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サザンクロス




 KING軍の本拠地。サザンクロスタウンとも呼ばれる。街の中心にはシンの居城があり、周りに広がる城下町は、主に核戦争で朽ち果てたビル群で構成されている。近隣の村に住んでいた者や、永住地を求めて移動する人達が、KING軍の家畜狩りに遭って連れて来られ、奴隷として労働を強いられている。彼らの身体には家畜の証として血の十字架(ブラッディークロス)の焼印が押され、街から出ることも許されず、労働力として、または修行と称しての殺戮の生贄にされるなどいった地獄の生活を強いられている。

 その実体は、シンがユリアのためだけに築いた街であり、彼女の気を引くため造り上げられた贈り物の一つにすぎない。街の草も木も人間すらも全てがおまえのもの、全てがおまえの意志のままに動くのだとシンはユリアに語ったが、逆にユリアにとってはこの街を作るために数多の命が奪われた事が余りにも重く、結果彼女に城から身を投げさせてしまうこととなった。その後、シンは街並みを指して、この街がユリアの墓標だと語っている。

 ユリアを追うケンシロウは、サザンクロスに掲げられたブラッディークロスの紋章から、この町の支配者であるKINGなる男がシンであることを確信。夜中に街中へと潜入し、クラブからKINGの居場所を聞き出した後、地下で再び夜を待ってKINGの居城へ。ハートを、そしてシンをも撃破するが、ユリアは既に死んでおり、その後シンもユリアと同じように城から身を投げて死亡した。だが後にユリアは、南斗五車星の手によって救われていた事が発覚。拳王軍が近付いているとの報を受けたシンは、五車星にユリアを託し、ユリア殺しの汚名を被ってケンシロウと闘うことを決意したのだった。尚、このときサザンクロスに迫っていたという拳王軍がその後どうなったのかは明らかにされていない。


 TVアニメ版では、「悪魔の目」と呼ばれる、上から見ると人の目のような形をした小高い山に囲まれたその中に街が造られているという設定になっていた。ジェニファーの住むジーナの街から南へ五百キロ行った場所にあり、かつて「緑の大地」と呼ばれたその地には、文字通り、森のような緑生地が確認できる。
 ストーリーの途中まではシンの居城は別にあったが、第五話にサザンクロスへと移動。以降はここを拠点とし、ケンシロウ抹殺のための刺客を送ったり、各地の将に指令を出したりした。だが21話バルコムを筆頭としたKING軍の主要幹部たちが謀反を起こし、サザンクロスを奪おうとするも、返り討ちに。その後、暴徒と化した兵士達が街に火を放ったため、ケンシロウが到着した時には既に人気の無い廃墟と化していた。


 『劇場版 北斗の拳』では、実際に拳王軍がサザンクロスへと侵攻し、ラオウがユリアを奪取。ラオウと闘ったシンは、その身体に拳を受け、ケンシロウが到着した頃には体中に拳痕が刻まれていた。

 『真救世主伝説 ユリア伝』でも同様に、拳王軍が侵攻してきた際の様子が描かれている。拳王はKING軍を制圧したが、シンだけはいずれケンシロウが決着を付けるだろうとして放置した。ただし原作では拳王軍に支配された様子は見受けられないので、真シリーズのみの設定であると思われる。

 『ラオウ外伝 天の覇王』では、勢力を伸ばすKING軍を討伐せんと、リュウガレイナが軍を率いて侵攻。そこで雲のジュウザと再会したリュウガは、ユリアがこの街で死んだ経緯、そしてケンシロウがこの街へと向かっている事を教えられ、自分では判断できかねるとして城へと帰還。これは奴等の問題だとして、拳王からも捨て置くよう命令がだされた。ケンシロウによってKING軍が壊滅させられた後は、冥王軍が街の跡地を支配したと語られている。

 『レイ外伝 蒼黒の餓狼』では、アミバが訪問。アスガルズルに侵攻しようとするシンの前に現れ、あの町にロフウがいるという情報を伝えた。

 オリジナルストーリーで展開する北斗の拳5では、シンはユリアが死んだ事にショックを受けて、酒場で泥酔。その間に紅蓮の一族と手を組んだハートが町を支配するというストーリーになっていた。



◆エリア


シンの居城

シンがユリアと共に暮らしている居城。サザンクロスタウンの中心にある。ケンシロウが攻め入り、ハートとシンを倒したが、既にユリアは城から身を投げて死亡していた。




王の間
シンの玉座がある部屋。TVアニメ版では、シンの脇でユリアがハープの演奏をさせられていた。

大広間
アニメ17話で、召集されたKING軍が集められた広間。大将軍バルコム進行の下、七つの傷の男抹殺のための決起会が行なわれた。

ユリアの部屋
TVアニメ版で、ユリアに与えられた自室。サキが身の回りの世話を行なっている。サキの兄のテムジナが鞭打たれた際、この部屋へ招いて手当てをした。


奴隷街
各地から集められた村人達が、奴隷として働かされているエリア。KING兵に鞭打たれながら、厳しい労働を強いられており、家畜の証であるブラッディークロスの焼印をつけられたりしている。
TVアニメ版では、サキがユリアをサザンクロスから逃亡させようとしたため、その兄であるテムジナが、サキのかわりに鞭打ちの刑に処されていた。ユリアやシンが止めるよう言ってきたため中止されている。

クラブの闘技場
クラブが、自らの修行という名目の下に奴隷達を殺している広場。己に触れられれば街から出してやると言って奴隷に攻撃させ、自慢の鉄爪で惨殺している。たとえ触れる事が出来ても、勿論約束は守られない。
シンの居場所を聞き出さんとするケンシロウが現れ、クラブを撃破。秘孔命門によって拷問にかけ、KINGの正体と場所を聞き出したが、シンはその様子の一部始終を居城から目撃していた。
TVアニメ版では「ドラドの街」にあるという設定に変更。円状の鉄柵というリングが用意されており、ケンシロウとクラブもその中で闘った。

バー
街の中にあるバー。ケンシロウを見つける事が出来ずに苛立つKING兵が、バーテンにやつあたりしていた。その場に現れたハートは、彼らは大切な労働力だからといって暴力を制止。だがその直後、グラスの破片で出血したハートは暴走し、バーテンを張り手一発で粉砕。KING兵たちは棍棒を一斉にぶつけてハートを気絶させようとするが、そのゴムのような肉体で全て跳ね返され、一瞬にして死体の山が築かれた。

関所
サザンクロスから出るための関所。街からの脱出をはかるユリアとサキが、馬車に乗って訪れ、
KING兵たちを銃で脅して通ろうとした。しかし直前でたくらみに気付いたシンが駆けつけたため、失敗に終わっている。

兵器倉庫

KING軍が所有する戦前の兵器が格納されている倉庫。南斗列車砲ことジョーカーバルコムが、ケンシロウ抹殺のために発車した。TVアニメ版に登場。



ユリア像の宮殿

巨大なユリアの石像が置かれた宮殿。観客席もある。シンがユリアへの贈り物として大量の奴隷を動員して造り上げた。だが反乱を起こしたKING兵達が、この場所で一斉にシンを襲撃をかけ、ダイナマイトによる爆撃によって像は半壊。その後、シンがバルコムを倒したことによって兵士たちは逃亡するも、町に火を放ったためにサザンクロスは炎に包まれ、この宮殿も崩れ去った。TVアニメ版に登場。



ユリアとシンの墓
サザンクロス跡の中に立てられた、ユリアとシンの墓標。サキが手入れをしていたところにリュウガが現れ、ユリアの墓にユリの花を添えて立ち去った。