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北斗の寺院
ほくとのじいん




 かつてラオウトキジャギケンシロウの四兄弟が、リュウケンの養子として北斗神拳を学んでいた寺院。回想の中で頻繁に登場するが、物語の時間上においてはどうなっているのかは不明。場面によって描かれる建物などは統一されておらず、これらが全て別のものであるとするならば、敷地の中には複数の建物が点在していることになる。
 作品によってその描かれ方は様々であるが、長い階段を上った先にある人里離れた山奥の寺院であると思われる。しかし外界から隔離されているわけではなく、ユリアをはじめとした様々な人物が訪問していたり、多くの門下生がいたり、ケンシロウ達もよく寺院の外へ出たりしていることから、意外とオープンな場所であることがうかがえる。ただ、北斗神拳伝承者を目指して破門になったキムが、その後道場に入ることを禁止されていることを考えると、北斗神拳に直接関わる立場にあった者、またはそれに関する施設の中にはかなり厳しい立ち入り制限が設けられているものと考えられる。


 リュウケンの養子として迎えられたラオウは、ここで北斗神拳伝承者候補として拳を学び始め、後にトキもその拳才と覚悟を見出され、兄と同じ道へ。更にジャギとケンシロウも加わり、この四人の中から次期伝承者が選ばれる事となった。数年後、伝承者はケンシロウと決まり、それと同時に四兄弟はこの寺院から出立することに。その前にリュウケンは、野望を抱くラオウの拳を封じようとするも、突然の心臓発作に襲われ、敗北。トキが駆けつけたときにはすでにその命は奪われていた。その後、ケンシロウはリュウケンの埋葬を済ませ、ユリアと共に旅立とうとするが、シンによって阻まれ、胸に七つの傷をつけられると共に、ユリアを奪われることとなった。


 『蒼天の拳』の舞台である1930年代においては、61代北斗神拳伝承者である霞鉄心と、その息子である霞羅門(リュウケン)が、日本の寺院で暮らしている様子が描かれている。かつては霞拳志郎もここで暮らし、北斗神拳を学んだとされる。しかしここでの寺院が木造建築で建てられた和様のものであるのに対し、北斗の拳で描かれているのはコンクリート造りの西洋風の寺院が多いことから、これらが同一の場所であるとは断言できない。第一話に登場した、197X年にケンシロウが生まれた寺院も、これと酷似した和様の寺院になっている。


 『ジャギ外伝 極悪ノ華』では、火事に巻き込まれていた赤子のジャギをリュウケンが救い、この寺院で息子として育てるというストーリー設定になっている。つまりこの作品の中では、ジャギは北斗神拳伝承者候補として寺院に来たわけではなく、また拳法こそ学んでいないものの、寺院で暮らし始めたのはラオウ、トキよりもジャギのほうが早いという事になる。
 この作品におけるジャギは、拳を教えられなかったり、ケンシロウに遅れをとったりなどといった理由で頻繁に寺院を飛び出しており、また滞在時においても夜中にアンナのバイクチームのもとへ遊びに行くなどしている。核戦争後、ならず者たちに強姦されたアンナは、ジャギに会うためにこの寺院へと訪れ、階段の途中で力尽きて死亡した。伝承者決定後には、怒ったジャギがダイナマイトで寺院を爆破、炎上させている。


 『ユリア外伝 慈母の星』では、南斗の寺院が火事になる事を予見したユリアが、世話係のサヤと共にここへと訪れ、サヤに父の無残な死を知らせまいとした。その他の外伝作品でも、ユリアは特にこの寺院を訪れている描写が多く、それが相成ってか、『真救世主伝説 ユリア伝』では、ユリアは幼少期にここへと連れてこられ、そのまま北斗の寺院でケンシロウ達と共に暮らしたという設定になっていた。原作では北斗練気闘座であった、あのユリアの感情が戻るシーンも、この寺院の中での事になっている。

 『真救世主伝説 トキ伝』では、サラがこの寺院の女医として働いており、トキが死の病におかされていることをリュウケンに報告した。後にトキが寺院を発つ際、サラもその旅に同行している。

 『トキ外伝 銀の聖者』では、原作にも登場した、北斗道場の門下生達が熱心に修行を行なっている様子が描かれている。原作よりもその人数は多いが、皆一様に年齢はかなり若い。後にトキの付き人となるラモも、ここでリュウケンに仕えている。また、核ミサイルが発射された際に逃げ込んだシェルターは、この寺院の地下から通ずる道にあるという設定になっていた。

 『リュウケン外伝 THE JUDGEMENT DAY』では、サウザーが気軽な感じに訪れているほか、四兄弟の食事シーンや、ラオウのシャワーシーン等、貴重な場面が描かれている。

 『ジュウザ外伝 彷徨の雲』では、キムが道場から破門される様子を、サウザーとジュウザが共に眺めているというシーンがある。

 『北斗の拳4(FC)』では、かつて四兄弟が暮らした地としてモンパサなる村が登場する。四人が修行をした修練聖堂や、トキの墓などがあり、デカンなる偽北斗神拳使いが支配している。
 『北斗の拳(セガサターン版)』では、北斗の谷という名前になっている。




◆エリア


 仁王像の仏堂

二体の巨大な仁王像が置かれている建物。ケンシロウが北斗神拳伝承者に決まった際、ジャギはここにいるラオウとトキのもとへと赴き、二人に文句をぶつけた。

この仁王像の間は、作中で最も頻繁に描写される寺院の屋内構造であり、劇場版ではラオウとリュウケンがここで闘っていたり、ユリア伝では四兄弟が修行を行なったり、トキ伝ではサラがリュウケンにトキの病についての報告に訪れたりしている。






広庭
北斗の寺院の堂塔前にある広い庭。ケンシロウとジャギが、互いの秘孔の位置にマークをつけての組手を行った。ジャギ外伝では、ここに生えている木を指で穿つ指突きの修行が行なわれている。真伝のトキ伝や、トキ外伝などでは、巨木から舞い落ちる無数の葉に向かってトキが百裂拳を放ち、その全てを穿つというシーンが描かれている。

ジャギの部屋
ジャギの部屋。ジャギの部下達が、ケンシロウが北斗神拳伝承者に決まった事を告げに訪れた。

ケンシロウの修行部屋
北斗神拳伝承者が決定したその日に、ケンシロウが一人でトレーニングを行っていた部屋。ジャギがおしかけ、伝承者を辞退するようケンシロウを脅したが、逆にボコボコにされて頭部の秘孔を突かれた。

修行の滝
幼い頃にケンシロウが滝修行を行っていた場所。上から落ちてきた流木からケンシロウを護ろうとトキがとびこみ、背中に大怪我を負った。
ジャギ外伝でもここと思わしき場所が登場しており、この中では四兄弟が揃って滝修行をしている。寺院からはかなり離れているらしく、往復するために森の中を駆けるのも修行の一環となっていた。


虎の試練が行なわれた館

ケンシロウとラオウが、虎をどのように仕留めるかという試練を与えられた館。ケンシロウは虎に死を覚悟させ、ラオウは死を恐怖させた。
TVアニメ102話で、ケンシロウとラオウが屋外の稽古場で組手を行なっているシーンがあるが、その際に傍に建てられている建物が、ここと酷似している。





ラオウとリュウケンが闘った館

リュウケンがラオウの拳を封じようとした場所。七星点心でリュウケンがラオウを圧倒したが、あと一歩というところで心臓発作が起り、結局ラオウに倒された。その後、無想転生について問い質された後、リュウケンは息を引取っている。
かつて修行で傷ついて倒れていたラオウをユリアが不思議な力で癒したのもこの建物であり、その他にも、修行を許されていなかった時にトキが覗いていた修行場や、キムが追い出されたのもここであると思われる。

外伝系の作品で北斗の寺院が登場する時は、この建物が描かれる場合が多い。ユリア外伝でユリアとサヤが訪れた場所や、トキ外伝で門下生達が修行をしている場所、ジュウザ外伝でキムが追い出された場所、リュウケン外伝でラオウらが稽古を行なっている場所、ZEROケンシロウ伝でリュウケンがケンシロウに伝承者決定を知らせた際などとても登場している。



フドウが門下生を蹴散らした道場

鬼のフドウが、北斗の門下生との試合を行った場所。圧倒的パワーで門下たちを蹴散らした後、事前にリュウケンとかわしていた約束どおり、金と食料を持ち帰った。その際、フドウの鬼の力を目撃したラオウは、生まれて初めて恐怖を感じ、動く事が出来なかった。




北斗練気闘座
北斗二千年の歴史の中で最も神聖な修行の場。代々の北斗神拳伝承者の決着もここでつけられたという。ケンシロウとの決着の場としてここを選んだラオウは、黒王を使わせ、ケンシロウをここへと誘導。壮絶な闘いの末にケンシロウが勝利し、ラオウは自らに秘孔を突き、天を穿つ闘気をはなって絶命した。
かつてケンシロウとラオウが、ユリアと初めて出会った場所でもあり、その際にラオウがケンシロウに稽古をつけていることから、北斗寺院の境内にある可能性も少なくない。



真救世主伝説シリーズにおける北斗の寺院

真救世主伝説シリーズで描かれた北斗の寺院。雲にかかるほど高い、いびつに突き出した岩山の山頂に建てられている。
ユリア伝では、ダーマに連れられてユリアが訪れ、ここで四兄弟と共に暮らすことになった。その際、寺院に前に捨てられていたトビーをユリアが拾っている。
トキ伝では、伝承者決定後にトキがサラと共にここを出立。
ケンシロウ伝では原作と同じ外観に変わっている。



蒼天の拳における北斗の寺院

蒼天の拳に登場した、日本にある北斗の寺院。霞鉄心と、その息子である霞羅門が暮らしている。かつては拳志郎もここで育ち、拳を学んだ。北斗劉家拳の泰峰が道場破りに訪れたり、拳志郎の嫁となった玉玲がその報告に訪問したりしている。画像右の層塔には観音菩薩像があり、幼い頃に拳志郎はこの像を見て母を感じている。
197X年にケンシロウが生まれた場所も、描写的にここと同じ寺院であると思われる。



ジャギ外伝における北斗の寺院

ジャギ外伝 極悪ノ華の中で描かれた北斗の寺院。「二体の仁王像がある仏堂」の奥に、外伝作品で頻繁に描かれる「ラオウとリュウケンが闘った館」が建っているという図式になっている。四兄弟が修行したり、白蛇拳のシバが道場破りに訪れたり、リュウケンがジャギの誕生日を祝うために巨大な蝋燭を立てたりしているが、それらは全て手前の和様の堂で行われている。伝承者決定後に、ジャギによってダイナマイトで破壊された。



歴代伝承者の間
ジャギ外伝 極悪ノ華の中でリュウケンが入った部屋。北斗神拳伝承者の代数を示す一から六十三までの木札が並べられている。また、四兄弟を模ったメスシリンダーのようなものがあり、リュウケンはこれに各々の修行の成果分の水を入れることで、それぞれの成長度を確認していた。

医務室
トキ外伝で、流木を背中に受けて怪我をしたトキが運ばれた医務室。ベッドに寝かされたが、大したことは無いと直ぐに起き上がり、その後、体調を崩して訪れた門下生に秘孔を突いて逆に治療していた。アミバ編の時にケンシロウの回想の中でトキが患者を治療していた場所もここではないかと思われる。