少ない。アインの人気が、おなじ陽気&我流キャラであるジュウザに及ばなかったのはその辺りではないかなと思う。結局強い者に皆憧れるわけだ。生き様をダイジェストで流した際に一番泣けるのはアインだと、私は思ってますけど。

 原作ではいまいち娘なのかそうでないのか曖昧だったアスカが、アニメでは命の恩人である女の娘という設定になった。私的にはそのエピソードは可也お気に入りだ。命の恩人である未亡人の優しさ、美しさに即効で心奪われ、いつの間にか新婚生活の如き幸せな日々を送るアイン。しかし皮肉にも自分を追ってきた悪党達の手によって、無関係な彼女が命を絶たれてしまう。たった一人残され、孤児となった赤子のアスカに、アインは彼女の幻影を重ね合わせ、己の与えられる幸せの全てを注ぎ込む。この二人にはこれくらいのエピソードがあったほうが良い。このほうが「オレの女」と呼ぶのに不自然がないし。実の親子でもこれに近いエピソードは作れないことも無いが、やはりどうしてもその愛の中に親バカという印象は付きまとうわけで、それはこの話においては邪魔な存在である。他人の娘であるからこそ良いのだ。

 ハーン兄弟との絡みを省かれたりなど、アニメ版のアインは他にも変更点があったが、その他付け加えられた細かい情報などからある可能性をみつけた。アインは核戦争で崩壊したこの北斗の拳の世界の地理を解き明かすヒントになりうる男かもしれないのだ。そう思わせるのは、アインはケンシロウの事を知らなさ過ぎるという点だ。世紀末覇者拳王を倒した男として、ケンの知名度は相当なものであったはず。なのにアインはその事を全く知らなかったらしい。アインは果敢にもケンシロウに挑んできたわけだが、これがまずケンのことをよく知らないという証拠でもある。ハーン兄弟とも直接対決を避けた男が、伝説の男に挑むなどという勝ち目の無い戦いを仕掛けるはずが無いからだ。つまりアインは、拳王政権にあった地域の外・・・修羅の国やサヴァ、ブランカといった、拳王の噂すら届かない辺境からやってきた男である可能性が高いのである。そういえば、アニメ版で登場したアインの仲間であるジョセフは、アインと共に旅を続けてきたと言っていた。しかし劇中における彼等は、アジトを構えて賞金首狩りに勤しんでいる。つまり帝都の支配するエリアまでやってきたのが旅という事であり、もともとはその外で活動していたという事になるのだ。