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ユダ



登場:原作(75〜82話)TVアニメ版(51〜56話)、
   ラオウ外伝、レイ外伝、真北斗無双、他
肩書:南斗六聖拳の一人、妖星の男 南斗紅鶴拳伝承者
流派:南斗紅鶴拳
CV:島田敏(TVアニメ版、PS版、AC版、他)
   佐々木誠(パンチマニア)
   谷山紀章(天の覇王・イチゴ味)
   馬場圭介(北斗無双・真北斗無双)
   中尾隆聖(CR北斗の拳 剛掌・スマショ・リバイブ)
   津田健次郎(DD北斗の拳)


身体データ
身長:183cm
体重:99kg
スリーサイズ:133・93・108
首廻り:43cm

 南斗六聖拳の一つである南斗紅鶴拳の伝承者。裏切りの星・妖星を宿星に持つ。女性用のメイクを施しており、己が誰よりも強く、そして美しいという信念を持っている。しかし修行時代、レイの華麗な飛燕流舞に心を奪われてしまい、それを逆恨みしていずれ醜く殺す事を決意した。

 核戦争の後、裏切りによって南斗六聖拳を崩壊させ、配下である南斗23派を引き連れて拳王と結託。知略を用いて覇権を目指すと共に、己の側女とするための美しい女達を掻き集めた。その中の一人にマミヤも含まれており、その事が原因で彼女に女としての生き方を捨てさせることとなった。

 マミヤの運命を縛る者として、余命3日の命となったレイから最期の相手として指名を受けることに。だがケンシロウとレイが居城へ来るの合わせて姿を隠し、副官ダガールを犠牲にするなどして煙に巻いた。だがその後、マミヤが死兆星を見ている事を知り、いずれ死ぬ女のために命を賭けるレイを嘲笑うため、あえて出陣。マミヤを捕らえ、彼女の目の前でレイを醜く切り刻まんと対決に臨んだ。キレの増した水鳥拳の前に劣勢を強いられるも、ダムの水を村に流し込むことにより、水鳥拳の要である足の動きを封じる事に成功。水面を走る伝衝裂波で身体を切り刻み、勝利を確信するが、繰り出したレイの飛翔白麗に再び心を奪われて敗北。レイこそが自らが最も美しいと思った男であることを認め、その胸の中で息絶えた。


 TVアニメ版では、城でレイ達を煙に巻いた後、潜伏先のブルダンの街(原作のブルータウン)に自らの影武者を用意することで、追ってきたレイ達を更に煙に巻いた。またレイの死に目にマミヤを立ち合わせまいと、コマクにマミヤの誘拐を命じたりした。


 『ラオウ外伝 天の覇王』では、原作に登場する以前はサウザーと手を組んでいたという設定に。聖帝軍の領土にラオウが攻め込んできた際、戦うか否か思案するサウザーに対し、同盟を結ぶフリをして拳王府を攻め落とすという作戦を提案した。その城を落とす部隊に自ら加わり、ラオウ不在の拳王府を陥落させるも、帰還したラオウにあっさりと敗北。サウザーがラオウと改めて同盟を結んだ後、その身柄をサウザーに引き取られた。
 後にサウザーの下を離れ、独自に活動を開始。さらってきた女達を刺客へと育て上げ、軍閥の王を暗殺させるという作戦を展開。自らは姿を隠し、ダガールに指揮を取らせていたが、ラオウに見抜かれてしまい、敵に回すつもりは無いと告げて戦いを避けた。

 『レイ外伝 蒼黒の餓狼』では、レイが水鳥拳の伝承者となるよりも先に、南斗紅鶴拳の伝承者としての印可を取得。修行中のレイのもとを訪れ、居合わせたシュウをもまとめて挑発した。その後、アミバにレイの暗殺をけしかけるも、失敗に終わり、水鳥拳の女拳を身につけたレイの飛燕流舞に心奪われた。
 アスガルズル編では、南斗紅雀拳ザンを刺客として送り込み、アスガルズルの侵略を計画。狼煙と共に一気に攻め入ろうとしたが、先代南斗水鳥拳伝承者のロフウに千の軍勢を蹴散らされ、そのあまりの強さに恐怖した。その後、南斗六星による謀議の場に参加し、ロフウを討つべきだと進言するも、聞き入れられなかった。

 『北斗の拳イチゴ味 ユダ外道伝 Ultimete Desire』では、強さに美しさを併せ持つものこそがこの世の神との信念の下、その拳才と知略で紅鶴拳史上最強の拳士へと成長。いずれは南斗108派を統べる者となるつもりでいたが、レイの美しさに心奪われた事で憎しみを抱き、組手の中でレイの命を奪おうとしたが、シンの介入などによって失敗に終わった。
 作中には紅鶴拳の師匠と思われる人物も登場する。



 残り3日の命の中で、己に相応しき死に方を模索していたレイ。そんな彼の耳に、一人の男の名が飛び込んできた。自分との間に浅からぬ因縁があり、そしてマミヤに女を捨てさせた張本人。レイが臨む条件にビッタリと一致した、あまりにも都合の良すぎるキャラクター。それがユダであった。

 南斗六聖拳と呼ばれる男はここまでにシン、レイの二人が登場。シンは全裸での初登場。レイは女装での初登場。ならば三人目は一体どんな登場の仕方を・・・?と皆の不安が高まる中、姿を現したのは、先の二人の「裸」と「女装」を両方を兼ね備えた無敵の変態であった。しかも自らの刻印を押した女達を侍らせながら、ふんどし一丁で鏡に向かってのポージング中というオプション付。南斗に色物なイメージが根付いてしまっているのは、殆どこの男の責任だと言っても過言ではないだろう。


 彼のモデルは、イギリスの歌手ボーイ・ジョージ。1980年代に人気を博したバンド「カルチャー・クラブ」のヴォーカリストであり、澄んだハイトーンボイスを用いて「カーマは気まぐれ」をはじめとする数多くのヒット曲を生み出し、同時にその奇抜なメイクで多くのファンを魅了した人物だ。その中でもカルチャー・クラブの3rdアルバム「ウェイキング・アップ・ウィズ・ザ・ハウス・オン・ファイヤー」(1984年)のジャケットに使用された写真が、ユダのモデルになったと思われる。

 そんなゲイファッションを数多く披露したボーイ・ジョージだが、その見た目を裏切ることなく、自らが同性愛者であることを告白している。一方でユダの方も、レイこそが真に美しい男であることを認め、その胸の中で死ぬことを望んだ事から、ゲイだと思われているフシがある。だがそれは間違いだ。いや正確に言うなら、彼は男だの女だのという些末な違いで人間を区別していないのだ。彼が嗜好するのはあくまで「美しいもの」であり、性別などただのジャンル分け・・・黒髪ロングかショートボブか、それくらいの違いでしかないのである。

 とは言っても、ユダの「美しい」と感じる基準が、かなり女性側に寄っていることは間違いない。侍らせているのが全員女性であること、そして自らにもアイシャドウや口紅といった女性用のコスメを施していることからもそれは明らかだ。だが、ビジュアルだけでは真の美にはたどり着くことは出来ない。そこに「強さ」という要素が加わってこそ、彼の考えうる”美”は究極に達するのである。しかし女性のか細い身体では、ユダが理想とする強さに到達する事は不可能。容姿は美しい女性でありながら、一方で女性では成し得ない強さを備えた「矛盾」した存在。それこそが、ユダの辿り着いた究極の美であり、ユダ自身が体現するあの変態スタイルなのである。


 しかし、それはあくまでユダの知識の中だけの話。20年そこらの人生で培っただけの軽薄な美的センスに過ぎなかった。だがそれでも彼は、己が美の化身であると疑わなかった。己こそが全ての美を知る者・・・鏡の前でポージングをきめる化粧したマッチョこそが究極の美だと信じきっていたのだ。
 そしてその井の中の蛙は、ある日世界を知る。飛燕流舞で舞ったレイの姿は、ユダが今まで目にしたことの無いほどの美しさであり、己の信ずる美を全て過去にするほどのインパクトを誇っていた。それはユダにとってショックな事だっただろう。だが美の探求者としては、すぐにでもその美を研究し、己のものとしたいという欲求もあったはずだ。だがそれは出来なかった。彼の学ぶ南斗紅鶴拳では、水鳥拳のような華麗なる舞を再現することは不可能だったのだ。己が一生をかけても、あの究極の美に追いつくことは出来ない。その現実を知ったとき、ユダの中の何かが壊れた。開きかけた新たなる美への扉を、再び閉じたのである。やはり究極の美は己の中にある。そしてその美にそぐわぬレイは、いわばイレギュラーな存在・・・己の美の世界の概念を侵食する「バグ」であるとみなしたのだ。

 同時に、そこでユダの進化は止まった。真の美から目を逸らし、己の殻に閉じ篭ってしまったことで、ユダは自らの拳を更に美しき強さへと昇華させるチャンスを逸してしまったのである。だからこそレイは、勝負が決着を迎えたとき、ユダに対し「衰えた」と口にしたのである。

 もしユダが己の価値観を捨て、飛燕流舞とはまた別のアプローチによって究極の美を目指していたなら、彼は更なる強さを手に入れていたことだろう。だがユダにはその勇気が無かった。「強さ」と「女性的な美」を兼ね備えたものこそが究極の美であるという従来の考えを捨てられなかったのだ。新たなる美への探究心を捨てた事で、ユダはいつまでも同じ感性のまま、そして更なる力も得られぬまま時を過ごすこととなった。いわばユダの女装は、進化を放棄した彼の「弱さ」の象徴なのである。



●でも意外と強いよ?

 昨今の漫画には「こんな見た目のくせに実は強キャラ」というギャップが用いられることが多い。その典型の一つが、オカマキャラだ。ナヨナヨした動きやダミ声での女口調でありながら、隠し切れないゴリラ筋肉で敵を圧倒するというのがパターンの一つになっている。しかし、王道である北斗の拳には、そういった表現が用いられることは殆ど無い。見た目の強さがほぼ実際の強さに直結していると言えるだろう。故に、女装癖のあるユダに与えられたのは、まさに「それ相応」の強さであった。別に見た目以外オカマでもないしね。

 ユダが伝承するのは、南斗六聖拳の一つ 南斗紅鶴拳。その真髄は、凄まじい拳のスピードにある。衝撃は一気に背中へと突き抜けるため、相手は技を受けた正面ではなく、触れられてもいない背中側からその身を裂かれることとなるという。確かにダガールは見事に背中から裂けていた。だが「背中から裂ける」のと「拳が早い」の因果関係をハッキリしてくれないと、我々としても拍手を贈るわけには行かない。というか理屈で考えるなら、むしろ評価は逆・・・。「背中から裂ける」というのは、ユダの拳に威力が無いことの証明にもなりうるのだ。

 TVショッピング等で良く見る、包丁の試し切り。鋭利な刃物で一気に切断された大根は、接合面を再び合わせたとき、まるで切られたことに気付いていないかのようにピッタリとくっついてしまう。誰もが一度は見たことがある演出だろう。同じことを刃こぼれした古い包丁でやったなら、大根は全く接合しないはずだ。これをダガールの一件に当てはめて考えた場合、先に裂けはじめた背中側のほうが切断面が粗かったということになる。ダガールの身体を切り裂いた衝撃波は、彼の前面を切りながら進むうち、背面に到達する頃にはその威力を弱め、切れ味を落としていたのだ。つまり「背中から裂ける」というのは、単にユダの拳には人間一人を綺麗に切断する威力もないという事を証明するだけの現象であり、南斗紅鶴拳の持つ速さとは何の関連性も無いということだ。

 その他の戦闘シーンを見ても、ユダの拳を見て「早い!」と感じるような場面は特に無かった。他の六聖拳よりは早いのかもしれないが、それは微差の範疇であり、拳の攻防においては殆ど意味を成さないレベルだったのだろう。では一体、紅鶴拳の「拳の早さ」は、ユダにどのような利益をもたらしているのだろうか。

 その答えと思わしきものが一つある。伝衝裂波の存在だ。レイを追い詰めただけでなく、その後ケンシロウが水影心で度々パクり、アニメではラオウ様までが拝借していたほどの超人気物件である。北斗の拳の世界には、意外とロングレンジの技が少ない。剛掌波や暗琉霏破といった幾つかの遠距離技は存在するが、そのどれもが闘気の塊をぶつける技。当然、闘気の消費量は大きいと思われ、とても連発できるような技ではないだろう。しかし伝衝裂波は、ただ高速で腕を振るのみ。体力と腕の乳酸次第で、いくらでも連発可能なのだ。威力の方も申し分なく、仮面を被った修羅程度なら一撃で命を奪うほどの切断力を誇る。イチゴ味では、この伝衝裂波こそが紅鶴拳の極意であり、強さの根源だという台詞があったが、まさに的を得た解釈と言えるだろう。

 これほど便利な技なら、他の南斗聖拳でもどんどん取り入れられていておかしくない筈。だが現状それはなされていない。おそらくそれは、この奥義を使えるのが紅鶴拳を極めし者だけだからであろう。他の南斗聖拳と紅鶴拳を隔てるもの…それは先に述べた「拳の早さ」だ。腕を早く振りぬくという点に特化した修行を行った者だけが体得できる奥義、それが伝衝裂波なのだ。つまり南斗紅鶴拳の「拳の早さ」がもたらす有益性とは、伝衝裂波を会得できる所にあると考えられる。
 にも関わらずケンシロウが使えたのは、転龍呼吸法なりで潜在能力を引き出せたからだろう。重ね重ねズルい男である。


 そんな紅鶴拳の強さの源ともいえる伝衝裂波だが、残念ながら勝負を決める程の技かと言われるとそうでもない。互角以上の相手となると決定打になりうる威力とは言えず、離れるほどに威力も落ちるので結局間合いを詰めねばならない。衝撃波のスピードもそこまで早くもなく。また砂埃を上げながら進むために視認もしやすい。通常の平地ならさほど回避が難しい技ではないだろう。

 しかし、そこでモノを言うのが「知略」である。実際、ユダはその知略を用いて、この伝衝裂波という奥義の有用性を100%引き出すことに成功した。ダムを爆破し、大量の水を村へと流れ込ませることで、足元の砂地は流砂へと変貌。足の動きを極意とするレイは身動きがとれなくなり、勝負は遠距離からの攻撃が可能なユダの独壇場となった。両者の拳や地形と言った全ての条件を加味した上で実行された、見事な作戦だったといえるだろう。

 「そんな卑怯な作戦で勝つことが実力だと言えるのか?」と思う人も居るだろう。だが戦いにおいて地の利を得ることは当然のこと。それが自然に作り出されたものか人工的に作られたものかなどは問題ではない。むしろその条件を作り出すため、たった1日の間に作戦を考案し、村の地質を調査し、村へと続く溝を掘り、ダムとバリケードを爆破するという大作戦を決行したユダの執念を褒めるべきだろう。しかもそこまでやってユダが得たのは、あくまで「五分の状態」。足が使えないのは両者とも同じ条件だ。ユダは南斗紅鶴拳を伝承し、レイは南斗水鳥拳を伝承した。それぞれの拳の特性を把握し、己に有利な舞台を選んで闘う。それのどこが卑怯なのだろうか。

 ユダは、戦いの最中、ずっとマミヤを部下に拘束させていた。にもかかわらず、彼女を人質に取って有利な状況をつくろうとはしなかった。「実力」でレイを倒すことが、己のコンプレックスを晴らす唯一の方法だと理解していたからだ。つまりダム爆破という作戦は、ユダ基準で言うなら完全に「実力のうち」であり、それで勝利したとて何の悔恨も無かったということ。本人にとってはフェア以外の何物でもない勝負であり、もはやそこに他人が異論を挟むのは無粋というものだ。文句をつけていいのは、大量の水を失った村人達だけなのである。



●マミヤが誇る「究極の美」

 ユダには、レイの拳以外にもう一つ、己が“究極の美”と認めたものがある。それはマミヤだ。
「おれが心から美しいと認めてしまったもの、その前でおれは無力になる」「だからおれはマミヤにもなにもできなかった」
とユダは口にしている。つまりレイの飛燕流舞や飛翔白麗を見た時のような恍惚の表情を、マミヤに対しても見せてしまったのである。

 しかし「無力になる」「何も出来なかった」という割には、ユダは彼女に対して結構ヒドイことをしている。何があったのかは解らないが、村に帰ってきたときのマミヤはボロボロになっていたし、浚うときには両親を目の前で細切れにした。焼印だってしっかり押している。どこが無力やねん。何も出来なかった?出来まくっとるやないかい。

 だがよく考えてみれば、ユダがレイに見惚れたのはほんの一瞬であった。レイが華麗に宙返りを決めたその瞬間に、ユダは心を奪われていたのだ。おそらくそれは、マミヤに対しても同じだったのだろう。普段のマミヤに対しては他の女同様にドSな対応をとれるが、ある特定の条件化において、ユダは彼女に"究極の美"を感じ、それ以上は手を出すことができなくなったのだ。レイの飛燕流舞に匹敵するほどのマミヤの「究極の美」とは何なのだろうか。


 その候補となりうるものが一つだけある。
 それはマミヤのおっぱいだ。

 その根拠は、レイがとったリアクションにある。彼がマミヤの村へとやってきた時、その顔を見たリンとバットは「人を助けるような人の目じゃない!」「大悪党のツラだ!」と相当酷く罵られていた。あの時のレイはそれほどまでに凶悪な表情をしていたのだ。
 だが彼が浴場にてマミヤのバスタオルを剥ぎ取り、その胸を見た瞬間、レイの表情は一変した。先ほどまで殺気に満ち溢れていたレイの瞳が、一瞬にしてケンシロウと同じやさしい目に変わったのだ(リン談)。つまり彼女のおっぱいは、憎しみに満ちた人の心を浄化する程の美乳だということ。ならばユダがそれに究極の美を感じたのだとしても不思議ではない。

 マミヤを連れ去ったユダは、反抗的な彼女に対し、調教を施したことだろう。その過程で受けたバイオレンスでマミヤはボロボロとなった。そして辱めのために彼女を裸にひん剥いたとき、ユダの目に究極のおっぱいが飛び込んできた。その神々しき美乳に魅せられ、一時的に美へのコンプレックスを消失したユダは、もはやそれ以上彼女に手を出すことができず、彼女を解放して村に帰したのである。マミヤが心の傷を受けることになったあの事件の裏には、そんな感動的(?)なエピソードがあったのではないだろうか。

 まあそんな与太話はともかく、彼女のおっぱいが特別な存在であることは事実。牙一族のアジトに乗り込む直前、レイの水鳥拳で衣服を切り裂かれたマミヤがあられもない姿となったあの場面は、当時の小中学生の相当数を精通させたという逸話が残るほどの伝説的なシーンとして語り継がれている。レイやユダだけでなく、多くの人間が彼女のおっぱいに救われてきたのだ。我々もまた、彼女のおっぱいの前では無力な存在なのである。






●聖帝と拳王とのドロ沼三角関係

 ユダの宿星である妖星は、別名「裏切りの星」と呼ばれている。南斗六星が和平派と覇権派に分かれて争っていたとき、平和を望む声が多いと見るや、ユダはあえてその和平派を裏切って拳王に付いた。だがシュウによると、そもそもユダに南斗六聖拳の崩壊を誘発させたのは、聖帝サウザーなのだという。ご存知の通り、拳王軍と聖帝軍は覇権を巡って争う敵対組織である。当初サウザーの命令を聞いていた筈のユダが、六星崩壊後は拳王軍に付いた・・・これはユダがサウザーを裏切ったということなのだろうか。

 しかし拳王軍についたとはいえ、ユダはラオウの寝首をかく気満々であった。虎視眈々と好機の訪れを待ち続けていたのだ。そしてそのチャンスは訪れた。ケンシロウとの戦いで、ラオウが決して浅くは無い傷を負ったのだ。だがその好機に、ユダは動かなかった。あの覇王が怪我を負うことなど二度とないチャンスかもしれないというのに、静観を決め込んだのだ。なぜユダはあの時動かなかったのだろうか。

 ここで一つ仮説を立ててみる。ユダはサウザーを裏切ったのではなく、彼と秘密裏に繋がっていたのではないだろうか。つまりユダは、聖帝軍のスパイとして拳王軍に近づいたのではないかということだ。普段は拳王に忠誠を誓いながら、ここぞというタイミングで裏切ってサウザーと共に拳王を打ち倒す。そのためにユダは、拳王軍傘下としてその動向を身近で探り、好機を伺っていたのではないかと思う。ユダも覇権を狙う一人。だが自分の実力でラオウとサウザーを倒すことは容易ではない。というかぶっちゃけ無理だと理解していただろう。つまりラオウを倒すにはサウザーと、サウザーを倒すにはラオウと、いずれかと結託せねば野望は果たせないと踏んでいたのだ。そして二人の決着が付いたその時、傷ついた勝者を己が倒して漁夫の利の覇権を頂く。それこそがユダの描きしサクセスストーリーの全貌だったのではないだろうか。

 そう考えれば、ユダがあのタイミングでラオウに仕掛けなかった理由も解る。それは、サウザーの協力を得られなかったからだ。折角の大チャンスだというのに、サウザーは聖帝十字陵の建設にご執心で全く動いてくれなかったため、ユダ一人ではどうすることも出来なかったのである。故に彼は未曾有の好機を指をくわえて見逃すことしかできなかった。表面上は余裕を装っていたが、内心はマイペースなサウザーに苛ついていたのかもしれない。


 ・・・とまあそのような事を妄想していたら、「ラオウ外伝 天の覇王」において、本当にユダがサウザーの配下となって登場し、その後なんやかんやで拳王軍の傘下に入るという展開が描かれてしまった。半分くらいは予想が正解したといったところか。あえてここを描いてきた点をみるに、渡り鳥的なユダの行動が気になっていた人も多かったのだろう。



●UDガールズ紹介

 ユダが侍らせる究極のイエスマン美女軍団。それがUDガールズ。「UD」の焼印を含む見事な調教により、表情やポーズを一切崩すことなく、ただひたすらユダへの賛美の言葉を述べるだけのロボットと化した無個性な女達。だがそんな彼女達にも名前はある。原作では一人も判明していないが、関連誌や外伝などで特定できたメンバーが幾人かいるので、折角なのでここで紹介しておこう。


 メンバーの中でも一番嫌な目立ち方をしてしまった彼女の名はアリサ。前髪で隠していた額の傷を、ユダの美への嗅覚によって嗅ぎ付けられてしまい、もう完璧な美ではないとして部下達の群れの中に放り捨てられた。その後彼女がどういう目に遭ったのかは想像に難くない。
 アニメ版では怒られる理由が「髪型を勝手に変更したから」となり、その処罰も部下達にワッショイされながら荒野にポイ捨てされるという、どっちがマシなのかよくわからない結果となった。

 彼女の名前の出所は、1999年刊行の「北斗の拳2000 究極解説書part2」に収録されている「UD sister」という虚構の新聞ネタから。そこでの記述によると、彼女は19歳で、この一件があったことでユダは「醜男・醜女生存禁止法」の制定に乗り出したとの事。
 まああくまでネタなので、私も面白半分でデータベースに採用していたのだが、先日デアゴスティーニから発売された北斗の拳のブックレットにてこの名前が採用されるという珍事が起きた。本を見たのかうちのサイトを見たのかは知らないが、もう少しちゃんと調べてから作った方がいいっすよ・・・。


 一方で全然記憶にない彼女の名はローラ。名前の出所は、アリサと同じく「北斗の拳2000 究極解説書part2」から。サザンクロス出身の22歳という設定らしい。
 1コマしか映っていないし見た目も地味目の方だと思うのだが、「第6回ミスUD」で優勝を果たし、ユダの第11夫人の座と、一生不自由の無い暮らしを獲得したんだとか。お、おめでとう・・・。


 こちらはラオウ外伝 天の覇王に登場したイザベラ。原作非登場。ラオウ外伝では、UDガールズはみな敵軍の将を暗殺するための刺客として訓練された女達という設定になっており、彼女もその女アサシンの一人として登場。色仕掛けによって玄王サリムに接近し、毒を盛って動きを封じた後、心臓を一突きにした。城へと帰還した後(作中ではなぜかユダが身を潜めていたため)ダガールに結果を報告したが、暗殺の際に首に負った傷を見抜かれ、原作のアリサのように手下の群れの中へ放り込まれた。
 TVアニメ版では、拳王軍の将であるレイナを捕えたダガールが、彼女を服従させるため、あえて他人であるこのイザベラに拷問をすることで、レイナの首を縦に振らせようとしていた。その後レイナと共に逃亡を図るも、背に矢を受けて死亡。


 こちらはそのラオウ外伝に登場した際のマミヤさん。原作ではどういった目に遭ったのか不明だったが、ラオウ外伝では他の女達同様に刺客としての調教を受けた後ということになっていた。つまり一時的とはいえしっかりとUDガールズ入りは果たしていたということになる。
 刺客として送り出される直前だったが、拳王軍のレイナと出会い、当日自分が刺客として着る予定だった服を渡すことで、彼女の逃亡に協力。後に自らも逃亡に成功した。そこから村に帰ってきたときの描写に繋がるということなのだろう。アニメには登場していない。


 こちらがそのレイナさん。劇場版の「真救世主伝説シリーズ」では柴咲コウが声を務めた人。
 女ながらに拳王親衛隊の隊長を務めていたが、あっさりとダガールに捕えられ、対ラオウ専属の刺客として調教を施されそうになった。上記の通り、原作ではマミヤによって救われ、アニメではイザベラと共に逃亡したため、UDガールズ入り前に脱退している。ま、候補生の一人ってことやね。


以降はイチゴ味のカバー裏に載ってたネタなので資料としてはより役に立たない情報となります。

メタルジャック
やたらと服の生地に執着を見せるが、その事が原因で少しみんなから距離を置かれている。




オリビア
「幽霊を見た」「幽霊を見た」ととにかくうるさい。旅先では必ずこのフレーズを言う。




クラリス
好きなおにぎりはシーチキン。
なまはげを異常に恐れる秋田っ子。




ポリス
ザクならシルエットだけで何ザクかを答えられるMSマニア。





ジェーン
雑学の知識はものすごいが、それがまたウザいおしゃまガール。





以降はさらに原作にすら登場していない、イチゴオリジナルガールズです









中でもユダに不敬なおちょくりを繰り返す
(おそらく)シェリーとジュリアと思わしき二人を
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